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うらしま太郎  アホ学会定時総会②


うらしま太郎   アホ学会 論文発表 その2  【674字】

「うらしまーーーん」という声に男たちは振り向いた。
真っ暗な裏路地にバックライトに照らされて、黒い影が浮き上がっている。
「誰だ、おまえは」
「しゃきーん」黒い影はそう言うと左手を腰に、右手をゆっくりと斜め上に掲げた。その指先が光っている。
「うらしまーん、だろう3世だ」
「な、なんなんだ」
「おまえ、デコ団の回し者だな」
「おまえたちはなーにをしている。すべてまるっとお見通しだ」
「バ、バカ野郎。やすやすとバレてたまるか。ひっ捕まえろ」
「まぁ待て。待てったら待て」
「なんなんだ。おまえ、デコ団の回し者だろう。俺たちをゑり団と知って」
「なんのことだか知らないが、おまえたちの悪事、しかと見届けた。さらばだ」
「捕まえろ」
黒い影はあっさり男たちに捕まった。
「いくらもらった?」
「まぁ待て。俺はうらしまんだろう3世だ。もし、もしだよ、私にもしものことがあったら、子どもたちが悲しむぞ。二度とお話が聞けなくなるって」
「間違いありません。こいつ、デコ団のヤツで偵察しに来やがった」
「お前たちが闇の中で何を企もうとすべてお見通しだ」
「じゃ俺たちが何をしてたか、言ってみろ」
「悪事だ。それだけで十分だ」
「こいつ、吊し上げてデコ団に送ってやりましょう」
「まぁ待て。おまえ、デコ団が何をしてるか教えてくれたら、なかったことにしてやる。どうだ」
「デ、デコ団?し、し、知ってる」
「ヤツらはどうせ手品だろ?デコおばあちゃまは手品がお好きだからなぁ。お嬢様のお誕生会には手品に決まってる」
「そ、そう手品。君たちは?」
「ゑりおば様は品のあるミュージカルに・・・」
「おい、バラしてどうする」
      了


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