アフタヌーンと四季賞の相関関係問題

 ちょっとだけ更新が間遠になりました。ちょっとだけ忙しかったんです。娘が中学受験したり。親父は無関係と言えば無関係ですが、気が気ではなく、駄文を書く心の余裕を失っておりました。あ、お陰様で娘は希望校に合格し、4月からは制服を着て中学生です! 心の余裕ができましたので、また駄文を書こうとしております。今回は、四季賞について。

 以下、1987年の第1回目から近年まで36年間の四季賞の歴史を、老眼に鞭打って紐解き、四季賞出身でご活躍される漫画家さんをリストにしてみました。なにせ老眼に鞭打って手作業で作ったリストですので、抜けや間違いもあろうかと思います。その点はご勘弁を。リストにしてみて改めて思ったことは、四季賞って偉大な漫画新人賞だなってことと、あともうひとつ、四季賞とアフタヌーンの密接な相関関係です。これに関しては、リストをご覧頂いたあとに考察してみようと思います。

土田世紀氏 (1987春・夏のコンテスト 四季賞)
松本大洋氏 (1987秋のコンテスト 準入選)
太田垣康男氏 (1988夏のコンテスト 佳作)
秋月りす氏 (1988秋のコンテスト 佳作)
中山昌亮氏 (1988冬のコンテスト 準入選)
新井英樹氏 (1989夏のコンテスト 四季大賞)
王欣太氏 (1989冬のコンテスト 四季大賞)
入江喜和氏 (1989冬のコンテスト 四季賞)
青木雄二氏 (1990春のコンテスト 準入選)
福島聡氏 (1990秋のコンテスト 準入選)
安田弘之氏 (1991秋のコンテスト 佳作)
北道正幸氏 (1992冬のコンテスト 佳作)
小原慎司氏 (1993春のコンテスト 四季大賞)
こうの史代氏 (1993春のコンテスト 佳作)
沙村広明氏 (1993夏のコンテスト 四季大賞)
黒田硫黄氏 (1993秋のコンテスト 四季大賞)
冬目景氏 (1993秋のコンテスト 四季賞)
五十嵐大介氏 (1993冬のコンテスト 四季大賞)
芦奈野ひとし氏 (1994春のコンテスト 四季賞)
木尾士目氏 (1994夏のコンテスト 四季賞)
松本次郎氏 (1994冬のコンテスト 準入選)
弐瓶勉氏 (1994夏のコンテスト 谷口ジロー特別賞)
鬼頭莫宏氏 (1995秋のコンテスト 準入選)
遠藤浩輝氏 (1995冬のコンテスト 四季大賞)
佐藤秀峰氏 (1996秋・冬のコンテスト1997春・夏のコンテスト 準入選)
篠房六郎氏 (1998春のコンテスト 四季大賞)
ひぐちアサ氏 (1998春のコンテスト 四季賞)
真鍋昌平氏 (1998夏のコンテスト 四季大賞)
漆原友紀氏 (1998冬のコンテスト 四季大賞)
石黒正数氏 (2000秋のコンテスト 四季賞)
高橋慶太郎氏 (2000秋のコンテスト 準入選)
とよ田みのる氏 (2002春のコンテスト 四季大賞)
豊田徹也氏 (2003夏のコンテスト 四季大賞)
瀧波ユカリ氏 (2004冬のコンテスト 四季大賞)
ヤマシタトモコ氏 (2005夏のコンテスト 四季賞)
市川春子氏 (2006夏のコンテスト 四季大賞)
太田モアレ氏 (2007秋のコンテスト 四季大賞)
桜井画門氏 (2008冬のコンテスト 四季大賞)
園田ゆり氏 (2009冬のコンテスト 四季大賞)
恵三朗氏 (2012秋のコンテスト 萩尾望都特別賞)
森田るい氏 (2013春のコンテスト 四季大賞)
高松美咲氏 (2013冬のコンテスト 準入選)
山口つばさ氏 (2014夏のコンテスト 佳作)
椎名うみ氏 (2014秋のコンテスト 四季賞)
久野田ショウ氏 (2017春のコンテスト 四季大賞)
富田童子氏 (2017冬のコンテスト 四季大賞)
窪田航氏 (2018春のコンテスト 四季大賞)
Fiok Lee氏 (2019冬のコンテスト 四季大賞)
山嵜大輝氏 (2020冬のコンテスト 四季大賞)
嵐山のり氏 (2021夏のコンテスト 四季大賞)
BOMHAT氏 (2021春のコンテスト 準入選)

 もちろんこれで全部ではありませんし、書き洩らしもあるだろうと思います。にしても、錚々たる才能を輩出してきたものだなと感嘆させられました。

 そして、アフタヌーンとの相関関係。これについては、一般の皆様は当然ご存知ではないアフタヌーンの経営状況の歴史と照らし合わせてみると一目瞭然でした。四季賞が元気で盛り上がっていると、2、3年遅れでアフタヌーンも元気! こんな相関関係。すなわち、当たり前と言えば当たり前ですが、アフタヌーンの命運は完全に四季賞に懸かっている、という間柄でした。
 それともう一つ。大変に興味深かったのは、『宝石の国』の市川春子さんが2006年夏に『虫と歌』で四季大賞を受賞された時点を境に、リストの男女比が大きく変化している点でした。もちろん僕の手作りリストですので間違いもバイアスもありますが、それにしても、です。市川さんの受賞以前は35人中女性は8人、23%の割合です。それが、市川さんの受賞後は16人中13人が女性で81%の割合。実に50%以上女性比率が上昇しているのです。時代性もあるのでしょうが、それでもなお、市川春子さんが四季賞と四季賞を目指す新人漫画家に与えた影響は絶大だったと言えるでしょう。実際、市川春子さん作品の影響を感じる四季賞投稿作を今でも頻繁に目にします。市川春子さんは「四季大賞 of the 四季大賞」と言えるかもしれません。勝手に表彰させてください。おめでとうございます! 迷惑かもしれませんが!