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Photo by
lectin
ふぉれすとどわあふ 2ndシーズン開幕
三羽さんのお話を受け継いで①から始めます!
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ふぉれすとどわあふ 【543字】
ドアのベルがいつもよりちょっとだけ甲高い声をあげた。
クマさんが背中を丸めたまま首をドアの方に向けると、口にしていた餅がびょ〜んと伸びた。
ヘビさんは梁からぶら下がったまま首だけをドアの方に向けた。
「やぁおそろいだね」
入ってきたのは森の奥に住んでいるシドニー。女の子だけど、男の子になることを夢見ている。
「いらっしゃい、シド。今日はお使い?」
「うん。じっちゃんが『薬草の書』をミユさんから借りてこいって」
「ああ、残念。今ね、港にいるヨークに貸してるのよ。いつ返ってくるかはわからないわ」
「ああ、わかったよ。ヨークから直接受け取っていい?」
ミユは腕を胸の前で組んで、指を軽く顎の下に置いた。
「そうね、ヨークから受け取ったら一旦ここに寄ってくれるかな。大事な本だから」
「了解」
「シド、ヨークとは付き合ってたんだろ?」
クマさんがそう言うと、ミユが凍りついた。
「ク、クマさん。それはもう、ね。あの、そーだから」
「ミユさん、何言ってるんだい?」
「クマさん、もうずっと昔のことだから100年くらいになる?」
ヘビさんが言った。
「なるなる。あいつ、ちっとも成長しないから、イヤんなっちゃう」とシドニー。
「ヨークは永遠の少年ね」
ミユがそう言うと
「俺も永遠の少年さ」
とシドニーはやわらかく膨らんだ胸を張った。
次回テーマ
①シドニー、ヨークに会いに行く
②「薬草の書」の秘密
③くまさんの散歩
以上から、どれかひとつを選んで書いてください<(_ _)>
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