巡禮セレクション 15
2014年04月03日(木)
生と死の女神3 川神・山神そして月神
古代、今の神道が広まる以前にもう一つの神道、
いや、神道と呼べるのか解らない神への信仰があったのだと思います。
それは、アニミズムと呼ばれるものかもしれませんが、
我々の考える自然霊への信仰とは、ちょっと違った異界への信仰があったのではなかいか・・・
ということが、今の追跡で感じています。
それが白(シラ)への信仰であり、
その白で象徴される命の源、生が生まれ、死に去っていく異界が存在し、その異界とは山にあると古代の人は考えていました。
それゆえ、白山信仰が成立したのだと思います。
降臨とは、海上でも平原でもなく、山頂に訪れるものなのだと思います。
神は、山からやってきます。
三輪山の伝説はその典型だと思います。
大物主神は、山に住む蛇神でした。
そして、川を下り里の娘(巫女)と結ばれます。
それが玉櫛姫だったわけです。
同じく、巫女が賀茂の玉依姫もそうでした。
山は異界ゆえ、山に住む神は、異界の神であり生命を司る神でもあると言えます。
生命を芽吹く春は、山から神が里へ降りてきたと考えられていました。
また、山と里を繋ぐ川は、異界への通路であり、境界でもあります。
川神もまた、異界の神であり、異界と人間界を仲介する巫女のような存在なのだと思います。
ゆえに、川神は巫女のように女神として祀られることが多いのだと思います。
そして、この山神、川神は月神でもあるということは、七色堂でも書いてきたことです。
(続・天から舞い降りた月神たち参照)
かの大地母神は、月神でした。
世界各地の古代信仰にこの大地母神への信仰がありました。これは、生と再生の女神として伝えられています。
この女神は、名こそ違え、その性質は万国共通です。
「イシュタル、アシュトレト、アスタルテは、祭祀の上と言語学の上から、同一の神格がそれぞれの地方で信仰されたものとみられる。彼女らは月神であり、また神々の母と呼ばれた。
フェニキアのアスタルテは、ギリシアに伝わり、アプロディーテーとなり、キプロスを中心として信仰された。」
僕は、瀬織津姫の原型は、メソポタミアのイシュタル、イナンナ辺りではないか・・・と考えていますが、原型という理解の仕方が間違っているのかもしれません。
それは民族共通の太古から続く母神、水神への信仰なのかもしれません。
この「生と死の女神」シリーズ、行き着く底は、この母神への信仰だったように思います。
思えば、今は取り消していますが、七色堂のサブタイトルは「イザナミのヨミガエリ」でした。
実は、このシリーズのネタは数日前から構想ができていたのですが、どうも文字に変える気力がわきませんでした。
それは、一つのゴールを目前にし、その時の達成感と喪失感を予感してのことだと思います。
この先、どうするかな・・・・という思いがあり、その先が見えないので、書き進める気がしなかったのです。
次回は、おそらくその最終回、大地母神に触れてみたいと思います。
その先は、もう少しだけ追及が残っています。
それは、岩戸オールスターズについて解明しないといけないと思っています。
また、できれば蛇神、鳥神、龍神のこともまとめて記録しておきたいと思います。
おそらく、僕の作業はそこまでかな・・・という感じもしておりますが、先のことはわかりませんね。
では、あともう少し、この女神を追ってみます。
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