虚構の奥底にだけ沈澱している
友達の家に招いてもらって、お酒をのんでいて、きっとこのまま深い時間になるだろうと思うから、ここらへんでエッセイを書いてみる。
真面目な話しをすると疲れるけれど、たのしい。わたしにとって結構、世の中に対して思うことが、笑いごとだったり、ファッションみたいではなくなっていて、それよりもなんというか、切迫感を帯びてきている。
だからこそ、だからこそ物語を紡ぐのだとも感じる。物語の中に潜む大きな暗闇の、虚構の奥底にだけ沈澱している本当のことに、わたしたちは小指を掠めて、そこで初めて、一瞬の中に煌めく感情に気がついたりする。
「何もかも嫌になってさ 君を理由にして扉開けたなら 何度も観たあのシーンみたい ちょっと切なくなる 駆け出してしまう 月がみてる」
この人たちの歌詞は本当にきれいだと何度も思う。今日は早起きをして、早くから仕事に向かったので、このきれいさに体まかせて、すがるように街を歩いていた。
それを思うと友だちとの会話を抜け出して、文章を打つこの瞬間の、幸せはまるで夢のあとさきみたいだ。
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