【クリア感想】Tales of ARISE【ネタバレなし】
「テイルズ」というシリーズを確実に、そして正確に「世界」にアプローチすることを成功した傑作。
世界ではJRPG好きのニッチなユーザー層しか認知されていなかった「テイルズ」を世界でも認知をひろげた「FF」「ドラクエ」「ペルソナ」と同列で語るブランドだと証明した、おそらくテイルズのターニングポイントに成った作品だと思います。
まず、褒めるべきは戦闘アクション。
エンカウント後に、コマンドを入力して戦闘するアクション。
一番近いシステムは「FF7R」。
そこにコンボの要素を組み込み、派手な必殺技や、カットインをうまく活かす秘奥義を繰り出す爽快感を組み込んだ進化させた戦闘システムが本当に最高。
操作はめっちゃ忙しい。常にボタンをなにか押しているし、仲間の体力等を管理しなくちゃいけないし!本当に大変。
だけど、その忙しさがしっかりと画面に反映される。
そしてコンボが決まるほど気持ちよく、そして一方的にボコせるこのバランス。
本当に素晴らしい。
あとはね、ステージのレベルバランスが絶妙。
おそらく、ザコ敵飛ばしたら、積むムズさ。でも、楽しみながら探索をしてレベルを上げるとやりごたえのあるラインでバトルをたのしめる。
レベル差の強さの体感はペルソナシリーズにすごく近い。
5レベ差あったら苦戦必須。
さらに、苦戦を味合わせるかのようにアイテムが貴重。というか価格設定が高い。
オレンジグミをこんなにありがたがって使うことになるとは一切思わなかったよね。
あとやはり物語の素晴らしさ。
今作は「貧富」と「人種」をテーマの中心に置きながらファンタジー世界を描いていくのよ。
これが本当に素晴らしいのよ。
基本は主人公が、悪徳領主を倒す!という王道!
でもね、倒したあとも世界が続くことをしっかり描くの。
悪を倒しても「格差」、「差別」の根本が解決しないことをしっかり描く。
貧富の差や人種の壁が現実世界でおおきな問題として立ちふさがってる今、ファンタジーというオブラートにつつみながらこれをしっかり描ききるのはすごすぎるよ。
今語るべき物語をしっかりと描いているのが偉すぎる。
そして、すこしクサイと思ってしまうけどしっかりとアライズのアンサーもキッチリ提示する。
そのアンサーも個人的には深く同意するアンサーだったよ。
新しいことばかり書いてしまったけれど、従来のテイルズの良さは健在。
とくに、キャラ同士の掛け合いや関係性の深まりは今作も素敵だよ。
ノマカプ厨は基本的には大歓喜。
そんなわけで最高でした。
ちょっと文脈が変わるし、とうとつなんだけれど今作は本当に「テイルズ」にとってエポックメイキングな作品になったと思うんだよね。
PSのFF7が初めて「世界」にしらしめたJRPGだったように、今作は「テイルズ」を初めて「世界」に伝えた偉大な作品だと思います。
日本ですら、新規は減り、古参が買うシリーズになり始めていたシリーズを見事に復活させた傑作でした。
今後、これを期に「世界」が「テイルズ」シリーズに熱い視線を向けることになりそうだな。
リメイク・・・は難しいかもしれないが、次世代機やPCへの移植等は加速するだろうなと未来への希望を抱かずにはいられない作品でした。