アメリカ大統領選挙に関して
秋の冷たい風が街を吹き抜け、アメリカ大統領選挙の季節がまた巡ってきた。4年に一度のドラマが、いよいよ幕を開けようとしている。
かつてアメリカの大統領選挙なんて、まるで別世界の話のようで、興味も関心もなかった。せいぜい、ケネディの暗殺や、16年前に初の黒人大統領としてオバマが誕生したことくらいしか知らなかった。
だが、8年前、トランプが登場した瞬間、周りの反応が違った。ヒラリー・クリントンが勝つだろうと誰もが信じていたが、結果は覆された。政治の世界で何が起こっているのか気になり始め、私はその時初めて大統領選挙を真剣に追うようになった。奇妙なことに、あのときトランプの勝利を予測していたのは、国際政治アナリストの藤井厳喜だけだった。
トランプが大統領に就任した途端、世間は「ロシアゲート」に騒がしかった。「一体何事だ?」と思ううち、その後色んなことがあって4年が経ち、再び選挙の時が来た。今度の相手はバイデンだ。あの2020年の選挙で、バイデンの「ジャンプ」が話題になり、不正疑惑も取り沙汰された。しかし、世間の多くは「不正はなかった」と言い張る。ケント・ギルバートが執拗にそう断言していた姿が浮かぶ。なぜ彼がそこまで確信を持って言えるのか?不信感が募ったが、言葉にはせずに心に留めた。
時が過ぎ、今度の選挙戦では状況が一変している。トランプは三度の暗殺未遂に見舞われ、だがその試練を乗り越えた。イーロン・マスクが彼を全面的に支持し、民主党を離れたロバート・ケネディ・ジュニアまでトランプの応援に回った。副大統領候補には、若くて聡明なJDヴァンスが挙がっている。JDヴァンスは日本の若手総理候補の小泉進次郎より数億倍頭がいいだろう。
さらに、民主党寄りで知られる「ワシントンポスト」も支持表明を取りやめ、公正な報道姿勢を打ち出すという異例の出来事が続く。ワシントンポストは常に民主党候補しか支持をしていない偏ったアメリカの主要紙だ。そのワシントンポストのオーナーは2013年に250億円で買収したAmazonのオーナーでもあるジェフ・ベゾスだ。
4年前、アメリカの選挙戦は激しさを増していた。その中で、自由な言論の場として人気を集めたSNSアプリ「パーラー」は、熱烈なトランプ支持者たちの拠点となっていた。しかし、その背後には、意外な落とし穴が潜んでいた。パーラーのデータはAmazonのサーバーに依存していたのだ。
トランプがFacebookやTwitterでの発信を制限され、パーラーに活動の場を移したのも束の間、ある日突然、Amazonがそのサーバーの提供を強制的に打ち切った。トランプを応援し、言論の自由を掲げる彼らにとって、それは一種の「封鎖」に等しかった。そこには、Amazonの創設者ジェフ・ベゾスの影があった。彼は、民主党政権からの圧力を受けて、この決断に踏み切ったと言われている。
トランプの声は再び沈黙に追いやられ、パーラーも突如として停止に追い込まれた。この出来事は、自由の象徴とされたアプリが巨大な力によって押さえ込まれる瞬間でもあり、表舞台から消えゆくトランプの姿が、より一層鮮明に浮かび上がった。
日本ではまだアメリカの選挙は遠い話かもしれないが、私は気にせずにはいられない。夏の飲み会で友人たちと交わした予想が思い出される。私はふと口にしていた。「トランプが暗殺されれば、カマラ・ハリスが自動的に勝つ。生き残ったとしても、不正が必ずあるのでカマラ・ハリスが勝つだろう。」もちろん、これは外れてほしい予想だ。
いよいよ選挙は来週。未来は予測不能だが、私は願っている。トランプが勝ち、世の中を変えてくれることを。そして、日本の混迷した政治にも一筋の光が差し込むことを。