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光の邑の住民たち 16

神社から、僕たちの風の家に戻る途中、渥美さんは、サーシャさんにしきりに話しかけたり、質問をしていました。その横には、昴くんが目を輝かせながら渥美さんと手を繋いで歩いていました。柚木さんは、先頭に立って歩いています。僕とプレリネは、横に歩きながらも黙っていました。その少し後ろには、雅子と、早坂さんの奥さんがこれも黙ったまま歩いていました。僕は、雅子の様子が気になってはいたのですが、プレリネに気持ちは持っていかれていました。

風の家に戻り、居間の囲炉裏に火を入れました。自然と囲炉裏を囲んで皆が座りました。柚木さんの横には、サーシャさんが、僕の左横には、プレリネが、右横には雅子が座り、その横に早坂さんの奥さんが座っていました。対面には、渥美さん親子でしたが、夜も遅いため、渥美さんは、先に昴くんを寝かしつけました。外の暗がりではあまり気が付かなかったのですが、プレアデス人の服装は、身体にフィットした薄手の生地で、寒くないのか心配でした。彼女らは、別に寒がる様子もなかったのですが、それでも囲炉裏の炎に当たると、幾分、頬が明るんだように感じました。雅子は、相変わらず顔を伏せていました。早坂さんにも雅子の状態がおかしいと分かったらしく、心配な眼差しを向けていました。

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