このままじゃお肉食べられなくなるよ
こんにちは。
eijiです。
僕は今年で14年間食肉卸をしています。
最近の物価高で日本の食文化に不安を抱くようになりました。
なぜなら他国は値上げに寛容なのに対して、日本は値上げについていけてないからです。
例えば輸入牛は国産牛に比べて安かったのですが、最近は数々の要素が絡んで価格が急上昇しています。
要素①ワーカー不足
要素②飼料高騰
要素③運輸高
要素④需要増
【ワーカー不足】
海外では自宅待機の要請を受け入れると政府からお金がもらえます。
人によっては通常の給料よりも多く、収入が増えたという声も多いようです。
【飼料高騰】
働き手が減れば、その分生産が遅れたり少なくなったりと需要と供給のバランスが崩れます。
供給が減った状態のまま、コロナにより減った需要が元に戻れば、自ずと穀物不足に陥ります。
よって飼料が高騰してしまいました。
【運輸高】
運輸関係もワーカー不足とコンテナ不足により運賃がセリのような状態になり、高値で契約せざるを得なくなってます。
他国(特に中国)が大量のお金でコンテナを独占するような状態になり、日本は後回し後回しになる始末。
契約通りに商品が届かず、品薄状態が常に続いています。
よって国内でも商品を持っているところが値段をつけるような状態。
【需要増】
コロナがオミクロン株になり重症患者が減少傾向になると、世界の経済は大きく動き出しました。
生産減と需要増が重なり、物価がものすごい勢いで上昇する中で、世界の人件費も上昇していきました。
アメリカのランチ1食は2000円以上が当たり前になりましたが、その分時給も鰻登り。
1時間あたりのカフェのアルバイト料金はチップも込みで3000円を超えるとか。
物価が高くなっても同じように給料も上がっていく世界各国ですが、日本はどうでしょうか?
あまり変わってないですよね。
そして、いくら物価が上がったと言っても牛丼一杯ワンコインで食べられます。
「値上げが少なくてよかった〜」と思っているそこのあなた!
この状況を危険信号だと気づけないと事故しますよ。
状況を説明します。
紛れもなく物価は上がっています。
しかし会社が物価高をある程度吸収し、反映させないようにしています。
よってそこまでの値上げをしなくて済んでいます。
ではなぜ会社はそんなことをしているのか。
なぜなら値上げをすると消費が落ち込むからです。
値上げ→消費が落ち込む→商品が余る→値下げせざるを得ない→収益が下がる→給料が下がる→消費が落ち込む
この負のスパイラルに陥るからです。
理想を言えば他国と同様に値上げしても商品を買ってくれれば、全体の収益も上がり給料も増える状態に持っていきたいのですけどね。
値上げ→みんなが買う→収益が上がる→給料が上がる
この物価高の中で先進国中、所得が横ばいor下がっているのは日本だけです。
昔からの値上げに敏感な日本の体質が、自分たちを苦しめている根源だということにそろそろ気づくべきだと思います。
このままでは物価の上昇に取り残され、商品が手に入らない状況になることは目に見えています。
他国に買い負け、お肉が食べられなくなる日が、すぐそこまで来ているのかもしれませんよ。
それではまた。