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荒地の魔女

昨日の夜もこのエッセイを書く前に寝ていた。書き忘れているときは次の朝なにもないときだということがなんとなくわかってくる。ぽっかりと気が抜けているのだ。
昨日は「いや〜無理だー」ばっかり言ってた日だった。なんだかサリマンに太陽の力で魔力を奪われた荒地の魔女みたいに、もうずっとちょこんと座ってぼーっと1日を過ごし切りたくて仕方なかった。
少し前とは別人みたいに、とにかく自分の好きなように、本を読んで何かを考えて、好きなアニメを観て、わたしだけの世界を、わたしらしさの中で遊泳することに執着したい。大人になっていった気がしたのに、大人になるなんて何が大切なのだろうと思うという、自分の中に住まうたくさんのわたしに億劫になる。
「行こう、行こう、行こう、行こう、」
何度も優しく意思が連なって、わたしはそれとなくその気になる。使い物にならない置物みたいに隅っこで睡眠を貪っているけれど、出来るだけなにもしたくないと思ってばかりだけれど、そんなわたしも少しのことだろうとはなんとなくわかる。もうわたしは大きな波の中にとらわれている、いい意味でも、悪い意味でも。

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