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市バスの乗客 (アルバムの中の人々)

光を放ちそうな薄いピンクの綿のふわりとしたワンピース。少し金色がかった髪を後ろで小さなお団子にしている。
最後列の五人掛けシートの真ん中が空いている。彼女は周囲を見渡してから、そこに腰かけた。私の隣だ。
幻のようないい香りがしている。
しばらくすると、乗客は目に見えて少なくなった。私も目的地が近づき、バッグからSuicaを取り出す。
すると彼女はさっと立ち上がり、前の席に移った。
そのままだと彼女の膝頭ひざがしらを擦らないと、出られないところだった。

そこに彼女を素通りできる男はいる?

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