センセイ大学で 毎週ショートショートnote
山羊座の方角からやってきた不愉快な形のそれを、僕たちは毎日見せられている。
「あれって山羊の角なんじゃないのか?」
「山羊の角なんてかわいいものよ。あれはどう見たって・・・」
それが突き刺さって以来、僕たちの東館の教室は使えなくなった。「危険だから」というのがその理由だったが、本当の理由は他にあるらしかった。
連日、物々しい格好をした連中がしきりに出入りしている。少なくとも放射線は出ているに違いない。
ある日、図書館でレポートを書き終え、図書館が閉まってから退出させられた日、東館の前を通ると黄色い防護服を着た連中の中に光を発するものがあるのを僕は見逃さなかった。
向かいの西館の階段を駆けあがり外を覗くと、長いブロンドの髪をなびかせた美女がいた。その体は柔らかな光をまとってはいたが、明らかに裸だった。
僕は彼女から目が離せなくなっていた。彼女はふと私に視線を向けた。
ヴィーナスだ。
あの奇怪な形の角は金星からやってきたのだ。
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たらはかに さま
今週もよろしくお願いいたします。