偽りの歴史のベールを剥げ
パラダイム‐シフト(paradigm shift)
ある時代・集団を支配する考え方が、非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること。
今まで当たり前だと思っていたことが、何の疑いもなく信じていたことが突然、嘘だと知ったとしたら私たちは、いかなる反応を見せるのだろうか・・・
ちょっと前になりますが、NHKのアニメやドラマにもなった上橋菜穂子作、「精霊の守り人」という物語がありました。この物語は、「バルサという三十歳の女用心棒が、ひょんなことから、新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムをたすけ、彼を守るために奮闘する物語です。」
舞台となる新ヨゴ皇国には、初代皇帝による建国神話が残っており、その神話が元となり国政を行っているのですが、物語の終盤、この建国神話は都合の良いように歪曲された物であり、この事は国の重大機密となっていることが判明します。
真実の歴史の封印は、私たちの世界にも見られます。いわゆる焚書という行為により都合の悪い記録は焼かれてきました。秦の始皇帝の時代にもこれが行われたと聞きます。これによって真の中国の歴史は闇の中です。作為があったのかわかりませんが、アレキサンドリア図書館の焼失も、多大な古代の叡智と記録が失われています。また、我が国日本においても日本書紀をまとめるにあたって、各国から重要な記録を集められ書紀は編纂されましたが、その後集めた記録は返還されなかったといいます。つまり朝廷にとって都合の良い記録だけが選り抜かれ歴史が創作されたということです。
私たち日本人は、この8世紀に創作された公式記録を歴史と信じて認識していることになります。これが真実として幼い頃に学校で教育されたという理由だけで疑いもなく信じ切ってしまいました。今では、アトランティス時代などフィクションだと誰もが信じていますが、もし、学校でこの時代の前にアトランティス時代があったと教えられたとすると、誰もがアトランティスの存在を疑うことはなかったでしょう。ただ、検証にたる記録が残っていないというだけで存在しないことになっています。
私たちが古代から続く日本の伝統だと信じている神道も今の形になったのは、明治時代です。それ以前の神道は違った信仰でありました。また、その昔をたどるとまた違った信仰の形をとっていました。明治以降、キリスト教の影響でずいぶんと私たちの感性や感覚、常識といったものが変化してきました。ある意味、世界はキリスト教が支配していると言っても良いかもしれません。他にはイスラム教もありますが、これもキリスト教も元をたどればユダヤ教になると言われています。つまり、呼び名は変われど世界の創造神の名の元に広まった宗教が世界の思想的基盤として人類の精神性を支配しているわけです。
この創造神、ある呼び名ではデミウルゴスと呼ばれています。天に坐します我らの神よ・・・厳密には、創造神と父神とは分けられると思いますが、ざっくり言うと、天の父神になります。この父神がこの世と人類を創造したことになります。母なくして父単独で子を産んだことになります。日本神話でも、男神イザナギノミコトは、一人でアマテラス、ツクヨミ、スサノオはじめ祓戸の神々を産んでいます。
自然の摂理に反した行為です。或いは両性具有の存在のように男女の結びつきのないままに分裂するように繁殖する生命体とでも言うのでしょうか・・・
私たちは、原罪を持って生まれてきました。人類は罪深き生き物です。だから、神の慈悲にすがり生きるしかありません。精神性を突き詰めるとこういった思想に行き着くのかもしれません。そして、この罪深い世界は、やがて滅びなければならない。ただ生き延びるのは唯一なる神を信じ、神のために生きた民族だけが救われる・・・そんな神話ができあがっているのかもしれません。滅びる人と救われる人との選別化。誰もが救われたいと思うはずです。その為には条件が課せられます。神の民として、唯一の神の命令に従い他の神すなわち思想を捨て去るか・・・という条件。
人は、誰もが良心を持ち、事の善悪を判断する基準を持ちます。それはある範囲で教育や常識、環境、文化などによって養育されますが、普遍的な善悪の基準は確かに存在すると思います。例えば人を殺すことは悪である。これは誰もが認める事だとおもいます。しかし、神の命令とあれば人を殺すことも厭わなくなります。神の命令でなくても戦争においては、多数の人殺しが公然と行われます。しかし、この戦争も元を辿れば信じる神の名において行われることも少なくありません。人は、神の後ろ盾があれば、悪魔にでもなるというのでしょうか・・・矛盾した話です。
僕が最近読んだ本に「偽りの神との決別」という翻訳本があります。
https://www.hikaruland.co.jp/products/detail.php?product_id=4033
この本では、唯一なる創造神が、実は偽りの神であり、私たちを惑わし支配しているという研究内容となっています。
正にパラダイムシフトです。
ユダヤの神が地上を支配する以前、この世界には地球女神への信仰が人々の思想を司っていました。この女神の名をテレスタイ(他からグノーシス主義者と呼ばれていた人達)はソフィアと呼んでいました。彼らは今では異教徒と呼ばれていましたが、人類の叡智と共に人生を探求していた賢人たち、或いは学徒たちでした。彼らの思想には、ユダヤの神の言うような原罪などは存在しませんでした。おおらかで自然と共に生き、優れた知識と自然から読み解く洞察に満ちた叡智により自分たちの存在を認識していました。まるで古代縄文人のような精神性を有していたと僕には思えました。断っておきますが、縄文人は野蛮な原始人ではありません。彼らには1万年を継続するだけの精神性が存在していました。方や我々現代人は、最新の科学と技術を有していると嘯きながら数百年で行き詰っています。
私たちが行き詰っているのは、この薄っぺらい創造神の教えを信じ忠実に世界を分断し、支配しようとしているからだと思います。先の本は、この創造神の正体をソフィア女神が地球を創造しようとした時に、図らずしも生まれてしまったアルコンと呼ばれる異常だと説明しています。神の仮面を被った悪魔と呼ぶべきでしょうか・・・しかし、このアルコンには、創造力はなく、ただ模造しか作り出せないそうです。そして、その目的は、他を欺き喜ぶだけの無意味な存在です。
私たちは、こういった異常が創造した世界に閉じ込められ、さも真実の世界だと言わんばかり、偽りを信じて奴隷のように生きてきたわけです。ああ、まるで某国の有り様を見ているようです。もしかすると、その国民を支配する手法はアルコン由来なのかもしれません。
私たちが、この偽りの世界から脱出する方法は何か?
新しい技術とか思想とか、何かを作り出す必要はないのかもしれません。かの創造神が猛威を振るう以前の状態を思い出せば良いだけなのかもしれません。この日本国は、偽善と偽証によってその精神性はボロボロといっても良い状態かもしれませんが、日本人が日本人らしく生きられた伝統や文化は、いくばくかまだ残っています。
催眠術にかかるがごとし、曇った意識と目を浄化して、本来の意識を取り戻せば偽りと真実の判別もできるようになるかもしれません。
日本は、本来、母系社会、女神信仰の国でした。その名残は最高神天照大御神が女性であることからも見て取れます。
テレビをはじめとした多くの情報に頼らず、日本人の意識の目で、世界を見渡すなら真実に気づくことができるかもしれません。私たちが、信じている世界、政治、世の姿、そして神と信仰を一度疑ってみることから、真実を探る努力が求められている時代なのかもしれません。
私たちが現実だと信じ込まされてきたこの世界は、一部の支配者によって自分たちの都合の良い歴史を捏造し、人心を思うがままに操ってきました。都合の良い情報だけをメディアで流し、それだけでなく嘘を真実だと平気で報道する。普通に考えればおかしいと思う政策を、さも素晴らしい政策だとスローガンを掲げ、多くの人が異を唱えても人々の信任を得たと嘯く。時に真実に気づいた人の言動は抹殺され、狂人の戯言だと断罪する。その後ろ盾はアルコンという本来あるべきではない異常な存在による、神の創造を模造した偽りの世界観でした。いずれ真実は人々の目にさらされ、全ての人々があるべき姿に気付くときがくることでしょう。女神ソフィアは、この事を予言しています。
今、私たちが偽りの神の創造した世界から離脱し、本来の自由と意志を取り戻したいなら為すべきことは、偽りのベールをはぎとり、それに隠された真実の姿とそこに隠された地球女神の姿を見つけることなのだと思います。