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2020年の展望

僕の2020年の展望は暗いです。本でも書いた通り、この国は産業も社会も疲弊していてなんとかオリンピックまでは臭いものに蓋をするという体制で今動いてます。したがってオリンピック後にその膿みが噴出するでしょう。

産業としては古いメディアの凋落や車を中心とした輸出工業産業の退廃、小売業の没落です。社会としては、ゴーンさんの件でもありましたが、三権分立がなされてなく政府と司法が密な関係にあることや、日本の地方における外国人労働者の扱いの酷さの噴出、教育現場の腐敗と教育内容の古さが明らかになってくるに違いありません。このような旧システムや産業が壊れていくのが今年後半から2023年くらいまで、新しい産業や制度を整えようという動きがその後出てくるでしょう。新旧の交代は2025年と見ています。


僕は社会制度と産業創造を二つに分け、前者を盟友に、後者を自分が担うつもりでこの10年活動してきました。そのため、本当にありとあらゆる事業に手を出して試行錯誤を続けましたが日本の未来は大きく3つの産業にかかっていると結論づけました。

すなわち、輸出による売上増加におけるロボティクス・国内のコスト改善のための医療システム改革、世界と同期を取るためのマルチコミュニティ創造です。その詳細を、2020年の展望に代えてお伝えします。


アフターオリンピックの日本は、「Japan as Hapiness no.1」へと向かってゆくべきです。1980年代「Japan as no.1」は貨幣経済(GDP)で世界一でした。しかし2030年代には非貨幣経済(GNH)で世界一になりましょう。


◯自動車をアップデートするな!ロボティクスへと進化せよ


日本を振り返ってみると、端的に言えば過去50年間は自動車産業で食べてきたことがわかります。自動車産業には企画や設計から、部品づくりがあり、板金でシャーシをつくる工場もあって、それらを組み立て、販売し、アフターケアもする。その上、保険や金融もつけることもできる。その長いサプライチェーンで、バケツリレーをしっかりやっていくことでいい車ができるわけです。このバケツリレーが島国であうんの呼吸で話せてある意味ダイバーシティのないf^_^;日本人が得意なことです。そしてサプライチェーンが長い産業は最も雇用を生むことができます。中卒も高卒も、誰もが雇用で吸収できる自動車産業はあらゆる日本国民が様々な方法で働けるプラットフォームだったというわけです。しかし今では自動車自体はコモディティ化しており、シェアエコノミーで販売台数は減り、どうあがいても今後は厳しくなるでしょう。1億円の高級車もAI自動運転もカンフル剤にさえなりません(むしろ日本の弱いところです)。その自動車産業から進化をする先はロボティクスです。決して自動車の進化ではありません。ロボティクスも自動車と同じ特徴があります。バケツリレーでつくる必要ができます。


エリートや非エリート、ヤンキーやヤンママも、あらゆる人々の雇用を吸収できます。ロボティクスは当然、まだコモディティ化されておらず、産業としては未熟。しかし今後多くの企業が統合されていき、ビルや高速道路などのメンテナンス、警備や介護にも使われていくはずです。車は道路を走るだけですがロボットは道路だけでなく、工場内を動き、空を飛び、歩道を歩き、家庭やオフィスにも入りこみます。きっと膨大な数のロボットが動き、あらゆる産業に何らかはロボティクスに絡むようになるでしょう。AI、ネットワーク、駆動系、電気系、板金、保険・金融、教育、介護まですべてです。膨大な市場です。優秀なトップVCが軒並みロボティクスへ投資しているのも肯けます。日本からはなかなかGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のような産業が出てこない。それはワンファンクションで1人の天才がつくるものです。むしろ日本は擦り合わせの文化の中で言語化されない知恵をもちより真似できないクォリティを担保してきたのです。ロボティクスへの国家的投資は必須です。


◯高齢化国家たる日本の最重要改革アジェンダは医療システム


医療システムは、この国が一番取りかからなければいけない分野です。医療介護費用として年間約80兆円かかっているコストを削減するということです。医療といっても、先端医療や未病、あるいはアフターケア、ゲノム解析などといった様々な分野がありますが、医療システムはそれら個別の分野のことではありません。電子カルテや保険制度や医師会の扱い、総合病院と町医者などを含めた、医療業界のエコシステムそのものを指しています。そして、この国は世界で最も高齢化が進み、医療システムには今後も膨大なコストがかかり続けます。嫌味な言い方をすれば大きな票田である団塊世代が現役を引退した今、社会保障改革はまったく進まないと思います(逆に働き方改革が進んだのは団塊世代が引退して自分達に関係なくなったからとも言えます)。医療システム自体は輸入していくことになると思いますが、この改革も盛んに行われていくでしょう。
つまりシンプルに今後30年の国家産業戦略を言えばロボティクスで売り上げを立て、医療システムでコストを下げるということです。国民全員がぼんやりその感覚を持って生活して欲しいです。


◯社会システムの再構築としてのマルチコミュニティ


3つ目は、マルチコミュニティです。マルチコミュニティを考えるなら、社会システム全体について考えないといけません。この国を一つで捉えるのは既に限界を迎えているということです。道州制ではありませんが、今後は国をそれぞれの地域コミュニティに分解していくことが重要になってきます。各地域コミュニティがそれぞれ地方債を発行して、外交していってもいいでしょう。コミュニティの社会インフラをつくる仕事を「コミュニティオプティマイザー」と言いますが、その重要性が今後は高まっていきます。コミュニティインフラは4つにわかれていきます。


1つは財政で、2つ目が保険をはじめとする、健康管理システム。それに法律、教育です。基礎インフラというこの4つが、各コミュニティで変わっていくはずで、実際、今でも健康管理システムや教育システムは大学を中心として変化していっています。財政と法律はまだ自立できていませんが、財政に関しては今後各地域コミュニティが藩札のようなものを発行して、自立していくと思います。これからは、地域コミュニティが独自のインフラや産業を持つようになるはずです。その過程で起業家や若者たちが暮らしやすいところに移住してコミットすることで、改革が起こっていきます。スピード感や洗練度は各都市でどんどん差が開いてゆくでしょう。


◯あなたは、市民?庶民?都民?それとも世界市民?


昨年は、上級国民、下級国民などが揶揄されましたが、今年のオリンピック以降はさらに細分化してゆくでしょう。まず東京のセキュリティや衣食住の品質の良さ、価格の安さからスーパーホワイトカラーが進出してきています。もはやロンドンやパリにはイギリス人やフランス人は少なくなっていますが、日本人で東京の中心に住めるのは一部のエリートとインフラを支える労働者だけになるでしょう。今の都民は川崎とか北千住に住むことになるかもしれまん。理解すべきは、東京は日本の一部でなく独立した国際的な都市国家になるということです。そのひとたちは都民です。その意味で地方でもきちんと民主政治への参加率の高さと生き方の寛容度を備えたコミュニティが大事でそこに住む人を市民と言います。どちらにも入れないなら庶民です。50〜60%の日本人がここに入るでしょう。凋落する日本の財政と社会保障の欠如に苦しみます。孤独も増えるでしょう。残りの2% が世界市民です。(大阪なおみからゴーンさんまで国をまたいで生きてゆけるわずかな人達です)


◯今後の僕たちの展望について


昨年まではすべて自己資本で投資を行い、企業の立ち上げ・資金調達をしてまいりましたが、今年は本年はみなさまの資本を預かりながら産業創生を行なってまいります。ぜひご連絡ください。投資成績など開示します。またメンバーとしても募集しております。(http://bluemarl.in/)


◯コンサルについて


今まで15社の立ち上げ資金調達、事業創造支援を行ってまいりました。それらはどれも業界のパラダイムを変える企業です。本年はこのこの経験から得た知見を、皆様に還元して行きたいと考えております。コンサルティングとして何かお困りの点ございましたらお気軽にお声がけください。いつでもご相談にのります。


それでは今年もよろしくお願いします。

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