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チケットが斜めにはさまって
昨日なんか、結構仕事が要となる日で、神経が強張ったまま朝昼夜と回って2時半ごろに退勤した。やれやれ、なんだってわたしがこんなに胃を痛めなくてはならないのだろう、と帰りのタクシーでぼんやりと外を眺めながらつくづく思った。すっかり村上春樹かぶれである。
アニメを観ていて寝れなくなったという知り合いとのラインを心地よく感じながら、メロウな曲を聴いて大きくあくびをした。まだ月曜日だというのにね。
上司はいい意味で少年の心を忘れていないところがあって、ビックリマンシールチョコを箱買いしたものを「ロマンですよ」と見せてくれて、ついでに一つもらった。久しぶりに食べると意外といけるウエハースと一緒に過剰なまでにキラキラした正方形のシールが出てきて、適当な仕舞い場所がなかったのでiPhoneの透明ケースにはさむ。リンゴマークを隠すシール一面の顔面、その後ろには休日みた映画のチケットが斜めにはさまっていて。家を出る前、ふと読んだ書評に「刺激を与えるモノばっか溢れているけれど、そうでなくても良いと思い出せて嬉しかった」と書いてあったのをなんとなく思い出す。この村上春樹的な、どうしようもない忙しなさを超えたら、今度こそ考えるんだ、自分のこれからについて、なんて、そんな決心と、いざ訪れたやすみの時の強烈な怠惰を、もう何度も繰り返している。