第2話「お風呂場の真実、抜け毛と向き合う瞬間」
会社から疲れて帰った僕が、いつものようにお風呂に入った。温かい湯船に浸かり、ほっとする時間は、毎日の小さな楽しみでもある。湯に肩までつかりながら、「今日も疲れたな」とため息をつく。何も考えずにリラックスしていたはずが、ふと、自分の頭皮が妙に気になり始めた。
その日は髪をしっかり洗おうと思い、シャンプーを手に取って泡立てる。指を使って頭皮をマッサージしながら洗っていると、指先に柔らかい感触が伝わってきた。何気なく手のひらを見た瞬間、僕は思わず固まった。そこには、泡と一緒に抜け落ちた髪の毛が何本も絡みついていたのだ。
「こんなに抜けるもんだっけ…?」普段なら気にもとめない小さなことが、この日は気にかかって仕方ない。手のひらに絡みついた黒い髪の毛の束が、じわじわと不安を引き起こす。シャンプーを流し、再び手を通すたび、指に引っかかる感覚が続く。「これって普通なのか?」胸の奥がざわざわして落ち着かない。
シャンプーを洗い流し終えた後、ふと湯船の表面に目をやると、湯の中にいくつかの髪の毛がゆらゆらと漂っているのが見えた。湯船に浮かぶその光景が、不気味なまでに自分の現実を突きつけてくる。「今までもこんな風に髪が抜けてたのか?」と自問するが、思い当たる節がない。いつも気にもとめずに流していたことが、急に異常に思えてきた。
その時、さらに気づいてしまった。足元の排水溝がなんとなく詰まり気味で、水が流れにくくなっている。恐る恐る排水溝のカバーを外してみると、そこには予想をはるかに超える量の髪の毛がびっしりと溜まっていたのだ。黒々とした毛の束が排水口を塞ぎ、まるで自分に「お前の髪が減っているんだ」と囁くように感じた。
思い返せば、最近になって排水溝の水はけが悪いなと感じていた。でも、仕事に追われて気にも留めていなかった。しかし今日、排水溝にびっしりと詰まった髪の毛を目にした瞬間、「こんなにも抜けていたのか…」と愕然とした。目の前にあるのは、まぎれもなく自分の髪の毛だった。無意識に抜け落ちていた髪たちが、日々の生活の隙間から、確実に僕の髪のボリュームを奪っていたのだ。
この事実に直面した夜、布団に入っても、頭の中は抜け毛のことでいっぱいだった。シャンプーで手に絡む感触、湯船に浮かぶ毛、排水溝に溜まった束が、何度も頭に浮かんでくる。「毎日これだけ抜けているなら、いつか本当に髪がなくなってしまうんじゃないか…?」そんな不安が、じわじわと胸の奥に染み渡っていった。
これまで薄毛なんて他人事だと思っていた僕にとって、この発見は、まるで人生の大きな転機のように感じられた。頭頂部が薄くなりつつある自分、つむじのあたりが透けて見える自分。湯船に浮かぶ髪、排水溝に絡む髪、それはすべて、僕が「変わり始めている」という現実を突きつけてくる証拠だった。
つづく。
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