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[WIP] Engineer Onboarding "打ち手"大全 ~Engineer Onboarding Meetupで出てきた手法まとめ~

どーも。afroscriptです。

去年の6月に始めたEngineer Onboarding Meetup(以下EOM_jp)というイベントが無事1周年を迎えました!:)

※参考記事

ということで、過去の発表に出てきた、いろんな会社のOnboardingに関するノウハウをまとめてみることにしました。

発表スライドでサッと見たい方はこちら。


Onboardingに正解はあるのか?

1年間EOM_jpを開催してみましたが、やはり、Onboardingには唯一解はありません。(そりゃそうだ)

いろんな要素がOnboardingに影響を与えるので、各社で最適なOnboardingは何か?をしっかりプランニングしていく必要があります

<参考> Onboardingに影響を与える要素
- 会社の規模、フェーズ
- 会社の文化、雰囲気
- Onboardingの対象者
  - 新卒?
  - メンバー?
  - マネージャー?
  - 経営陣?
  - 経験、スキル、性格?
- Onboardingに使えるリソース
- 採用背景 などなど...

しかし、ある程度の基本フローはあるようです。

なので、本記事では、そのフローに沿って、これまでのEOM_jpででてきた手法をまとめてみました。

各社の状況に合わせて、ここに出てきた手法を真似たり組み合わせたりして、最適なOnboardingプランを作成するのにお役に立てれば幸いですmm

※タイトルに[WIP]をつけているのは、今後のEOM_jpで出てくるであろう様々な新しいOnboarding手法を知るたびに更新していきたいという願望の現れです:)

(あくまで願望ですよ...)

Onboardingとは?

本イベントではOnboardingは下記のように定義しています。

"Onboarding"とは、新しく入社してくれるメンバーが少しでも早く自社に馴染み、本来の力を発揮し成果が出せるようサポートする仕組みのこと
具体的には、 社内メンバーとの人間関係の構築、自社の文化・ルール・業務への理解促進などに取り組んでいくこと

なぜOnboardingは必要なのか?

これは@kosakoさんの説明が分かりやすかったので、そのまま引用させていただきます。(引用元)

Onboardingは下記の課題を解決するために行います。

- 人
  - 誰に聞けばいいのかわからない
  - 相談先がない、わからない
  - 人同士の関係性
- 情報
  - どこまでわかっているのかがわからない
  - アクセスできない情報があり、その存在自体も知らない
  - 課題な気はするが、指摘していいのかどうかがわからない
  - 歴史的経緯(最初からいた人だけは知っている、ドキュメントされてない暗黙知)
- カルチャー
  - 会社のミッション、価値観への理解
  - 期待値のズレ
    - 何を期待されているのかが本人、現場ともにわかっていない
    - 何をしたら評価されるのか
    - 期間の長さと成果の大きさのズレ

一般的なOnboardingフロー

一般的には、組織単位の大きいものから順にOnboardingしていく場合が多いようです。

会社単位のOnboarding
 ↓
事業部/サービス単位のOnboarding
 ↓
チーム単位のOnboarding

フロー毎のOnboarding打ち手まとめ

上記のフローに沿って、これまでEOM_jpに出てきたOnboarding手法を紹介します。オーソドックスな手法とちょっと特殊な例を<よくある手法>と<こんな手法もある>で分類して整理しています。

■ 会社単位のOnboarding打ち手

<よくある手法>
- ミッション / ビジョン / カルチャー / バリューの共有
   - 偉い人が直接話すとより効果的
- 会社の歴史の説明
- 会社の売上構成、会社の戦略
- 制度の説明
  - 評価制度、給与制度、その他人事制度
- 全社ツールの説明
- 事業体制、各事業部/サービスの説明
- 社内用語集の共有
- 新メンバー同士の交流
    - 自己紹介タイム
    - 新メンバー全員でランチ

<こんな手法もある>
- 偉い人とのランチ会 (オイシックス)
- D&Iに関する説明 (mercari/merpay)
- (チームを越えた) バディーの設定 (mercari/merpay)
  - 主に外国籍メンバー向け
  - 業務に関わらず相談可(住居とか生活に関するもろもろ)
- 3人のBuddyのアサイン(leader/role/culture) (海外事例)
- 最後に自分なりにアウトプットとして発表する (Retty)

■ 会社単位のOnboarding打ち手

- サービスのシステムの全体像/アーキテクチャ全体像の説明
- エンジニア組織の見取り図
- 技術ロードマップ
- エンジニアの評価制度
- 使用している技術や開発ツールの説明
- 各チームの役割や権限の説明

■ 会社単位のOnboarding打ち手

<よくある手法>
- メンター制度
- メンターランチ
- チーム単位で歓迎ランチ
- メンター/上司と定例1on1
  - 入社後2週間は毎日 @kosako
- 新メンバー/メンター用のTO DOリスト作成 (Quipper)
- チームの情報がまとまったドキュメントの共有
  - Wiki、Confluence、google docs, Github README
- (新メンバーに)Onboarding資料をアップデートしてもらう
  - オンボーディングの資料をgitで管理して、新入社員のPRを受け付ける。これにより、 新入社員の会社に貢献している感じも出せる 参考

<こんな手法もある>
- 3ヶ月半後に期待していることを伝えた上で、3ヶ月でやるべきことを本人にプランニングしてもらい、定期的にFBを行う (@kosako)
- 上司のオンボーディングのためのワークショップ (@tetsunosuke)
- チームがPRマージへ全面協力 -> 「〜〜さんの初コミットです!」などとやって、周りが盛り上げる! (Quipper) (オイシックス)
- こまったときになんでも聞いていいchannel (LINE)
- Fun/Done/Learnでの日報/ふりかえり (オイシックス)
- SRE本の読み合わせ (オイシックス)
- 自己紹介スライド/メールの展開 (レバレジーズ)
- クイックウィン達成支援 (コネヒト)
   - 内定オファー時に入社時ミッションを渡す
- モブプロ/ペアプロ

Onboardingの期間

Onboardingを行う期間として最適な期間はどれくらいなのでしょうか?

これまでの各社のお話を聞くところでは、概ね1.5〜2ヶ月程度で終わる事が多いようです。 参考

個人的に参考になったのは、Rettyの@kosakoさんの「3ヶ月半後に期待していることを伝えた上で、3ヶ月でやるべきことを本人にプランニングしてもらい、定期的にFBを行う」でした。参考

Onboardingの副次的なメリット

Onboardingを行うと、冒頭の定義で紹介した「新しく入社してくれるメンバーが少しでも早く自社に馴染み、本来の力を発揮し成果が出せるようサポートする」以外にも、下記のよう効果も見られたようです。

- 自分の定常業務についての暗黙知が自覚できる(手順ドキュメントや用語の再考チャンス) @motorollerscratron
- 今までの暗黙知が明文化されることで、すでにいる社員にも会社の方針が伝わるようになる @Mutuo

Onboardingの注意点

Onboardingは、理想を追い求めればやるべきことは無限にあります。現に、この記事で紹介しただけでもかなり多くの打ち手が考えられます。

そこで注意しなければならないのは「かけられるコスト、リソースを考えた上でやれることから始めていく(引用元)」という点です。

たまにしか新メンバーが入って来ない会社でリッチなOnboardingコンテンツをつくることはあまり良いことだとは言えないでしょう。

その他

そのほかに、EOM_jpの発表の中でおもしろかった事例/心に残ったことをまとめておきます。

- 採用段階からOnboardingは始まっている
  - 採用活動は究極のオンボーディングである @yahooshinken
  - 面接でしっかりと自分の技術力が確認された(ことによる不安の解消) @iratamak
  - 体験入社 @iratamak
- (中途採用における)入社時の心得 -> OODA(Observek:観察, Orient:目星をつける, Decide, Act) @makaibito
- 転職者から話しかける/Slackチャンネルに参加も大事 @makaibito
- 社内マガジン「月刊オンボーディング自身」(Quipper)
  - オンボーディングの知識を共有・蓄積していく
- wevox values card
- メンターは25%はonboardingに使うルール (海外事例)
- Pay to quit (海外事例)
- 6週間のブートキャンプ (海外事例)

参考資料

最後に、この記事を書く上で参考にさせていただいた、これまでのEOM_jpでの発表資料や、イベントレポート記事をまとめておきます。

■#1 (2019/06)



■#2 (2019/09)


■#3 (2019/12)



■その他参考資料


さいごに

改めてですが、これまでEOM_jpで発表してくださったみなさま、貴重なナレッジシェアをありがとうございました!m(_ _)m

2年目のEOM_jpもゆる〜りと盛り上がっていければと思いますので、ぜひぜひOnboardingに興味をお持ちの方!イベントに遊びに来てください!:)


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afroscript
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