遊戯王 マスターデュエル:テーマ「機界騎士」について(前編)
当ノートでは「遊戯王 マスターデュエル(MD)」に実装されているテーマ「機界騎士」について解説します。
テーマ「粛声」が実装されたり、テーマ「RR」や「氷結界」が強化された2024年08月08日のアップデート直後環境を想定した内容になっています。
文量の都合から、ノートを「前編」と「後編」の2つに分けています。解説のほとんどは前編で行っており、後編には具体的な展開例をまとめています。
当ノートは前編です。
概要
テーマ「機界騎士」は、「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ(OCG)」においては2017年10月14日発売の基本パック「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ EXTREME FORCE」で実装されました。
OCG・MDともに以下カードが実装されています。
テーマ内魔法・罠は、カテゴリ上は「星遺物」扱いとなりますが、これは星遺物ストーリー関連テーマ全般にみられる傾向ですので、名称ではなく効果を読んで「機界騎士」というテーマに含めるべきかどうかを判定しています。
メインモンスター
《機界騎士アヴラム》
《宵星の騎士ギルス》
《蒼穹の機界騎士》
《翠嵐の機界騎士》
《燈影の機界騎士》
《黄華の機界騎士》
《紅蓮の機界騎士》
《紺碧の機界騎士》
《紫宵の機界騎士》
リンクモンスター
《明星の機械騎士》
《星痕の機界騎士》
《双穹の騎士アストラム》
フィールド魔法
《星遺物が刻む傷痕》
永続魔法
《星遺物へ至る鍵》
速攻魔法
《星遺物の機憶》
永続罠
《星遺物の囁き》
《星遺物に眠る深層》
特徴
テーマ「機界騎士」の特徴、および基本的な動かし方を解説します。
光属性中心のリンクテーマ
テーマ内モンスター12種類のうち、闇属性の《宵星の騎士ギルス》以外はすべて光属性です。
《宵星の騎士ギルス》は闇属性で統一されたテーマ「オルフェゴール」に属するモンスターでもあり、属性を考えると「オルフェゴール」寄りのカードとしてデザインされていると思われます。
光属性中心であるため、光属性サポートカードの恩恵を受けやすいです……言いたいところですが、そういったカードに当テーマと相性の良いカードを見つけることができませんでした。よって、光属性中心であることはあまり気にしなくてよいです。
EXモンスターは3種類ともリンクモンスターとなっています。なかでも《双穹の騎士アストラム》は「ジャックナイツ」以外でも使われる超優秀なモンスターです。
縦列が動きに大きく関わる
「機界騎士」ではフィールドの「縦列の状態」が展開に大きく関わってきます。
例えば、リンク2モンスター《明星の機械騎士》はフィールドに自身が存在するあいだ、フィールドの「ジャックナイツ」モンスターは自身と異なる縦列の相手モンスターとの戦闘では破壊されず、かつ、その戦闘において発生する自身への戦闘ダメージを「0」にします。永続罠《星遺物に眠る深層》は自分「ジャックナイツ」モンスターと同じ縦列で発動した相手モンスターの効果を無効にします。
このように、とにかく縦列の状態を参照する奇妙な効果を持っているのが「機界騎士」最大の特徴であり、使っていて面白いところです。なお、似たようなテーマとしては「天気」や「魔弾」などがあります。
「縦列にカードが2枚以上存在する場合、このカードはその縦列の自分フィールドに特殊召喚できる。」
「機界騎士」の主力はテーマ内の上級・最上級メインモンスター達です。
これらモンスターは「縦列にカードが2枚以上存在する場合、このカードはその縦列の自分フィールドに特殊召喚できる。」という共通効果を持っています。この効果を利用してモンスターを並べることが「機界騎士」の基本的な動かし方になります。
展開したモンスターはEXモンスターの特殊召喚素材にしても良いですし、テーマ内魔法・罠(特に罠)の効果を利用するために盤面に残しておいても良いです。このあたりは明確な答えがないので、状況に沿って最適解となる動きを見極めてください。
この特殊召喚条件を能動的に満たす方法としては、EXモンスターゾーンにモンスターを出し、そのモンスターと同じ縦列に魔法・罠をセットするのが一般的です。
そのためには特殊召喚の条件と素材が緩いEXモンスターが適しています。個人的には《リンクリボー》と《転生炎獣アルミラージ》がオススメです。ほかには「召喚獣」や「閃刀姫」といったテーマと組み合わせ、それらテーマのEXモンスターを利用することも多いようです。
どちらかというと後攻で活きるテーマだが……
「機界騎士」メインモンスターの特殊召喚効果を利用するためには盤面にカードがないといけません。よって、相手が盤面に並べたカードを利用して動ける後攻のほうがテーマコンセプトと合っています。
加えて、この特殊召喚は効果の発動を伴わずに行うので、無効効果をチェーンされて特殊召喚を妨害されるようなことがありません。そういう点も後攻適性に寄与しています。
しかしながら、「機界騎士」は捲り力があまり高いほうではありません。正確には「低打点モンスター中心のアーキタイプ相手ならば捲れるが、打点が2500を超えるモンスターが並ぶテーマ相手だと厳しい」です。これは比較的簡単に出せるモンスターのなかでは最高打点が《紫宵の機界騎士》の2500であるためです。
除去能力や妨害能力も弱いので、いくら後攻のほうが動きやすいからといっても安易に後攻を選ぶのは危険です。
「比較的簡単に特殊召喚できるテーマなのだから、特殊召喚した『ジャックナイツ』モンスターを素材にEXモンスターを出して捲れば良いのではないか」と思われるかもしれません。実際、捲るときはEXモンスターに頼ることになります。ただし、出したEXモンスターに無効を当てられたり、除去されるなどして案外上手く捲れないことが多い印象です。
以上より、後攻を取るよりも先攻を取って妨害盤面を築くほうが総合的な勝率は高くなるように思います。なかでも《紺碧の機界騎士》と《星遺物に眠る深層》のコンボはかなり強いので、先攻を取ったらこのコンボを目指すのが1つの王道展開となります。
裏を返すと、先攻ならば妨害盤面を築いて相手を迎え撃ち、後攻ならば(打点がちょっと低いですが)大型モンスターを簡単に展開していけるバランスの良いテーマとみることも可能です。
初動を《夢幻崩界イヴリース》と《宵星の騎士ギルス》に大きく依存している
「機界騎士」は、その初動をテーマ内モンスター《宵星の騎士ギルス》とテーマ外モンスター《夢幻崩界イヴリース》に大きく依存しています。
これらカードを素引きできなかったばあい、基本的には3枚初動で動くことになってしまいますので展開に支障を来たします。
EXデッキに余裕がある
積極的に出したいEXモンスターがあまりいないというか、「機界騎士」の展開力ではEXモンスターを出しにくいというほうが正確ですね。
ともかく、EXデッキの枠には余裕があるテーマですのでEXデッキを圧迫するテーマやギミックでも無理なく採用できます。《金満で謙虚な壺》も問題なく使用できます。
テーマ内カード
テーマ内カードについて解説します。
《機界騎士アヴラム》
「機界騎士」は通常モンスターが効果発動のトリガーになったりするようなテーマではないので当然不採用です。
《宵星の騎士ギルス》
「機界騎士」のエースモンスターです。このカードを初手に引けるかどうかで、その後の展開が大きく変わります。
効果①は必ずしも通さなければいけない効果ではありません。ただ、《星遺物-『星鎧』》などを落としておくことで、後述する《星鍵士リイヴ》の効果①で持ってきた《星遺物を継ぐもの》を使って蘇生でき、展開を伸ばしていけるので可能なかぎり通したいです。
効果②はなんとしてでも通したい効果です。「星遺物トークン」をEXモンスターゾーンと同じ縦列の相手メインモンスターゾーンに特殊召喚し、その相手「星遺物トークン」と同じ縦列のEXモンスターゾーンにリンクモンスターなどを出せば「機界騎士」モンスターの特殊召喚先を作れます。
また、相手フィールドに「星遺物トークン」を出す――相手フィールドにカードが存在する状況を作ることで、相手の《無限泡影》や《拮抗勝負》の発動を阻害できるのも強いです。
「攻守0のトークンとはいえ、相手フィールドにモンスターを供給するのはなぁ……」と気になる方ばあいは次のようにすることで無理なく相手「星遺物トークン」を除去できます。
《宵星の騎士ギルス》の効果①で、デッキから墓地へ「星遺物」モンスターが送られているものとする。
自分「星遺物トークン」と《宵星の騎士ギルス》を素材に、EXデッキから《星鍵士リイヴ》をリンク召喚。
墓地に「星遺物」モンスターが存在するので《星鍵士リイヴ》の効果①を発動。デッキから《星遺物を継ぐもの》をセット。
墓地の「星遺物」モンスターを対象に、セットした《星遺物を継ぐもの》を発動。対象にとった「星遺物」モンスターを《星鍵士リイヴ》の左下リンク先に特殊召喚。
「星遺物」モンスターと《星鍵士リイヴ》を素材に、EXデッキから適当なリンクモンスターをリンク召喚。
相手「星遺物トークン」を対象に、リンク召喚した自身がリンク素材として墓地へ送られた《星鍵士リイヴ》の効果②を発動。対象にとった相手「星遺物トークン」をデッキに戻す。トークンなのでデッキに戻らず消滅する。
当然3積みです。
《蒼穹の機界騎士》
効果②のサーチは便利ですが発動条件がやや厳しいです。《宵星の騎士ギルス》の効果②が通っているか、後攻でないと使えないでしょう。
とはいえ便利なカードには違いなく、「機界騎士」系アーキタイプを使う以上は基本的に3積みです。
《翠嵐の機界騎士》
ステータス・効果ともに微妙です。
不採用です。
《燈影の機界騎士》
基本不採用ですが、守備力が高いうえ効果②が良くはないですが悪くもない効果なので1枚は入れても良い気がしなくもないです。
《黄華の機界騎士》
《紅蓮の機界騎士》の魔法・罠版です。
ターン1制約無しで自分・相手の魔法・罠を破壊できるのは強いです。ただし、コストが軽くないのと破壊対象が「このカードと同じ縦列の~」なのは残念ポイントです。フィールド魔法を破壊できないのも残念です。
基本不採用ですが、気に入ったら1積みはしても良いかもしれません。守備力も悪くないですしね。
《紅蓮の機界騎士》
《黄華の機界騎士》のモンスター版です。
なにげに、効果②の対象に自身を指定することで自爆できたりします。
基本不採用ですが、気に入ったら1積みはしても良いかもしれません。
《紺碧の機界騎士》
効果①で自身を特殊召喚。効果②で自身を移動させることで、自身が特殊召喚した場所に他の「機界騎士」モンスターを出せるようにするといった細かなプレイングを可能にする便利なやつです。
効果②は、手札の他「機界騎士」モンスターを出すための場所を空けるのに役立ちますが、特に《星遺物に眠る深層》との相性が抜群です。
1枚は入れておきたいですが、2枚は不要です。
《紫宵の機界騎士》
すべての「機界騎士」上級・最上級メインモンスターをサーチできる優秀なモンスターです。コストとして自身を次の自分スタンバイフェイズまで除外したばあい、自分が特殊召喚された場所が空くので、サーチした「機界騎士」上級・最上級メインモンスターをその場所に特殊召喚できます。
当然3積みです。
《明星の機械騎士》
悪くないモンスターです。
「機界騎士」系アーキタイプとしては比較的出しやすいリンク2モンスターであるため、このカードをEXモンスターゾーンに出し、このカードと同じ縦列の魔法&罠ゾーンに魔法・罠をセットすれば「機界騎士」モンスターの特殊召喚先を作れます。
ステータスはリンク2としては許容できるレベルですが、決して優秀な値ではありません。効果②により限定的な戦闘破壊無効効果を有していますが過信は禁物です。
効果①は便利な効果ではあります。コストとして「ジャックナイツ」モンスターか「星遺物」モンスターを捨てたばあい、《星遺物を継ぐもの》をサーチすることで捨てたモンスターをリンク先に蘇生することができます。《星遺物を継ぐもの》にかぎらず、状況に応じた「星遺物」カードをサーチすることで柔軟な動きを可能にしますが、わざわざカードを1枚捨ててまで発動したい効果かは微妙なところです。
効果②は悪くありませんが良くもありません。ただ、《星遺物に眠る深層》を発動しておけば、相手に《明星の機械騎士》を戦闘破壊するために同じ縦列に出すか、《星遺物に眠る深層》で効果の発動を無効化されないために別の縦列に出すかの2択を強いることができます。
1枚は入れておきたいが2枚入れるかは微妙。3枚積みは《強欲で金満な壺》でも採用していないかぎりは不要、という感じです。
《星痕の機界騎士》
「役立つときは役立つ」そんな評価が似合うモンスターです。
「機界騎士」を使う以上は1枚入れておきたいですが2枚以上は不要です。
《双穹の騎士アストラム》
リンク値を伸ばせるアーキタイプで採用されていることが多い優秀なモンスターです。《I:Pマスカレーナ》を素材として出した、いわゆる「マストラム」は強固な耐性と極めて優れた戦闘力を両立しており、アーキタイプ次第では突破できずに詰みます。
1枚は入れておきたいですが2枚は要らないです。「機界騎士」は《双穹の騎士アストラム》を2枚出せるほど展開力のあるテーマではありません。
《星遺物が刻む傷痕》
効果①は無視してよいです。
効果②はマリガンになるのと、「機界騎士」モンスターを捨てれば自身の効果③のコストになるので悪くありません。
効果③は2枚初動から発動に持っていくことができますが妨害が飛んでくることを考慮すると現実的には厳しいと言わざるをえません。加えて、発動するための手間に見合った戦果を挙げることができるか怪しいのも気になります。
というのも、最近のカードは墓地へ送られることで発動したり、墓地から自身を除外することで発動したりする効果をもっているカードが少なくありません。そのため、相手のアーキタイプによっては当カードによる墓地送りがかえって敵に塩を送ることになりかねません。また、相手が墓地を重視しないアーキタイプであったとしても、最近は1枚初動でじゅうぶん動けるテーマが多いので、相手にターンを返して素引きしたカードが展開してくる可能性がそれなりにあるので安心できないというのもあります。
とはいえ、強力な効果には違いないので発動できるのであれば発動を狙いたいです。EXモンスターを墓地へ送るということは、それら墓地へ送られたEXモンスターは蘇生制限を満たしていないわけで、EXデッキに戻すなどしないと特殊召喚できないのもグッドです。
効果③を発動できるように組まれたデッキであれば1積み。そうでないデッキでは不採用です。
《星遺物へ至る鍵》
効果①は、「機界騎士」においては《紫宵の機界騎士》の効果②で除外したカードくらいしか対象に取ることができません。そのため、あまり期待しないようにしてください。
効果②は悪くありませんが積極的に狙いたい効果かといわれると微妙なところです。
不採用か1積みです。
《星遺物の機憶》
普通に強いカードです。
効果①発動後、ターン終了時まで「ジャックナイツ」モンスターしか特殊召喚できなくなるのは痛いですが発動タイミングの調整でなんとかなったりします。最悪《双穹の騎士アストラム》を立てればワンキルされずに自分ターンが返ってくるはずです。
1積みか2積みです。気に入ったら3積みでも良いでしょう。
《星遺物の囁き》
不採用です。
《星遺物に眠る深層》
事実上「機界騎士」唯一となる妨害札です。《紺碧の機界騎士》と組み合わせることで2妨害となります。
当カードをサーチできる効果を通す自信があるならば1枚で良いですが、そうでないならば素引きの確率を上げるために2枚積んでおいたほうが無難です。
関連テーマ・カード
「機界騎士」と相性が良い、あるいは相性が良いように見えて意外とそうでもないテーマやカードを紹介します。
テーマ「召喚獣」
「機界騎士」モンスターの多くが光属性のため、《召喚獣メルカバ―》の融合素材になります。「機界騎士」には無効妨害を飛ばせるカードが《星遺物に眠る深層》しかないので、その欠点を補うことができる《召喚獣メルカバ―》はありがたい存在です。
《召喚獣メルカバ―》をEXモンスターゾーンに出し、同じ縦列の魔法&罠ゾーンにカードをセットすれば、そのあいだに「機界騎士」上級・最上級メインモンスターを出せる点もシナジーがあります。
ただ、《召喚師アレイスター》と《宵星の騎士ギルス》をともに引いたばあい、召喚権をどちらかにしか割けないのは問題です。これを回避するためには次の解決手段が必要になりますが、それぞれ欠点もあります。
同じターン内での同時利用をあきらめる。
利点
残したほうのモンスターを利用することで、次ターンもほぼ確実に動くことができる。
欠点
手札が1枚少ない状態で相手にターンを返すようなもの。妨害が1つ減るので捲れない妨害盤面を築かれたり、最悪ワンキルされてしまう。
そもそも現代遊戯王で次ターン以降のリソースを意図して残すのは基本的にはナンセンス。
《召喚魔術》の採用枚数を増やすことで召喚権を《宵星の騎士ギルス》に割き、手札の《召喚師アレイスター》と墓地の光属性モンスターで《召喚獣メルカバ―》を立てれるようにする。
利点
おそらく最も現実的なやり方。
欠点
手札に《召喚師アレイスター》《宵星の騎士ギルス》《召喚魔術》がそれぞれ1枚以上存在する必要があり、残る手札2枚で《宵星の騎士ギルス》初動の展開をしつつ相手の手札誘発をかわす必要がある。
手札消費が激しい。
《二重召喚》を始めとする召喚権を増やすカードなどを採用して《召喚師アレイスター》と《宵星の騎士ギルス》をともに盤面に出せるようにする。
利点
妨害されなければ妨害を増やせる。妨害されても貫通しやすくなる。
欠点
ちょうどよいカードが今のところ見当たらない。
テーマ「クローラー」
星遺物ストーリーテーマとして、少しだけシナジーがあります。《宵星の騎士ギルス》から《星鍵士リイヴ》へと繋げることで簡単に《機怪神エクスクローラー》を立てることができます。
星遺物ストーリー関連テーマ同士で相性はそこそこですが「『クローラー』と相性が良い」というより「《星鍵士リイヴ》から《機怪神エクスクローラー》を立てる出張コンボと相性が良い」という感じです。
テーマ「閃刀姫」
「閃刀姫」の主要カードを持っておらず、手元で検証できていないため詳細な解説はできません。「閃刀姫」カードが揃ったときに、改めて解説します。
YouTubeなどに上がっている解説動画を見た感じでは悪くなさそうでしたが、いずれも《宵星の騎士ギルス》が制限カードだった少し前の環境を想定した内容でした。《宵星の騎士ギルス》が無制限になり、「閃刀姫」にも多数の強化カードが実装されて【純閃刀姫】として強い現在では混ぜるメリットはあまりない気もします。
《閃刀機-ホーネットビット》で《閃刀姫-カガリ》をEXモンスターゾーンにリンク召喚。《閃刀姫-カガリ》の効果①で墓地の《閃刀機-ホーネットビット》を手札に回収。《閃刀機-ホーネットビット》を《閃刀姫-カガリ》と同じ縦列の魔法&罠ゾーンにセット……こうして「機界騎士」上級・最上級メインモンスターの特殊召喚先を作る出張コンボは悪くないと感じました。
テーマ「アーマード・エクシーズ」
自身の効果①により、手札から《SRベイゴマックス》を特殊召喚。
特殊召喚した《SRベイゴマックス》の効果②を発動。デッキから《SRタケトンボーグ》を手札に加える。
自身の効果①により、手札から《SRタケトンボーグ》を特殊召喚。
《SRベイゴマックス》と《SRタケトンボーグ》を素材に、EXデッキから《エクシーズ・アーマー・トルピード》をエクシーズ召喚。
自身のエクシーズ素材を2つ取り除いて《エクシーズ・アーマー・トルピード》の効果②を発動。1枚ドロー。
《エクシーズ・アーマー・トルピード》に重ねて《エクシーズ・アーマー・フォートレス》をエクシーズ召喚。EXモンスターゾーンに出すこと。
自身のエクシーズ素材を1つ取り除いて《エクシーズ・アーマー・フォートレス》の効果①を発動。デッキから《フル・アーマード・エクシーズ》を手札に加える。
《エクシーズ・アーマー・フォートレス》と同じ縦列の魔法&罠ゾーンに、手札から《フル・アーマード・エクシーズ》をセット。
こうすることで「機界騎士」モンスターの特殊召喚先を作りつつ、「アーマード・エクシーズ」カードによる妨害を敷くことができます。「アーマード・エクシーズ」の欠点であるEXデッキを圧迫する問題は「機界騎士」では大した問題ではない……と、完璧なシナジーがあるように見えますがデメリットもあります。
第1に、《SRベイゴマックス》は自分フィールドにモンスターがいないばあいしか特殊召喚できません。《宵星の騎士ギルス》は自分フィールドに自身以外のモンスターがいると効果②を発動できません。よって、ここがぶつかります。
第2に、《エクシーズ・アーマー・フォートレス》をEXモンスターゾーンに出すと《星鍵士リイヴ》を始めとする優秀なリンクモンスターを立てる先がなくなります。言わずもがな《エクシーズ・アーマー・フォートレス》をリンク素材として使ってしまうのは本末転倒です。
《夢幻崩界イヴリース》
《宵星の騎士ギルス》と同様に「機界騎士」モンスターの特殊召喚先を作れるうえ、特殊召喚妨害札にもなる強カードです。
召喚権を消費して、手札から《夢幻崩界イヴリース》を召喚。
《夢幻崩界イヴリース》を素材に、EXデッキから適当なリンク1モンスターをEXモンスターゾーンにリンク召喚。
自分フィールドから墓地へ送られた《夢幻崩界イヴリース》の効果③を発動。リンク1モンスターゾーンと同じ縦列の相手メインモンスターゾーンに守備表示で特殊召喚。
こうすることでリンク1モンスター・《夢幻崩界イヴリース》と同じ縦列の自分メインモンスターゾーンが「機界騎士」モンスターの特殊召喚先になります。
基本的には召喚権を割いて出す都合上、《夢幻崩界イヴリース》と《宵星の騎士ギルス》をともに素引きすると扱いが厄介です。「《明星の機械騎士》の効果①コストとして使えるのでは?」と思われるかもしれませんが、当該コストの対象は「ジャックナイツ」モンスターか「星遺物」カードであり、《夢幻崩界イヴリース》はそのどちらにも該当しません。
以上より、採用枚数は各自のお好みで調整ください。《宵星の騎士ギルス》3枚だけでは初動が不安定すぎるので、基本的には《夢幻崩界イヴリース》も3積みにするのが無難ですが。
《星鍵士リイヴ》
星遺物ストーリー関連テーマ全般とシナジーがある、強いことしか書いていない優良モンスターです。
最低1枚、可能ならば2枚入れておきたいです。
《星遺物を継ぐもの》
リンクモンスター主体の「機界騎士」とは相性が良いです。テーマ内リンクモンスター《明星の機械騎士》でサーチしたり、サーチのための手札コストにもなるのもシナジーがあります。
蘇生対象となるモンスターは《宵星の騎士ギルス》の効果①で墓地へ送ることができます。《星遺物-『星鎧』》を選ぶことが多いですが、状況に合わせて墓地送り・蘇生するモンスターは調整してください。
とりあえず1枚は入れておくと良いです。デッキ次第では2枚や採用もあるかと思います。
《金満で謙虚な壺》
EXデッキに余裕があるので無理なく採用できます。
《星遺物の導く先》
レベル5以上のモンスターが多く採用される「機界騎士」とは相性が良いかと思ったのですが、なかなか発動するのは難しかったです。
基本不採用。採用するにしても1枚入れておくくらいで良いでしょう。
構築例
「機界騎士」の構築例を紹介します。
【純機界騎士(《星遺物が刻む傷痕》採用型)】
《星遺物が刻む傷痕》の効果③発動を狙いつつ、発動が難しそうであれば普通の妨害盤面を敷けるようにしています。つまり《星遺物が刻む傷痕》のための特化構築ではありません。
《星遺物が刻む傷痕》の効果③を発動するために必要なので、しぶしぶ《星遺物へ至る鍵》を入れています。
《星遺物が刻む傷痕》の効果③を発動するための展開ルートの洗い出しが難しく、まだまだ改善できる余地はあると思いますが、いったんこれで完成とします。
【純機界騎士(《星遺物が刻む傷痕》非採用型)】
《星遺物が刻む傷痕》を採用しないので、併せて《星遺物へ至る鍵》も抜いています。
妨害は《星遺物に眠る深層》に依存しています。
こちらのほうが安定していて強いと思いますが、テーマ性を活かすのであれば《星遺物が刻む傷痕》を採用する構築のほうが良いでしょう。
【召喚獣機界騎士】
「召喚獣」との混ぜ物です。
純構築では召喚権を割く必要がある対象として《夢幻崩界イヴリース》と《宵星の騎士ギルス》がいました。《宵星の騎士ギルス》初動の展開が理想的なものの、3枚しか投入できないと40枚構築で1枚以上素引きする確率が33.8%しかありません。そこでサブプランとして《夢幻崩界イヴリース》を導入することで57.7%の確率で《夢幻崩界イヴリース》か《宵星の騎士ギルス》を引けるようにしています。
ここに《召喚師アレイスター》を3枚入れると召喚権を割く必要のある対象が9枚となり31.1%の確率で《夢幻崩界イヴリース》《召喚師アレイスター》《宵星の騎士ギルス》らを2枚以上素引きしてしまいます。
「機界騎士」は不要なカードを手札コストとして容易に処理できるようなテーマではないので《夢幻崩界イヴリース》を抜いています。
あと、レベル9モンスター《召喚獣メルカバ―》を採用したのに合わせて《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》を採用してみました。純構築でも採用できなくはないのですが、《召喚獣メルカバ―》をリンク素材にできるぶんだけ出しやすくなっているので。
【クローラー機界騎士】
「クローラー」ギミックを混ぜ込みました。
《星遺物に眠る深層》よりも《機怪神エクスクローラー》による妨害のほうが強いので《星遺物に眠る深層》を1枚に減らすか、いっそ抜いてしまうのもアリかもしれませんね。
総評
前から興味があったので触ってみたのですが、使っていてとても楽しかったです。軸となるギミックが素直なぶん、デッキ構築・プレイング両面で考えることが多くて、デュエルタクティクスが鍛えられた気がします。
後攻に強いというわけではありませんが、それなりに対応力がありますのでMDのコイントスにあまり怯えなくて良いのも嬉しいポイントですね。もちろん先攻を取りたいですが、後攻になってしまっても捲る楽しみがあります。
レアリティ面で見ても比較的安いので興味を持たれた方はぜひ使ってみてください。
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