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遊戯王 マスターデュエル:テーマ「イグナイト」について(前編)
当ノートでは、遊戯王 マスターデュエルに実装されているテーマ「イグナイト」について解説します。
《真炎竜アルビオン》や《合体魔神-ゲート・ガーディアン》が実装された2023年12月05日のアップデートの直後の環境を想定した内容になっています。
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文量の都合から、ノートを「前編」と「後編」の2つに分けています。解説のほとんどは前編で行っており、後編には具体的な展開例のみをまとめています。
当ノートは前編です。
概要
「イグナイト」は炎属性・戦士族で統一された「イグナイト」モンスター達によるペンデュラムテーマです。
遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズにおいては2015年04月25日発売の基本パック「遊戯王アーク・ファイブ オフィシャルカードゲーム クラッシュ・オブ・リベリオン」で初登場・カテゴリ化されました。
2023年12月05日時点では以下15種類のカードが実装されており、これは遊戯王 マスターデュエルにおいても同様です。
メインモンスター
《イグナイト・マグナム》
《イグナイト・イーグル》
《イグナイト・ドラグノフ》
《イグナイト・マスケット》
《イグナイト・ライオット》
《イグナイト・デリンジャー》
《イグナイト・キャリバー》
《イグナイト・ウージー》
《イグナイト・アヴェンジャー》
《イグナイト・スティンガー》
《竜剣士イグニスP》
フィールド魔法
《イグニッションP》
速攻魔法
《イグナイト・リロード》
《イグナイト・ユナイト》
永続罠
《イグナイト・バースト》
特徴
「イグナイト」テーマの特徴は以下のとおりです。
炎属性・戦士族モンスターで統一されたペンデュラムテーマ
「イグナイト」には11種類のモンスターが用意されていますが、いずれも炎属性・戦士族で統一されています。構成としては、通常ペンデュラムモンスターが8種類、効果非ペンデュラムモンスターが2種類、効果ペンデュラムモンスターが1種類です。
1種類だけ存在する「イグナイト」効果ペンデュラムモンスターには《竜剣士イグニスP》が該当します。名前からもわかるように、当該モンスターは「イグナイト」であるとともに「竜剣士」でもあり、両テーマを繋ぐ役割も担っています。
(ほぼ)共通の汎用的なペンデュラム効果
「イグナイト」ペンデュラムモンスターのペンデュラム効果は《竜剣士イグニスP》を除いて共通しているのが特徴です。
両方のペンデュラムゾーンに「イグナイト」ペンデュラムモンスターが存在するとき、それら2枚の「イグナイト」ペンデュラムモンスターを破壊することでデッキ・墓地から炎属性・戦士族モンスター1枚を手札に加えることができます。対象となるカードは「イグナイト」カード以外でも大丈夫なうえ「この効果の発動後、ターン終了時まで『イグナイト』モンスターしか召喚できない」みたいな変な制約もつきません。
これがとても便利なので「イグナイト」系アーキタイプにおいては、この効果が展開の起点になったり、展開をさらに伸ばしていくのに利用されます。
対して《竜剣士イグニスP》のペンデュラム効果は、EXデッキに置かれた表側表示のペンデュラムモンスター1枚をデッキに戻すことで「竜剣士」か「イグナイト」の非ペンデュラムモンスターをデッキから手札に加えるというものです。この効果で手札に加えることができるカードは以下3種類です。
《イグナイト・アヴェンジャー》
《イグナイト・スティンガー》
《真竜剣士マスターP》
《イグナイト・アベンジャー》《イグナイト・スティンガー》はそんなに強いカードではありません。しかも「イグナイト」ペンデュラムモンスターのペンデュラムスケールではペンデュラム召喚できないレベルであるため、ペンデュラム召喚で出すのも難しいです。以上より《竜剣士イグニスP》のペンデュラム効果で持ってくる価値は小さいです。
《竜剣士イグニスP》のペンデュラム効果は、事実上《真竜剣士マスターP》を持ってくるための効果と考えるべきでしょう。ただ《真竜剣士マスターP》は「イグナイト」とのシナジーがかなり薄いです。よって《竜剣士イグニスP》のペンデュラム効果は「竜剣士」系アーキタイプでこそ光ります。
主力は「イグナイト」通常ペンデュラムモンスター
「イグナイト」系アーキタイプにおいては、基本的に「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターが主力になります。前述したペンデュラム効果が便利すぎるからですね。
「イグナイト」通常ペンデュラムモンスター以外のテーマ内カードのなかでは《竜剣士イグニスP》が比較的採用されやすいですが、それら以外のカードは使われないことが多い印象です。
テーマ内魔法はまだマシな部類だと思うのですが、テーマ内効果モンスターや罠は扱いが難しいです。
事実上、先攻特化のテーマ
「イグナイト」自体は、テーマ内カードだけで先攻・後攻のどちらにも対応できるようにデザインされている節があります。通常ペンデュラムモンスターと罠は先攻用、効果モンスターは後攻用、効果ペンデュラムモンスターと魔法は先攻・後攻のどちらでも使えるカード、という具合に設計されているように感じました。
ただ、実際のところは「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターが主力になる(他のテーマ内カードが使いものにならない)ため、必然的に先攻に特化したテーマと化しています。
そうして先攻を意識したデッキづくりをすると展開力や妨害能力をテーマ外カードに求めることになり、かくして組みあがるデッキは【炎属性・戦士族GS(イグナイト軸)】とでも評されるものになります。
もちろん「イグナイト」カードを中心にデッキを組むこと自体は可能ですが、その場合は通常モンスターサポートカードを軸にしたビートダウン。もっといえば【罠ビート】のようなかたちに寄せることになるかと思います。そうでもしないと勝つのは難しいでしょう。
テーマ内カードの解説
「イグナイト」カードについて解説します。
「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターについては性能にほとんど違いがありませんので、一括りにして解説します。
「イグナイト」通常ペンデュラムモンスター
攻撃力・防御力のスペックは、メインモンスターにしては比較的優秀な部類に入るかと思います。特に防御力は悪くありません。召喚権を消費して普通に召喚するなり、ペンデュラム召喚で出すだけでも、壁役として最低限の活躍が期待できます。また、通常モンスターをサポートする各種汎用カードの恩恵を受けることもできます。
とはいえ、やはりその真価はペンデュラム効果にこそあります。ややコストは重いものの炎属性・戦士族モンスターをデッキか墓地から、なんでも持ってこれるのは強いというほかありません。「イグナイト」を使うのであれば、このペンデュラム効果を積極的に利用していくのがよいでしょう。
デッキ次第ですが、ペンデュラム効果を積極的に使っていけるように20枚近く投入することになるでしょう。
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《イグナイト・アベンジャー》
効果②は悪くありません。ただ、この効果を利用するために、フィールドに出す手段はよくよく考える必要があります。
アドバンス召喚や効果①で出すのはさすがに最終手段です。《竜剣士イグニスP》や《イグナイト・ユナイト》で出すのが妥当なところでしょう。
魔法・罠のバウンスは、モンスターのバウンスよりも価値が低いので1枚ではなく2枚バウンスでもよかった気がします。
非採用か、多くて1枚採用です。
![](https://assets.st-note.com/img/1703870585330-xwPoszORQw.jpg)
《イグナイト・スティンガー》
《イグナイト・アヴェンジャー》のモンスターバウンス版です。同様に、いかにしてフィールドに出すかが問題になります。
非採用か、多くて1枚採用です。
![](https://assets.st-note.com/img/1703870889381-J3oR52Uowx.jpg)
《イグニッションP》
効果①はあってないようなもので無視してかまいません。
効果②はEXデッキにモンスターを送りつつ、好きな「イグナイト」カードを持ってくるわけで、単純に考えるとコスパはよくありません。他カードと組み合わせてコンボすることを前提としたカードといえるでしょう。
基本的には不採用。効果②を活かして動くアーキタイプの場合は3枚投入というかたちになるでしょう。
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《イグナイト・リロード》
ドロー効果自体は優秀なのですが、使いどころはかなり難しいです。
ペンデュラムモンスターを戻す以上ペンデュラムモンスターをある程度入れているデッキでないと活躍できないわけですが、投入量が少ないのであれば当カードでマリガンする必要性は低く、投入量が多いのであれば当カードでマリガンしても再びペンデュラムモンスターを引いてしまうでしょう。
帯に短し襷に長し……とはちょっと違いますが――ともかく、どうにもこうにもこのカードが有効に働く場面が想像できません。
あるとすれば「イグナイト」以外のペンデュラムテーマでこそ活きるかもしれません。
基本的に非採用です。
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《イグナイト・ユナイト》
《イグナイト・アヴェンジャー》《イグナイト・スティンガー》を出すためのカード。あるいはバトルフェイズ中に発動して追撃要員を展開するためのカードと考えてよいでしょう。
ペンデュラム召喚後の、ペンデュラムゾーンのペンデュラムモンスターを破壊して「イグナイト」モンスターを出すようにすれば無駄なく動けるかと思ったのですが、であればそもそも当カードの代わりにペンデュラムスケールの範囲に収まるメインモンスターを入れればいいわけで……いろいろ考えると、なかなか使いどころが難しいことがわかります。
基本的に非採用です。
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《イグナイト・バースト》
「必殺技」ならぬ「必殺カード」といえるハイリスク・ハイリターンの化身です。
基本的に不採用でよいかと思いますが、ロマン込みで1枚くらいは入れるのはアリかもしれません。
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関連カード・テーマの紹介
「イグナイト」と相性が良いカードや相性が良さそうに見えてそうでもないテーマなどを紹介します。
なお、後編にて詳しく説明していますが「イグナイト」には鉄板の動き方があり、そこで使うコンボパーツはほぼ固定となっています。それらコンボパーツの役割はコンボを回していくうちに自然と理解できるでしょうから、当項目では、それらカードは極力取りあげないことにします。
通常モンスターサーチ系
「軍貫」や「聖天樹」ではお世話になる通常モンスターサーチ系のカードですが「イグナイト」ではあまり使う機会はありません。そ
の理由は単純で「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターは8種類存在するからですね。ドロー確率を上げたいならば投入枚数を増やせば済む話です。
むしろ下手に入れると《灰流うらら》や《魔封じの壺》で妨害されかねません。
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テーマ「焔聖騎士」
「イグナイト」と同様に炎属性の戦士族テーマということで相性自体は良いと思うのですが、いくつか【焔聖騎士イグナイト】【イグナイト焔聖騎士】のデュエルを見たかぎりではテーマパワーが現代遊戯王に追い付いていない印象でした。
見た目が恰好良いのはグッドなのですが、性能的にはあまり組み合わせる価値はないように感じました。
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テーマ「竜剣士」
《竜剣士イグニスP》がいるため組み合わせやすいかと思ったのですが意外とそうでもありませんでした。
組み合わせられないことはないのでしょうが、別々に組んだほうが普通に強いと思います。
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《キリビ・レディ》
「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターのペンデュラム効果でサーチできるうえ、戦士族モンスターがフィールド上に存在することの多い「イグナイト」であれば効果①の条件を満たしやすいです。
《レスキューラビット》によるリクルート、あるいは「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターのペンデュラム効果に対して妨害を打たれたときなどに、手札次第では《キリビ・レディ》を出して《聖騎士の追想 イゾルデ》に繋げるなどすればリカバリーすることは可能です。
また、展開を伸ばすにも役立つなど、何かと小回りの利く便利なやつです。
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《レスキューラビット》
通常ペンデュラムモンスターを多用する「イグナイト」と好相性です。
当カードがあれば《チューン・ナイト》と《昇華騎士-エクスパラディン》で《聖騎士の追想 イゾルデ》を立てるところを、当カードだけで《聖騎士の追想 イゾルデ》に繋げることができます。
ペンデュラム召喚で出せば展開をさらに伸ばす要員にもなりますので、初動にヨシ、上振れにヨシ、の良いカードです。
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《レスキューラット》
上振れ要員です。
モンスター効果はEXモンスターの素材供給として優秀です。
ペンデュラム効果は、実行するための条件が厳しいですが、炎属性戦士族モンスターをサーチする「イグナイト」通常ペンデュラムモンスター2枚を手札に加えることができます。そこからサーチに繋げられるので間接的なサーチカードとなっています。
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《増援》
戦士族モンスターを中心に構成されることが多い「イグナイト」系アーキタイプとは好相性です。
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《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》
戦士族モンスターになるのが本当に偉いです。《聖騎士の追想 イゾルデ》の素材になりますし《キリビ・レディ》の特殊召喚条件も満たしてくれます。
個人的に「イグナイト」系アーキタイプで罠カードを積極的に使う場面は多くないと思いますので、そういう意味でも相性が良いでしょう。
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基本的な動かし方
「イグナイト」というテーマは「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターのペンデュラム効果が軸になっています。この汎用的なペンデュラム効果を利用して、デッキ・墓地から戦士族炎属性モンスターを手札に加えることで展開の起点にしたり、展開を伸ばしたりしていきます。
当該ペンデュラム効果がシンプルということもあり、コンボの展開はある程度パターン化されている印象です。
コンボは総じて長いため最初は回すことが難しく感じるでしょうが、他のテーマと同様に慣れてくれば感覚で回せます。
コンボパーツを初手に素引きしていると、コンボ途中にサーチ・リクルートするカードを別のコンボパーツに置換できることがあるため、総じて展開を伸ばすことができます。そういう意味では、初手の内容に応じた一定以上のアドリブ対応が求められるでしょう。
詳しくは後編にまとめているコンボ{2-1}を参照ください。
デッキレシピ
「イグナイト」系アーキタイプと構築例を列挙します。
【純イグナイト(入門用)】
まずは「イグナイト」入門用デッキの紹介です。
ただひたすらに基本的なコンボの初動確率を高めることをコンセプトにしています。ソロモード等でデッキを回してみて「イグナイト」の使い勝手を把握するのにピッタリかと思います。
実戦においても、相手が妨害札を握っていなければフルパワーで動けるので一定以上の実用性もあると言えます。
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【純イグナイト(実戦用)】
前述した【純イグナイト(入門用)】に妨害対策札などを追加した実戦仕様です。
「イグナイト」通常ペンデュラムモンスターが初動札になるため、下手に40枚にデッキを抑えるよりも、デッキ総枚数あたりの「イグナイト」通常ペンデュラムモンスター枚数の割合を高めることが大事です。
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総評
ペンデュラムテーマらしく大量展開していく先攻型のテーマです。テーマ外カードによって先攻適性を上げていくか、後攻でも戦えるようにするか。そのあたりのバランスをどのように仕上げるかに個性が顕れるでしょう。
主要なデッキパーツのうち、SR・URなのは10枚もありませんのでかなり安く組むことができます。また、いろいろと調べたかぎりでは、ペンデュラムテーマにしては操作が簡単な部類に入るらしいので、安価であることと併せて、ペンデュラムの入門テーマであると言えるでしょう。