【詩】 断捨離
古い思い出を引っ掻き回して
歩んできた道程の上の
ひとつひとつの標に触れた
かつて達成したと喜んでいた
それらの低い山々は
見るも無残な姿になり果てていた
ボロボロに欠けてしまって
何だったのか判別も出来ないもの
風化してしまって 土台しか残らないもの
見るたびに 脳の中が蒼ざめた
けれど 古い思い出は
少しずつ 話しかけてもきた
気に入らないものは 捨ててもいいよ
そしてみんな均してしまえばいい
そうしたら きっと 新しく始められるから
均して 均して そこからだよ
スタートは
古い思い出が言ったように
気に入らないものは 捨ててしまおう
物体として像を結ぶ〝もの〟を 手放しても
心に残るものがあれば
それがこれからも持っていくもの
振り返らずに 生きていこう
これからも
古い思い出とともに