Simply うたすと2
作詞:八神夜宵さん
作曲、歌唱:大橋ちよさん
うたすと2 フライング参加作品
まずは曲を聴いてくださいね♫
聴いていただかないと、理解に苦しむかもしれません
Simply 八神夜宵さん X 大橋ちよさん 【547字】
船底でマリンバが踊っている。
始まりはいつもSimply。
夏の余韻で満ちた船上の笑い声は遥かな椰子の実に届く。
りりららったったたー
恋が流した涙を小鳥が啄んでいる。
緑に塗られた屋上。かつてあったバスケットコートの白線がところどころ剥がれている。緑に囲われた荒れ野の草は、花を咲かせない強い意志を得た。
緑のSympathy。
お陰で小鳥の羽音はかつても今も眩い音色だ。
りりららったったたー
微睡みは幾重にも層をなし、像をなし、奏をなす。
ハンモックには誰が揺られている?
それは昨日のぼくだった。
「違うよ、それはわたしよ」
風が耳に吹き込んだ。
ああこれはまだ夢の中。ハンモックは風を孕んでいる。
りりららったったたー
風のハミングはぼくの頭の上で潮風と混じり合う。
イルカの話を聞いてやった。
青い手の漁師が美しすぎて怖いのだと。
「それは月の影、怖がることはないよ」そう言った。
それは昨日のことだった。
りりららったったたー
イルカはオレンジ色の背を光らせて、椰子の実の方へ駆けて行く。
振り返って手を振る姿はオダリスクのようだった。
りりららったったたー
今日のぼくはどこにいる。
まだ覚めやらぬ微睡みはSymphonyを連れてくる。
「ああ、おはよう」
花が咲いた。
りりららったったたー
りりららったったたー
りりららったったたー
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