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【コント(8)】 『アンジャッシュのコント2 sin』

こちらのツイートなどを参考に、ネタに仕上げました)


渡部の引越しを手伝いに来た児島が、物置からノートを見つける。” sin “ と書かれている。


児島「お、なんだこのノート?」
渡部「うわあ、なつかしいなあ。俺もさあ、昔は勉強したよなあ。今はかなり忘れちゃったけれど。でも児島ならこれくらい、覚えているよなあ」(荷物の分類作業をしていて、児島の方をしばらくの間見ずにいる)
児島「ああ……英語かよ……(こっそりスマホで調べる。小声で)『罪』って意味か」
渡部「ん?なんか言った?」
児島「いやあ、べつに。あれ?ちょっとこれさ、この後ろに、πっていう字がついているな……シン・パイ?……」
渡部「ああ、そうだな。ゼロだな」
児島「……心配ゼロ、か。シャレかよ・・・・・ぶっ、いや、つまんないよ。そんなの」
渡部「ああ、これくらいじゃつまんないか?お前、優秀だな。俺は当時はこの意味を必死に考え込んで悩んだよ」
児島「ああ、これ、真剣に考えたのか?それって単語が意味することについて?悩んでいたってことか?」
渡部「単語っていうのかな。記号?ほら、置換とかしたら……」
児島「痴漢!?お前、そんなことしたのかあ?それでどうなった?」
渡部「そりゃすっきりしたよ」
児島「いや、そんなこと言っちゃだめだろ。そういうこと聞いてんじゃないよ」
渡部「いやすっきりすることあるだろう?置換で。πがあるとすっきりすることが多いんだよ」
児島「いやいやパイって、ヤバいよ……よっぽど罪の意識が乏しいんだな、渡部は……」
渡部「お、そうだ俺、ちょっとやってみようかな」
渡部「置換を?今から?やめろよ」
渡部「はあ?無理だと思っているのか?大丈夫そうだぞ?値域が限られているから……」
児島「無理っていうか、ダメだって。地域限定だからいいとかないから!」
渡部(計算し始める)「できるよ。sinθ……」
児島「サインした?」
渡部「あのさ。お前さっきからなに騒いでんだ?念のために言っておくけれど、計算の話な」
児島「ケイさん?あのきれいな?」
渡部「きれい?ああ、きれいとかエレガントとかってことにこだわったほうがいいよな」
児島「いや、置換の好みなんか聞いていないよ」
渡部「置換、計算しやすいだろ」
児島「ケイさん、置換しやすいとか、お前何度もやったのか」
渡部「そりゃ何度もやらないと身につかないよ」
児島「だから身につけなくていいって」
渡部「そうかな?役に立たないかな」
児島「役に立たないっていうか、人生棒に振るよ」
渡部「ああ、ハマるからな。でも楽しいぞ。児島もやってみないか?」
児島「やらないって!なに誘ってんだよ。ありえないだろ」
渡部「ああ。児島って、もしかして本当は、計算とか苦手なんじゃないのかあ?」
児島「いや、ケイさんが苦手とかそういう問題じゃないよ」
渡部「違うのか。まあいいや。でも、なんか永遠に繰り返すんだなあ、とか思うと不思議だよな」
児島「永遠にって、そんなにやめられないのか?」
渡部「ほら、なだらかな曲線がさ……」
児島「やめろやめろやめろ」
渡部「ええ?計算してないよ?周期を想像するのもダメか?」
児島「曲線とか臭気とかって、お前の言い方はリアルすぎるよ。反省しろよ」
渡部「ええ?でもさあ、ちょっと見てみろよ」
児島「見てみろって……」
渡部「ほら」(次ページのグラフを見せる)
児島「……お前、胸とお尻のことしか考えていないのかあっ!」
 

 〈了〉

#小説 #数学 #コント #コント台本 #アンジャッシュ #数理小説 #三角関数


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