【長編小説】 抑留者 6
おいちゃん、と涼太に呼ばれる。
ぺたっと貼りつくような甘い幼児の声で呼ばれるとき、尚文は微かにこそばゆい感じを覚える。
子どものころから、お喋りが苦手だった。人に向かって喋るのも、お喋りな人も尚文は好かなかった。と、いうのも、尚文自身が言葉というものを声にして発するのに、常にわずかばかりの抵抗を覚えるからであって、しかも喋るのが億劫なあまりその会話が一発で済んでしまうような決定打となり得る言葉を探して逡巡するため、そのあいだに相手はもう次の言葉を発して違う話題に移っているという有様だった。
尚文はお喋りな人の話を聞くのが好かなかったが、独楽子のする話だけは例外だった。まことに嘘八百を並べ立てる女だったが、それでもなぜか独楽子の話には尚文を惹きつけてやまぬ何かがあった。独楽子が去ったあと、それ以外に尚文を惹きつける話をする者が現れた。それが甥っ子の涼太である。
今年小学二年生になったばかりの幼子だが、これがなかなか人見知りということをせず、誰にでも分け隔てなく話しかける才能を有している。涼太は、平生周りから取っつきにくいと敬遠されている尚文のような人間にも真っ直ぐな明るい声で話しかけてくるのだった。
おいちゃん、とその日も涼太は言った。
「何か」
いつものように、素っ気ない声で尚文は返事をした。
「僕なあ、今度作文を書くんよ」
「そうか」
「先生がなあ、家の人のことについて書きなさいって言うんやけど、僕誰のこと書いていいんかわからんのよなあ」
昨今の多様な家族形態を鑑みて、学校側も昔のように、「お父さんやお母さんについて書きなさい」などと画一的な題材は挙げられず、〝家の人〟についてという風に対象を広げているのだろう。つまり家にいる人、同居する人間についてなら、誰について書いてもいいということで、尚文のようにUターンしてきて以来、家に引きこもっている叔父について書いても差し支えないということになる。なるほど涼太にとって尚文は謎めいた興味深い存在で、作文の題材としては格好の対象であるに違いなかった。おぼろげに覚えているに違いない、昔家にいたピンク色の髪をした女の人のことも詳しく聞かせて欲しいのだろう。涼太が作文の話題を振ってきたのも、おそらく自分について書こうという意図の現れなのだろうと推測された。
だが、尚文としては、正直それは勘弁してもらいたかった。東京にいたあいだのことはいいとして、この土地に戻ってきてからの自分の生活といえば、決して体裁のいいものではない。どこにも勤めに出ず、家の裏の〝庵〟に隠居する祖父の面倒を見ながら、ときどき気まぐれのように自動車やバイクのエンジン修理を請け負ったりする、要するに完全な〝無為徒食〟の生活である。さらに独楽子の一件で、尚文の浦での評判は地に落ちている。兄夫婦の温情によって尚文の生活は成り立っていると言ってもよかった。
無論、そのような叔父の実態を涼太にわかるはずもなく、嚙んで含めるような上手い説明もできそうにないと思った尚文は、何とか子どもの注意を逸らそうと、咄嗟に
「そんなら涼太、じいちゃんのこと書けば?」
と言った。
「じいちゃん?」
そうよ、と尚文は畳みかけた。涼太はじいちゃんのとこに行くのが好きやろ? 母ちゃんが行ったらいけんって言うけど黙ってしょっちゅう行きよるやろ? 涼太がじいちゃんのところでどんなことをしよるんか、じいちゃんとどんな話をしよるんか、そういうことを作文に書いたらいいんやねえんかの? 涼太が年寄りのじいちゃんを大事にしよるっていうことを先生が読んだら、多分喜ぶんやねえんかなあ。
「そうかなあ!」
涼太の大きな目がぱっと輝いた。どうやら子どもの注意を祖父のほうに差し向けることには成功したらしい。
「そうかなあ……。そうやな、じいちゃんのことやったら僕いくらでも書けそうや。不思議やなあ、何で最初に思いつかんかったんやろう」
自分のなかで納得していくうちに、涼太の声はどんどん明るんでいった。
尚文はほっと胸をなで下ろした。
浦には、〝変人のハーおいやん〟と呼ばれている人がいた。羽鶴という変わった名前をしていたが、個性的な名前をつけられたせいか、ハーおいやん自身も強烈に個性的な人間だった。おいやんのさまざまな言動を見ていると、〝変人の〟という枕詞がどこから来ているかというのも、容易に想像ができた。
その娘、磨利はロシア人のように白い肌をしていて、身長が高く、とてもおいやんの娘とは思えない。高校の最年長ということだったので、十七、八歳になっていたはずだったが、それよりももっとずっと大人びて、まるで大人のような体格をしていた。
磨利の母親を知る者はいない。長年大阪で働いていたハーおいやんが浦に引き上げてきたとき、おいやんはまだ三歳ぐらいの磨利だけを連れていた。異様な外見を持ち、笑わず、ほとんど何も喋らない磨利を、浦の人々ははじめ外国人に違いないと思って疑わなかった。人さらいでもしてきたのではないかと噂が流れたほどである。
ところが、ハーおいやんが住民票を移す手続きをしたときに担当した振興局の職員が調べたところ、戸籍上磨利は紛れもなくハーおいやんの実子であることが確認された。そのことは小さな浦の人々のあいだに風のように素早く知れ渡った。
おそらく母親が白い肌を持つ外国人なのだろう、磨利はハーフなのだという話で、人々は納得した。だが、よその土地で生まれ育ったせいか、磨利は浦の風土や人間になかなか馴染まなかった。学校に通い始めても子どもたちは磨利を遠巻きに見、磨利自身の気質も浦の子どもたちのそれと違っていたようで、基本的にいつもひとりで過ごしていた。
ある朝、尚文が高浜岸に出ると、磨利がいた。いつからいたのかわからないが、気がつくと波打ち際と防波堤のちょうど真んなか辺りの砂の上に、こちらを向いて亡霊のように立っていた。
磨莉については、尚文は子どものころから知っていたが、とにかく嘘をつく子どもということで有名だった。小学校のときには授業をさぼった言い訳に「宇宙人にさらわれていた」と言ったし、中学生になると足に腫瘍があるからという理由で体育の授業に出なかった。担任の教師が医者の診断書を提出するよう求めたが、うちの娘を疑うんか、とんでもねえと言ってハーおいやんが学校の職員室まで怒鳴りこんできた。結局、診断書は三年間一度も提出されることはなかった。
磨利の口からは呼吸するように嘘が出た。磨利は自分の先祖は昔熱病にかかって死んだアイルランド人だと言い、この高浜岸に打ち捨てられたのだとうそぶいた。
「本当よ、昔ここにはアイルランド人が住んじょったんよ」
磨利は見てきたことのように言う。
「戦前のことよ。大正時代や。うちのひいひいひいじいちゃんよ」
尚文は、どこか視点の定まらぬ、この怪しげな娘を凝視していた。否定されようと信じてくれようとお構いなく、磨利が奇天烈な話をするのを止めないことは、集落の者なら誰もが知っていた。それで、今日たまたまこの浜で出会ってしまった尚文は、この半ば気がふれたと見なされている若い娘に、気が済むまで話させることにした。
「世界じゅうから外国人が来た時代よ。この浦にアイルランド人がおっても不思議はなかろ」
うっすらと笑みを浮かべながら、いかれた娘は続けた。その造作だけは実に美しい顔に浮かぶ、常識の通用しないものが潜んでいそうな深淵に、尚文はゾクリとするうすら寒いものを感じた。
「そのアイルランド人は、ここで何をしよったんか」
気味の悪さを振り払うように、尚文は問うた。
「英語の先生」
視線を落とし、軽蔑するような声色で磨利は言った。くだらない質問をする相手に、腹を立てているといった態度だった。
「こんなところで、外人にほかに何の仕事があるちゅうんか」
言いながら上げた視線は、今度は呆れ果てたというような怒りを籠めて、尚文の顔に注がれた。そんな風に、尚文を見据えたまま、娘は話し続けた。
「英語の先生をしてな、立派に生活をしよったんやけど、ある日この部落で流行った熱病にやられて死んでしもうたんよ」
「そんころ流行った熱病ちゅうたら、スペイン風邪か何かかの」
尚文の発言に反応もせず、くだらない質問をするなとでもいうように目玉をぐるんと回すと、磨利は話し続けた。
「うちの先祖が死んだとき、ここの衆は、ちゃんと弔いもしちゃらんで、そんまま死体をこの浜に持ってきたんよ」
「……」
「そんで、ここで腐らせるに任せたんやな」
「本当の話か、そら」
思わず引き込まれた尚文は言った。ほら吹きの磨利の話は、「千に三つの本当がない」と言われ、集落の人々のあいだでは、磨利は〝せんみつ〟という不名誉なあだ名を戴いている。そんなことだったから、尚文はその話をまったく信じる気はなかった。だが、磨利の話しぶりがあまりにも熱心で細に入っているので、つい引き込まれてしまったのだった。
「本当の話よ。全部本当の話」
磨利はまた、どこを見ているのかわからない虚ろな目つきになって応えた。
「ほいて、どうなったんか」
尚文は聞いた。
「腐った」
こともなげに磨利は言う。
「腐る前に、鳶がつつきに来た。山から下りてきた狸も食いに来た。潮が満ちて水に浸からあ、魚もつついた」
まるで、死んだアイルランド人がとり憑いたかのように、悲しげに磨利は話す。尚文はますます背筋が寒くなるのを感じた。
「ほいて」
うながすと、
「すっかり骨になってしもうた」
「骨になったら、どげえしたんか」
尚文は身を乗り出していた。磨利は、ふっと溜め息をついて言った。
「どげえもせんわ。誰も近寄らんかったし、見に来もせんかった。熱病にかかって死んだ外人よ、誰が取り合うか」
「けん、なんしお前がそんなことを知っちょんのじゃ」
尚文は不思議だった。磨利は再び、鈍い人間を蔑むような冷笑を浮かべながら言った。
「聞いたけな。ご先祖様から。あんたちゃ皆知らんめえが。聞こうとせん奴には聞きたくても聞こえんのよ。この浜にはな、いっつもご先祖様の泣きよる声が響きよる。それとも、それが聞こえるけん、みんなこの浜に近寄らんのやねえんか」
磨利は、咎めるような声を上げて言った。
「うちにだけは、いろいろ話しかけてくれるんよ」
そう言うと、少し真面目な顔になって、横を向いた。
「こん嘘言いが、って、叩かんだけ俺はいい奴やろうが」
尚文は溜め息をついて言った。そう言ってから、ふと思い出した。
「このごろおとうは叩かんか」
父親のハーおいやんは、誰かれかまわずすぐ手を上げることで有名だった。嫌な話だが、以前磨利から父親に叩かれているというのは聞いたことがある。
磨利は、横に向けていた顔を少しだけこちらに向けた。
「酒飲んで、ときどきだけな」
そしてぽつりとそう言った。
変人のハーおいやんの家は、尚文の家の隣にあった。隣とはいっても海沿いの土地を広く贅沢に使える外れの集落の常として、家と家の距離は十メートル以上離れている。しかもその家は鬱蒼としたソテツの林で周りを囲ってしまっていて、例えおいやんが酔って暴れたとしても、外には音が響かない。そんな環境で若い娘が酒飲みの父親と二人きりで暮らしているというのは、随分気がかりなことではあったが、磨利のこの変わり者っぷりに、誰も立ち入った世話をしようとする者はいないのだった。時絵もこの家とは関わりを持ちたがらない節があったし、鉄雄に至っては関心すら示さなかった。そんななかで、ただ尚文のみが、一応気にかけているといった状態だった。
「何かあったら、すぐうちに呼びに来な」
尚文は常日ごろ言っていた。だがそれを磨利は、右から左へと聞き流しながら、へえへえとあしらうのだった。あるいは、この娘なら父親に何が起こっても、ひとりで解決するだけの度量を持っているかもしれないな、とさえ、尚文は思うのだった。
「このごろうちも」
磨利は笑いながら言った。
「一升瓶持って戦うんよ。この前おとう、びびり上がって逃げていったで」
青みがかって見えるほど白い顔に、吊り目がちな両目が微笑みを増し、それこそいつかおとうを叩き殺しかねない一種悪魔的な形相になった。尚文は再び肌に粟粒のような突起が浮かぶのを感じた。この娘の将来は、どうなるのだろうなあ、ふと、そんなことを考えた。
「お前、来年は卒業やろうが」
自分の心を平静にさせるために、あえて現実的な話題を振った。
「うん」
遠くの海を見やりながら、磨利は答える。
「どげえするつもりか」
磨利は軽くうつむいて、はにかむように微笑みながら、
「大学に行くよ。東京の」
と言った。
「いまのは嘘やろうが」
尚文が言うと、
「嘘よ」
と、またあの気味の悪い微笑みを浮かべて尚文を見つめ返した。東京の大学に行って地元に帰ってきた尚文をあてこすっているのは明白だった。
「本当よう、お前のような奴は」
果てがねえ、と、ついに尚文も呆れ顔になった。
「さっきのアイルランド人の話も、全部嘘やろうが」
言うと、磨利は風になびく肩までの黒髪を、ふさふさと揺らしながら首を振った。
「嘘やねえ話もある」
「信じらんど」
すると磨利は嬉しそうに笑いながら、
「三回に一回は、本当のことを言うことにしちょる」
と言った。
「嘘を言うな。千回に三回やろう。このせんみつが」
「そうかもしれんなあ」
はっはっ、と、晴れた空に向かって磨利は笑った。笑顔になると、その顔はひどく魅力的に変貌した。
俺は嘘つきの女に惹かれるのかな、と、そのとき一瞬尚文は思った。
だが、磨利に惹かれているのは尚文だけではなかった。ハーおいやんの娘であろうが嘘つきであろうが、実際磨利は浦の男たちの目を引いていた。磨利の容姿は確かに美しく、子どものころからすでに完成された美少女であった。成長するにつれ、肌艶とともに独特の気品のようなものが増し、このところでは随分と色気も出てきていた。隣の家の住人として節度ある付き合いをするよう心がけているが、本音を言えば、尚文も機会あらば一度でも磨利と寝てみたいという願望を持つ浦の男たちのひとりにほかならなかった。
――青空に向かって上げていた顔を元に戻すと、磨利は少し真剣な顔になってこう言った。
「なあ、もしいまな、アイルランド人がこの浦に住んじょったら、どうやろうか」
「――どうって?」
首を傾げて尚文は問うた。突然何を言い出すのだろう。
「何の仕事しよるかな」
遠くを見るような目をして、磨利は続ける。
「さあ――。……やっぱ、英語の先生か何かしよるんやねえんか」
特に深くも考えず、尚文は答えた。
「そうやろうな」
磨利もうなづいて同意した。そして、また顔を上げると、
「なあ、もしいま、また昔とおんなじような熱病がこの浦で流行って感染したら、そのアイルランド人どうなるやろうか」
国内で感染拡大が続いている新型ウイルスのことを言っているのに違いなかった。幸い、この浦ではまだ二、三人の感染者を出すに留まっている。
「そらあ、お前……」
再びうっすらと気味が悪くなりながらも、正気を保って尚文は返事をする。こんな不毛な質問をしてくるなんて、やはりこの娘は普通ではない、と思いながら。
「そらあお前、やっぱここの人と同じように、病院に入れて看病するやろうが」
「隔離するんやろうな」
「そらそうよ。伝染病やったら隔離やろ」
ぽかんとした表情で磨利は再び上を見やり、その反動のように尚文はうつむいた。
「そんで、死んだら」
どこまでも無表情のまま、磨利は言う。
「またおんなじように、この浜に持ってきて置きっ放すんやろうなあ」
「いまのこの時代に、そげなことはせんやろうが」
慌てて尚文は反駁した。磨利や自分をも含む、この浦に住む人々に対する侮辱を払拭しようとするかのように、さらに言いつのった。
「お前、この浦にそんなひでえことをする衆はおらんめえが」
すると、磨利はきっと鋭い目になって尚文を睨んだ。
「――わかるか。そのときになってみらな、どうするかはわからんて」
その瞳には、なぜか強烈な憎悪の感情が浮かんでいた。まるでこの浦で大昔に死んだと磨利が言うアイルランド人の〝御先祖様〟が、再び彼女に乗り移ったかのようだった。磨利の顔が突然怨霊のそれのように見え、尚文はゾクッとした。
返す言葉も見つからないまま、無言で震えている尚文に、磨利は嗜虐的な微笑みを投げた。そしてこう言った。
「うちなあ、人が人にどんだけひでえことができるかに興味あるんよなあ」
言いながら磨利の顔は、段々と機嫌よく笑みを増し、またあの壮麗な笑顔に戻っていった。
「もし大学に行ったらな、将来その道の研究をしてみたいと思っちょるんよ」
「その道の研究ちゃ、どげなもんか」
尚文が問うと、くすっと笑って、
「知らん。もしそげなもんがねえんやったら、自分で作り出してでもする」
「ひでえことの研究か」
尚文は独り言のように呟いた。言いながら、また背筋がゾクリと寒くなった。
「違う。人が人にどんだけひでえことができるかについての研究よ」
磨利は重要な部分を訂正するかのように、語気を強めて言い返した。
「研究者になるんか」
「なる」
「それもまた、どうせ嘘やろうが」
尚文が言うと、磨利はひときわ大声を上げて、青空に向かって高らかに笑った。気のふれたようなその笑い声は、広い高浜岸の隅々まで響き渡った。
段々と、恐怖を通り越して怒りのような感情が湧き上がってきた。
「こん、せんみつが!」
尚文は侮蔑の言葉を投げると、その場に磨利を置き去りにして海岸をあとにした。
家に戻ってからも、嘘つきの磨利への怒りは治まらなかった。思えばこれほど感情を高ぶらせたのは久しぶりだった。あの大嘘つきの娘の話を、長々と時間を取って聞いていたことが馬鹿馬鹿しくなり、そんな自分にさえも腹が立った。
けれど、ふと、心のなかで別の自分がこう呟いた。
――嘘つきの女に比べ、自分は何だというのだろう。
いまの自分の状況を、じっくりと顧みてみた。東京の有名大学を出たというステイタスがあるものの、その後就職しても長続きせず、独楽子を連れて郷里に戻った。その独楽子にもたった二年で、逃げるように東京に帰られてしまった。浦を出ていく前、醒めた目をして「私たち、終わりにしましょう」と言った独楽子を、尚文は引き留めることができなかった。引き留めるための言葉を、何ひとつ言えなかったのである。
独楽子のような女にさえも、愛想を尽かされるような男なのだ、自分は。
結局、俺は世のなかにとって何なのだろう。修行僧よろしく海と山のあいだの庵めいた建物に身を潜める年老いた祖父の面倒を見ながら、その祖父とともに沈黙の行を続けている、磨利と同じような変わり者に過ぎないのではないか。
ふとそのような考えが頭をよぎった。
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