光の邑の住民たち 18
プレリネの言葉どおり、程なくして、雅子とサーシャさんは帰ってきました。
「帰ってこれたんですね?無事で良かった!」僕。
「大丈夫だった?」早坂さん。
「ほんと、良かった!」渥美さん。
各自が思い思いに声をかけ、僕たちは二人を迎え入れ、皆がまた囲炉裏を囲みました。渥美さんは、気を利かせて皆に暖かいお茶を用意しました。外は寒かったはずです。柚木さんは、黙って喜びの笑みを浮かべ、サーシャの肩を抱き労をねぎらっていました。
「皆さん、ご心配かけてごめんなさい。」雅子は素直に皆に謝った。その表情は、晴れ晴れとしていました。雅子は、暫く車を走らせ峠を下りかけたところで、車を停めて一人佇んでいたところをサーシャさんが追ってきたそうです。サーシャさんは、特に言葉をかけるでもなく、雅子を抱き寄せ、雅子が落ち着くまで、ずっとそうしていたそうです。愛の波動と光に二人は包まれていたと、後で聞きました。それは、神の愛とも感じられる暖かくて穏やかな、それでいて力強いエネルギーだったそうです。
「人類の感情のエネルギーがポジティブに働いた時、これほど強いポテンシャルがあるとは想像以上でした。」サーシャさんが話しました。
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