光の邑の住民たち 22
1週間のキャンプの後も、僕たちは光の邑に留まり共同生活をしていました。その間もいろいろな変化や進展がありました。
晴れて銀河連合の評議会に承認を得たこの邑は、来るべき大洪水に備えて手が加えられることになりました。最も大きな変化は、邑に大きな塔が建設されたことです。
この塔は、地下2階。地上5階で地上部は、五重の塔のような様式をしています。最初は、プレアデス人による未来的なデザインが提示されたのですが、棟梁の強い反対がありました。「こんな可笑しな建築があるか?この邑に相応しくないだろう?もうちょっと日本的なデザインができないのかよ?」そう棟梁はまくしたてました。柚木さんは、「大洪水を避けるには、こういったデザインが適しているんですよ。確かにこの宿場町には合っていませんが、流されてしまっては意味がないでしょう。見た目だけでなく、いろいろな機能が搭載されているんですよ。」と説明したものの、可笑しなことには、決して首を縦に振らない棟梁に根負けして「じゃあ、サーシャにもうちょっと日本的なデザインでできないか、聞いてみますよ。」と、そして最後に出来上がったデザインが五重塔風、プレアデス式多目的塔でした。
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