2024年5月開催デレステイベント「ススメ!シンデレラロード・伊集院惠編」感想
以下ネタバレを含みます
こちらの話は、かつては自分探しをしながら一人の旅を繰り返していた惠さんが、お仕事や「ユニットシャイニング・トラベラーズ(シャニトラ)」のメンバーとの交流を通じて生じた「みんなと一緒に歩くことが心地よく感じる」という心境の変化と向き合い、一つ成長していくという流れが描かれていてとてもよかった。
惠さんの成長描写はどちらかというと内向的な部分があり自己完結しがちだった人が、外に目を向け、他の人と歩調を合わせながら進めるようになっていったという点に主眼が置かれていた(少なくとも私はそう読み取っていた)
けどその成長だけに目を向けすぎると惠さんがもともと持っていた、異郷で一人だけの時間をゆったりと自由に楽しむなどといった繊細な情緒、ひいては惠さんの「趣味:一人旅」を乱暴に否定することになりかねないと思っていた。
そんな前提の中で、「みんなといく旅には一人の旅とは違った楽しみがある」「一人で行くかみんなで行くかも自分の自由で決めていきたい」「いつだって自由な一人旅をしているという本質は変わらないがもし誰かと道が重なるなら一緒に歩くのも楽しい」というきれいな着地点にたどり着いたのが、本人の良さを持ったまま選択肢を広げるというとてもまっすぐな成長という感じで本当によかった。
そして、心境に向き合い結論を出す直接的な後押しになったのが、一緒に旅をしてきたメンバー、とくにユニットとしての最初の仲間であり頼れる年上である夏美さんと、もともとみんなで旅行に行くのを好む美里さんであるというのもまたいい。
特に一人旅を好む惠さんとみんなで旅行に行くのを好む美里さんには、いつの日かその姿勢の違いを言い合ってお互い影響されあうとかそういう展開を見てみたいなと思ったので夢がかなった。
同じ趣味に対する姿勢の違いに触れることで成長していくっていうのは、アイドルが多く必然方向性の似た嗜好を持つアイドルも多くなるデレマスならではの描き方だよなあと思う。
あまりにも使いどころの多いスクリーンショット。
特訓後のイラスト、とても好き。
シャニトラ共通衣装をお披露目しつつ、表情が柔和で楽しそうな惠さんが目立っていて……。
ポニテがこういうふうに揺れているってことは、もうちょっと後ろの方に立っていたところで、ファンサとかのためにカメラ側に駆け寄ってきてくれたとかそんな感じなんだろうか。
今回の惠さん、シャニトラのメンバーのこと、ただの仕事仲間とかではなく大切な友達って捉えているのが分かるセリフが多いのいいよね
今後惠さんの成長が描かれる機会があるとすれば、今回のコミュでいくらか見え隠れしていた、「みんなと肩を並べて歩くなら自分自身がしっかりして引っ張っていきたい」みたいな責任感の強さにメスが入っていくことになるんだろうか。
それは長所である一方、しっかり者だが20歳を超えたばかリの大学生で年相応のもろさも持つ惠さんにとって、重荷になることだってあるかもしれない。
そんな中できちんと頼れる人を見定めて頼れるようになっていく描写があってもいいと私は思っている(今回でもPにだいぶ無茶言ったり夏美さんのことを姉のように思っているというセリフがあったりしたけど)。
何が言いたいかというと、もう一つの惠さんの共通衣装ユニット[MARVELOUS]にスポットを当てて、ユニットの最年少としてちょっとずつでも人に寄りかかっていけるようになる惠さんの姿もいつか見たいということである。