髪の話

長らくセミロングだった髪型が何となく似合わなくなってしまい、1年くらい前からショートヘアにしている。

一般的にもおばちゃんになると、髪を短くする人が多い。それは、年齢と共にコシとツヤが減少し、カラーやパーマを重ねたダメージが髪をみすぼらしく見えるせい、と思っていたけど、今日ランチで入ったお店にいた4人のセミロングおばちゃん集団を目の当たりにして、1年前に、自分の髪型に感じた違和感の正体が判明した。

女性はハゲにこそならないけど、実は男性と同様に、髪が細くなってグッと量も減り、さらには分け目の溝も徐々に広がりを見せる。そこで髪を伸ばすとどうなるか。細くなった根元に自分を髪を支える力がなくなっているせいで、頭のテッペンがペッタンコの紫式部状態になってしまうのだ。

百人一首でおなじみ紫式部

肖像画の紫式部にはおでこのシワもほうれい線もない。実年齢は不明だが、平安時代の平均寿命が40歳だったことを考えても、せいぜいアラサー程度の姿と想定するのが妥当であろう。

そのアラサー式部でさえ、頭のテッペンにふんわりとしたボリュームが存在しないと、大学生と高校生の子供がいるようなおばちゃん(50歳)に見えてしまう。いわんや、顔面のあらゆる皮膚が重力に負けて垂れ下がり、鼻の横や口の下に深い溝が刻まれている、リアルおばちゃんをや、である。

賀来千香子が還暦だなんて…

元JJモデルで、ボトックスやヒアルロン酸の注入はもちろん、糸リフト以上の美容医療に通いまくってるに違いない賀来千香子でさえ、セミロングの髪で顔全体の重心を上に保つのに、レディスアデランスに頼らざるを得ないのだ。そりゃ、わたしだけでなく、他のおばちゃんのセミロングを見て「何かが違う…」と感じるのは自明のことであろう。

ショートカットは頻繁に切りに行かないと、空気を含んだふんわり感がすぐになくなるので、実はメンテをするのが大変な髪型だ。昭和のおばちゃんが大仏パーマをかけてたのは、きっと、ふんわり感のあるシルエットを数ヶ月間保つためだったのだろう。

まる子のママは40歳

それでも令和の時代のショートヘアなら大仏パーマやアデランスに頼らずとも、髪にダメージを与えないお高いドライヤーやヘアアイロン、細かい機能に応じたワックスなど、髪の根元が全体の重量をギリギリ支えるためのアレコレが存在していて、たいそうありがたい。

年をとると髪の悩みは男性特有のものではなく、人類全体の悩みに発展するのだ。オオサカ堂に頼ってる殿方の皆さんも、是非安心してもらいたい。