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2024年6月開催デレステイベント「ススメ!シンデレラロード・松原早耶編」感想
以下ネタバレを含みます
今回の話では、スランプに陥っても、周りの人に支えられながらも自分の力で立ち直ってまた進んでいける早耶ちゃんの強さを感じられてとてもよかった。
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開始直後に第一話のだけ読んで上記の展開から「自分の思う可愛いを追究したからこそ自然体がわからなくなってしまうみたいな話だろうか」とふんわり予想していたんだけど、先を読んだらもっと深いところまで踏み込むものだったのでいい意味で予想を裏切られた。
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これまでの早耶ちゃんが直面した壁は周囲の人に可愛さのスタンスを理解されないこと。
彼女はそれを、そういう人もいると理解した上で自分自身の良さを突き詰められるように頑張っていくという形で乗り越えてきた
ただ、その解決策は本人が本人の思うように可愛くあり続けられるということが前提であり、逆にそれがスランプでできなくなった時にどうなるか?と進んでいくのはシンプルな流れのはずなのに盲点だった。
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今回の「自分がいいと思えるようにキメられていないのならどうすればいいか?そんな姿をみんなは求めているのか?」という早耶ちゃんの葛藤は、一見するとメモリアルコミュでテーマの一つとして提示されていたように見える「すべての人が求める自分でなく自分が一番いいと思う自分を突き詰めよう。その姿を求める人のために」みたいな話へのアンチテーゼになっているように思える。
自分らしくあるのが一番という考えは、自分らしさを見失ったときに牙をむいてしまう。
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それに対し、「自分のあり方を好きになってもらいたいならまずは自分で自分のありのままを肯定することが大事」「それが大変でも見回してみれば支えてくれる人がいるはず」という早耶ちゃんのメモリアルコミュなどで示されたストーリーの芯になっていそうな部分に立ち返り、それをもとに「キマらない自分」もまとめてみんなが好きでいてくれている「頑張る自分」として好きになるという答えを出して、スランプからも立ち直って進んでいけるようになるくらいに強い(強くなった)アイドルであるのを見せてくれるのが本当に良かった。
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もちろん立ち返るだけじゃなく、りるすたーやTIP!TAP!FLAP!といったユニット仲間のメンバーたちやアイドルになる以前からの知り合いが、アイドルとして活動してきた早耶ちゃんの良さを知ってくれて、それを肯定してくれたからこそ立ち直れたというのはアイドルになってからの積み重ねを感じてとてもいい。
アイドルになる前の知り合いにも認めてくれていた人がおり、今の早耶ちゃんがそれを受け入れたという図は、成長して自分は孤独ではないということを知り精神的な余裕を持てるようになった、という解釈もできるかもなと思った。
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4話で悩む早耶ちゃん周りからの励ましを思い返している中で不意に現れるこの選択肢、本当にすごい。
アイドルとして進み始めたきっかけのP(≒プレイヤー)の言葉を。アイドルとして進み始めた直後に折れかけたときに励まされた言葉を。早耶ちゃんが今一度進むための勇気を得るためかつてと同じようにプレイヤーの手でもう一度再現する。あまりにも心憎い演出。
コミュで示されない中でもアイドル活動中に悩むことがあるたびにこの言葉を思い返してきたんだろうか。
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また、周りの人から与えられるばかりでなく、写真技術をユニットメンバーに教えてうまくできなくてもフォローしたり、お仕事で頼りにされたりと、対等な仲間として接しているのを見られたのも嬉しい。
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モバゲー版のデートアイプロに続いて、Pとの写真を秘密の宝物として貯めているのが分かるの、可愛い。
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特訓後の絵、最初に見たときは「梅雨だけにアジサイの衣装なのかわいいな」くらいにしか思ってないところに、一通りコミュ見てからアルバム名[わらって、ハイドレンジア(アジサイ)]・特技名「雨上がりに咲く花」なのをみて「わァ……ァ……」ってなった。
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はじめはついてきた早耶ちゃんが今は「ついてきて」って先導してくれるの、いいよね。
これから先もう一度早耶ちゃんがフィーチャーされた時、どういう話になるだろう。
私から見て、早耶ちゃんはそのストーリーをかなり深いところまでコミュの中で描き切ってもらっているように思うため、かえって予想が難しい。
予想というか願望だけど、メモリアルコミュの時にはややダイジェスト気味だった、彼女の中でのPが「正面から頑張りを認める言葉をかけてくれた人」から「無二の信頼を置く大切な人」になっていくまでの過程を回想形式で見てみたいかも。
(ただ、そういう公式の描写の行間を埋めるようなストーリーは公式から出たもの(≒確定した答え)を見るより、公式にはそこを多少曖昧にしてもらった上で、他の方が考えを二次創作として出したものを見てみたいという思いの方が強い気もする)
どのような形になるにせよ、いつの日かもう一度早耶ちゃんが頑張る姿を見られる日が来るのを楽しみにしたい。