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夢の中に深く、遠くまで溶けて

気分が晴れやかから一番とおいところにある。体をくしゃくしゃにして大声を絞り出して涙を流したいけれど、そんな力もないというような、ぽっつりとした夜。
ここから数週間が正念場で、わたしはほんとうに、不安に耐えるために、休みもなく過ごしたいとすらおもう。そういう仕事なのだ、もともと、そういう性分なのだ、けっきょくのところ。
でもこういうとき、どうすればいいのか知っている。呆れるくらい寝れば良いのだ。サナギが蝶になるあいだどろどろに溶けて体を再構成するみたいに、夢の中に深く、遠くまで溶けて、それからこの場所へもう一回帰ってくる。長大な物語みたいに。わたしはその過程で毎日を立て直すための温度みたいなものを取り戻すことができる。決して世の中が変わらなくっても、わたしはたしかに癒されている。自分にはそれがわかる。
この曲に宿る
「不思議な力が湧いたらどうしよう」というわくわくと
「きっと毎日が日曜日」というときめきと

だめだ、泣きそうっておもうのは、寝てないからだし、不安ばかりがあるからだけど、もしかしたら春だからかもしれない。かふんがのこっているからかもしれない。心の中の海がさざめきたったからかもしれない。誰かの愛を思い出したからかもしれない。

眠って、ぜんぶを溶かして、あしたまた、おきたらごはんを食べて会社にいこう。まっさらな気持ちで、まっさらな気持ちで。

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