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【詩】 ルリビタキの森

白い紙に

心を空にして走らせる色

虚空にただ浮かぶだけだった小鳥に 奥行きが加えられてゆく

じっと死んでいた光景に
生命が少しずつ宿っていく

塗り損ねもまた愛嬌と
無心に塗り進めていく

無心になることこそが
目的のように

ルリビタキは喜んでくれるかな
そう思いながら 色を重ねていく

大自然に発露した
小さな命

次第に濃くなりつつある
アルゴンとフィトンチッド

君をもっともっと
深いグリーンの森に
沈めてあげる


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