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Photo by
kyatapy
チンクエチェント 夢をみた
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夢をみた 【500字】
青いコンビニで曲を選んでいる。あいみょんの「会いに行くのに」はどうだろうと隣にいる女性に進言するも、僕の意見を容れたかどうかはわからない。
僕はひとりでコンビニを出た。自転車に跨り、前籠にバッグを置いた。
赤土のぽこぽこした地肌に枯れたような草が生えた川岸を進み、欄干の低い石の橋を渡った。
爪で引っ掻いたような水の流れた筋のある細い坂道を登っていく。紙の燃えさしのように錆びたトタン屋根、白っぽく埃のまだらに付着した柱、歪んだ引き戸が道に迫り出す。
僕は必死で上を目指す。四叉路に出て左へ進路を変えても、見える景色は変わらない。
今度は右へ曲がった。人がいないように静かだった。
はたとバッグがないのに気がついて、どっと汗が噴き出した。
荒れた道に足を取られながら下る。もうどこで曲がったのかさえ覚えていない。どっちを向いても同じ景色しか見えない。
自転車を降りて歩くと、やがて立派な冠木門に松が影を落としているところに出た。
中居の見習いなのか少し丈の短い着物姿の女性が二人、玄関脇で話している声が聞こえる。
「私たち、これからどうなるんでしょう」
ハッと目が覚めて、バッグを探した。失くしたバッグは色が違っていた。
了
* 9月9日午後3時を回って、昼寝で見た夢は現実のような臨場感があった。
最高気温36℃の日。
起きてすぐに記録したもの
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