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回復期リハビリテーション病棟で働く看護師さんって何するの?①看護技術を中心に
看護師といっても様々な働く場所があります。その中でも病院はスタンダードな活躍の場の一つです。そして病院にも様々な診療科があり選ぶのが大変ですよね。
私は新卒から約6年間回復期リハビリテーション科で働いてきました。マイナーな科ではありますが、在宅医療を推進する動きの中で病棟が増えてきています。私の経験から回リハの看護師がどのような働きをしているかお伝えします。ただ、病院により違いが多くあるのであくまでも私の経験によるものだとご理解をお願いします。
1.回リハ病棟の患者層
私の病院は、高齢者の方が多くいわゆる療養病棟です。一般病棟なるものもありますが、手術はできないので肺炎や尿路感染の方の点滴治療をするくらいでした。
回リハ病棟は、1つしかなく病床数は約50名、高齢者が多く70歳〜80歳以上の方が多くを占めています。たまに若い方30代〜50代の方もおり、外傷性の脳血管疾患による後遺症の患者さんです。ちなみに私の病棟は大腿骨や脊椎の骨折といった整形的疾患と脳梗塞などの脳血管疾患による後遺症のためリハビリが必要な方を主な入院対象としています。高齢な方の場合認知症をしている方が多いので、高齢者看護は必要になってきます。
看護体制としては患者さんを2チームどちらかに配置しチームナーシングを行なっていました。日勤では管理者も含め看護師全体で9名前後、夜勤では2名です。介護士は日勤では4名前後、夜勤では1名です。
2.看護師としては何をするの?取得できる看護技術は?
部屋持ち看護師として働いていたらどれくらいの頻度でどんな技術を行う機会があるのか書いてみました。
1)バイタルサイン測定
一般的な血圧、体温、脈などの測定を全患者さん毎日行います。フィジカルアセスメントに関しては便秘なら聴診、呼吸器症状があるなら聴診(私はロンカイ、水泡音、笛音くらいしかわかりませんでした)を行いました。高齢の方が多く、肺炎のリスクはいつも考えていました。心音の聴取は全くわかりません。
2)採血、点滴、注射、輸血
採血は翼状針でのシリンジ、真空管採血、発熱時の血液培養を行いました。採血の頻度としては週に1、2回程度の夜勤の時(2.3人。土日祝日はなし)と日勤の時の臨時指示です。日勤時の採血頻度はざっくり3日に1回くらいだと思います。
点滴は体調不良時なので、全くない時は1週間やらなかったり、毎日行ったりです。サーフロ刺入もそんなもんでした。
静脈注射は心不全の患者さんや嘔気出現の患者さんにワンショットで薬液を注入するためにする程度。毎日は無いですね。週に1回程度はやっていたかな。
筋肉注射は、あまりなかったですが、エルカトニン注射をするくらいです。月に1回ですかね。
皮下注射に関しては、インスリンペンやフォルテキットによる皮下注射は1日1人はやっていたかなという具合。
テリボンやインフルエンザ等注射針による皮下注射もありました。テリボンは週に1回程度、インフルエンザは接種時期の時に1シーズン3人くらいしたかなあという程度。積極的にやりたい場合は自分の部屋持ちの患者さん以外に行えばもっとできると思います。他の技術もそうですね。
輸血は2回ほどしかやったことがないので自信ありません。
3)モニター心電図、12誘導心電図装着。
モニター心電図は月に2人くらいいるかなあ〜って感じです。高齢者が多いので不整脈を有する方が多かったです。その中でも全身状況が悪い方、または亡くなる前の方(年に10人以下)に装着していました。Ⅰ型房室ブロックやAF、AFL、PVC、PAC、PSVTは分かるかな〜という程度。
12誘導心電図は平日は技師さんが行ってくれるので6年間で実際に患者さんにつけたのは5回以下だと思います。とっさにすぐ付けてと言われても自信ないです。
4)経管栄養
マーゲンチューブ、胃瘻、腸瘻からの注入は経験しました。加圧バックや滴下ポンプも使用しました。チームごとに2、3名は経管栄養の患者さんがいたので日勤でも毎日1回くらいはやると思います。マーゲンチューブの交換は4週に1回ルーチンで行ってました。1ヶ月に1回交換に当たるかな?という程度でした。摂食訓練により経口摂取が可能になる患者さんもいたので交換に当たるのは多くないです。
5)膀胱留置カテーテル、導尿
膀胱留置カテーテルの交換は4週に1回ルーチンで行っていましたが、ADLの向上により抜去していくので1ヶ月に数名交換に当たるかなといった感じです。導尿は定期導尿の指示があったり、バルーン抜去後に自尿が確認されず行ったりするのに週に1〜2回やるかなという具合です。また残尿測定器を用いた残尿測定も行っていました。
あと膀胱に生食を流す灌流も1回行いました。
6)輸液ポンプ、シリンジポンプの管理
高カロリー輸液滴下のために輸液ポンプを使用していました。チームごとに平均して1名前後は対象患者さんがいるので、その方を受け持ちしたら行います。
シリンジポンプは2回くらいしか触ったことないので自信ないです。心不全治療薬を使用する時に使いました。
7)CVカテーテル挿入の介助。
6年働いていて10回以下の経験です。先生によって違うのであんまり自信ないです。
8)創処置
褥瘡の洗浄や保護材の貼付は行いましたが、病棟の中で常時2名以外しかいないのであまり行ってないですね。でも訪問入浴を行った時に創処置を行って困ることはなかったですよ。
包帯は螺旋帯しかできません!
9)酸素療法、吸引
酸素療法は、鼻カニューレ、酸素マスクは使用したことがありますがベンチュリーマスクとかはわかりません。
吸引は、患者層にもよりますが、1日に何度も行う時、週に1回程度しか行わない時がありました。気管切開カニューレからの吸引は何度か経験しました。
10)与薬
経口薬、点眼薬、貼付薬、点鼻薬等は一通り経験できると思います。
11)血糖測定
糖尿病の患者さんがいる時、高カロリー輸液の導入時等に実施。出勤すれば1回は行うかな、という頻度です。
12)心肺蘇生法
これはほとんど行いませんね。心臓マッサージを一度したくらいです。挿菅の介助も行ったことはありません。
13)介護的技術
オムツ交換、陰部洗浄、移乗・移動の解除、更衣介助、入浴介助、トイレ介助等は一番行う頻度が高いと思います。何ならバイタルサインズ測定とこれしかしないといった日もあります。これが嫌いな人は回リハは厳しい気がします。
14)指導
患者さんに対するインスリンや血糖測定、フォルテオ自己注射の指導、ADL指導、また家族に対する介護指導を行うこともありました。自分の受け持ち患者さんが該当すればパンフレット作成等を行います。
15)カンファレンスの参加
とにかくカンファレンス多かったですね。リハビリ担当者とのカンファレンス、家族・主治医とのカンファレンス、栄養カンファレンス等毎日ありました。なにが大変かって毎日30〜1時間はカンファレンスに時間を割かなければいけないことと議事録を作成しなければいけないことです。議事録は時間外や夜勤中に作成することが多かったですが、1日に2件程度は自分で作成しなければいけない議事録があったと思います。内容はめっちゃ適当とかコピペとかでした笑。
3.回復期じゃ中々経験できなかった…これから取得したい技術。
1)cvポートの取扱や造設の介助
cvポートからの点滴はなんならサーフロを留置しての点滴よりも技術的には簡単なものだと思います。ですが、経験したことがないのであの「コツンとしたら…」とかの感覚がわかりません。1回やってみたらできると思ってます。また、造設時の直接介助にも入ってみたいと思いました。
2)人工呼吸器やCPAPなどの管理
これに関しても触ったことがないのでかなりビビってます。訪問入浴を行い、見たことはありますが、取り扱いについては家族の話を聞かないとわからないので恥ずかしいです。1度経験して、安定期における呼吸器管理は理解したいです。
3)BLS
挿管の介助は行ってみたいですね。どんな医療施設でももしものときはあると思うので。
4)ドレーンの管理
派遣先の病院で胸腔ドレーンなどをしている患者さんがいて、これどうなってんのかな〜とかわからなかったので勉強したいと思いました。
5)シリンジポンプの使用
あやふやなのできちんと使用できるようになりたいです。
4.どの科に限らず経験できない技術は一定数あると思う。
回リハは他の科に比べて医療的処置が少なく、看護技術やアセスメント能力に不安を感じる部分もあります。しかし、どの科で働いていたとしても経験できない技術や考え方はあります。大切なのは自分は何が足りたていないのか、取得するためにどうすればいいのかといった視点です。経験により取得できないものは無いので、必要を感じた時に経験すればいいでしょう。その辺は心配せず、回リハで働きたいという気持ちがあるのならば働いてみてはどうでしょうか。
この記事では回復期リハビリテーション科で働く看護師さんの行う看護技術を中心にお伝えしました。次の記事では、回リハにうんざりしたとことをお伝えします。読んでいただきありがとうございました。