🇫🇷⑨サント=ボーム⑵卵の洞窟へ行く
続いて卵の洞窟へ。
マグダラのマリアの洞窟の下にある、この十字架が最初の目印。
この右手奥に向かって、緑色のペンキの印をたどって行けば20分で着くはず。
道は登りではなく、水平移動なのだが、先ほどとは違い、けもの道のような道なので、山歩きに慣れたとみーが「緑!」「あった!緑!」と言いながら、どんどん先導していく。
私は着いていくのに精一杯で、なんと!全く写真を撮っていませんでした💦
時々横たわる丸太をまたいで越えたり、上から被さる枝を持ち上げて避けたり、なかなか大変。
「こんな道、本当に妊婦が歩いたの?」
「それも難産の妊婦がね…」
卵の洞窟では難産の妊婦の出産を助けていたとの記述もある。
アルテミスは出産の女神ヘラの妨害を受け、超絶難産だった母親のレトから生まれるとすぐ、双子のアポロンの出産を手伝っているのだ。
「緑ないねぇ…。他に道あった?」
「ないよ。この道しかなかったんじゃない?」
「でも、Googleでは近づいてるんだよね。もう少し行ってみようか」
そうやって探り探り進んでいくと、今度はどう見ても下る道しかない。
「道これしかないよね?でもGoogleでは近づいてる…」
「インフォメーションのお姉さん、下には降りないでって言ってたけど、この道しかないから行ってみる?」
しかししばらく行くと今度はどんどん遠ざかっていく。
「離れてる…」
「戻るしかないか…」
そうやって来た道を何度も戻り、道を探し、緑の印を見つける。
「印あるけど、これ青じゃない?さっきまでの緑と違う塗料だよ。見ようによっては青緑と言えなくもないけど」
「でもGoogleではあと5分になった」
「じゃあ、この青の印辿ってみる?」
また障害物競走のようにけもの道をしばらく歩く。
「うーん。Googleがもう着いたって言ってるんだけど…」
「えー?それらしいの何にもないじゃん」
それにもうかれこれ1時間以上歩いている。
その時、ここに来る電車の中で、天使の話をしていたのを思い出した。
「天使って呼べば必ず来るんだって。【呼ばれたら行く】っていうのが、天使の1番の仕事だから。だから天使を呼んで1人も来ない、なんてことは絶対にないらしい。もし疲れ果てて登れそうになかったら、天使を大勢呼んで背中を押してもらおう」そう話していたのだ。
そう!天使を呼ぶべき時は今!
そう思った私は息も絶え絶えに叫んだ。「天使きて!私たちをいい加減卵の洞窟に連れて行って!」
すると、上の方から話し声が近づいて来た。
「誰かいる!」
すかさずとみーが話しかける
「すいませーん、卵の洞窟どこですか?」
すると声の主、男女のカップルが私たちを見下ろし「そこじゃなくてこの道、上の道をまっすぐ、あと5分くらいのところよ」
「ありがとうございます!」
「卵の洞窟に着いたら、今度はそこからまっすぐ下へ降りて行けば20分で麓に着くよ!」
よかった!その情報に勇気づけられ、道なき道をよじ登って上の道に出る。
さっきの2人はもういない。めっちゃ健脚。
2人に言われた通り歩いていくと、再び緑の印が現れる。
「私たちなんで違う道に行っちゃったんだろう。いつも一つしか道はなかったと思うんだけど…」
そう言いながら5分進んでも、まだ卵の洞窟は現れない。
また間違えたの…?
不安に思いながらさらに10分。
「あった!あった〜😫これだ!これ!」
一目見てそうとわかる特徴的な卵の洞窟が、ついに現れた。