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W杯アフリカ各国エントリーメンバー予想〜セネガル〜

本ブログでは目前に迫ったワールドカップ2022カタール大会に挑む、アフリカ各国のエントリーメンバー26名を的確かつ大胆に(?)予想する。
少なくとも西アフリカ3カ国分は間に合わせたいのだが果たして…

第2回:セネガル 
集大成を迎えるシセ監督と黄金世代

 第2回はアフリカネイションズカップ2021(以下:CAN2021)で初のアフリカ王者に輝いた、大陸の新タレント王国セネガルを予想する。
 セネガルは要所要所で自国にルーツのある欧州国籍選手の「獲得」により選手層を深めてきたが、ここ最近は比較的メンバーが固定化され、2度目のW杯に臨むアリウ・シセ監督の下チームの成熟度を高めている。一方ここにきて怪我やドーピング疑惑による出場停止など、CAN2021の制覇に大きく貢献した主力達をアクシデントが襲っている。
 他アフリカ勢が次々と監督を入れ替える中長期政権を続けるシセと、大エースのサディオ・マネ(バイエルン=GER)をはじめとした89〜92年生まれの「黄金世代」のまさに集大成となるであろう本大会。どのようなスカッドが出来上がるのか注目が集まる。

フォーメーション予想図
候補メンバー現立ち位置(GK~DF)
候補メンバー現立ち位置(MF~FW)

GK:ハイレベルな充実のポジション

 監督交代後のチェルシー(ENG)における序列低下は気になるところだが、エドゥアール・メンディがアフリカ人No.1のGKであることに疑いの余地は無い。絶対的守護神の不在時にゴールマウスを託されるセニー・ディエングはQPR(ENG)でボジションを確保している(今シーズンはなんとゴールまで記録!)。この2名は当確として、論点となるのは第3GKの選択だ。
 代表常連で前回大会にもエントリーしたアルフレッド・ゴミス(レンヌ=FRA)はリーグ・カップ戦合わせても今シーズンは全く出場機会が与えられていない。元来負傷離脱が少なくないため、フィットネスの状態にも不安の声が上がる。対抗馬の筆頭となりそうなのは、今夏加入したクレルモン(=FRA)で正GKを任せられるモリー・ディアウか。彼らより3歳若いバングル・カマラ(モンペリエ=FRA)もフランスで確かな経験を積み重ねており、リーグ・アン所属勢による三つ巴の争いとなりそうだ。
 いずれにせよヨーロッパのトップリーグで実績のあるプレーヤーが揃っており、非常に充実したポジションだと言えるだろう。

CB:クリバリを軸に4~5枚の枠を選択

 ほとんどのゲームで4バックを採用する現チームにおいて、CBに与えられた枠は4~5枚と考えられる。ワールドクラスのカリドゥ・クリバリ(チェルシー=ENG)を軸にピースが埋められていくのは間違いない。アブドゥ・ディアロ(RBライプツィヒ=GER)は左足の組み立てのみならず、代表ではクレバーかつ強度の高い守備で左CBのポジションを掴んでいる。CAN2021では全試合に出場し、クリバリの次に序列が高いはずだ。
 エアバトルに絶対の自信を持つパペ・アブ・シセ(オリンピアコス=GRE)はCAN2021の序盤戦でクリバリの不在をカバーした。フランス→ドイツ→イングランドと着実にステップアップを続ける左利きの万能型ムサ・ニアカテ(ノッティンガム・フォレスト=ENG)は9月の親善試合で初招集を受けた。ここまでの4名はメンバー入りが濃厚か。
 CAN2021にエントリーしたアブドゥライェ・セック(マッカビ・ハイファ=ISR)も経験のあるフィジカリティなCBで、逆転で、もしくは5人目のCBとしてのカタール行きの可能性は十分にある。

SB:CAN2021から顔ぶれが一新する可能性も

 スピードに乗った攻撃参加だけでなく、ビルドアップの詰まりをフォローできるボールスキルとポジショニングの巧みさ等多くのスキルが求められるSBは、実はセネガルの戦術の肝だ。しかし主力組に暗雲がたちこめている。
 右SBのファーストチョイスだったブナ・サール(バイエルン=GER)は慢性的な膝の負傷に苦しみ、9月に手術に踏み切ったもののW杯本大会の欠場が決定してしまった。左のサリウ・シスは同サイドでプレーすること多いマネの良き理解者として効果的な攻撃参加等で高い補完性を示し、CAN2021のベストイレブンにも選出された。しかし今夏にナンシー(FRA)との契約が満了となってから、未だに所属先が決まっていない。シセ監督は試合勘不足を危惧しているとみられ、9月の親善試合ではついに招集外となった。
 ユスフ・サバリ(ベティス=SPA)は左右のSBをこなす確かな実力者で、最終予選2ndレグは右SBでフル出場をはたした。ところがこの男も負傷が多く、問題が生じた場合はノア・ファディガ(スタッド・ブレスト=FRA)とフォルモーゼ・メンディ(アミアン=FRA)の2人の若手が候補となるだろう。前述の通りSBにはよりオフェンシブな役割が求められるため、前者が優勢となるか。CBもこなせる利便性から、後者も貴重な戦力になり得る。
 左SBには、ドイツからの国籍変更でイスマイル・ヤコブス(モナコ=GER)が新たに戦力に加わった。ヤコブスと同様に単独でも縦への推進力を発揮できるフォデ・バロ・トゥーレ(ミラン=ITA)は、スピードを生かした鋭いプレッシングで「奪い切る」守備ができる。S・シスがコンディションの問題からカタール行きに相応しくないと判断される場合、彼ら2人がどれだけ前任者同様にポジショニング等でクレバーなプレーができるか、一つの不安材料となる。

中盤:ほぼ不動のメンバーにP・シスの滑り込みはあるか?

 アンカーとセンターハーフの顔ぶれはほとんど変更が無く、馴染みのメンバーが候補に名を連ねる。しかし今シーズン所属クラブで先発と言えるのは古巣エバートン(ENG)に復帰したイドリッサ・ゲイェと、ノッティンガム・フォレスト(ENG)に移籍したシェイク・クヤテのベテラン勢くらいだ。新たなボックス・トゥ・ボックスの大器パペ・マタル・サール(トッテナム=ENG)にしてもプレミアのビッグクラブで定期的に出場機会を確保するのは簡単なことでは無い。CAN2021では途中出場から中盤のパス回しを円滑化しリズムを変える役割を担ったパペ・ゲイェ(マルセイユ=FRA)も代表戦同様所属クラブでもベンチスタートが基本だ。
 アンカーのレギュラー候補ナンパリス・メンディは抜群のポジショニングセンスで攻守に機能性を寄与できるプレーヤーだ。しかし彼もまた昨シーズンほどでは無いものの、レスター(ENG)での序列は決して高くない。そこで期待される新戦力がイスマイラ・パテ・シス(ラージョ・バジェカーノ=SPA)だ。昨シーズンのラ・リーガで台頭した28歳は、9月の親善試合で代表初招集を受けた。より守備的なタスクが得意なタイプだが、メンバー入り及びポジション奪取の可能性もありそうだ。
 P・シスと同じく昨シーズンのラ・リーガで存在感を発揮したママドゥ・ルム(レディング=SPA)と、中盤の底からの展開力に自信のあるムスタファ・ナメ(パフォス=KYP)も継続的に招集されている。ここにより高い位置で生きるジョセフ・ロピー(スタッド・ランス=FRA)を加えた面々が、事実上の最終候補と考えられる。

WG:意外にも少ない純WG候補生

 左WGのマネは説明不要として、2部からの出直しとなってしまったものの今季もワトフォード(ENG)の崩しの柱として君臨するイスマイラ・サールが右WGのファーストチョイスだ。長らく怪我に苦しんだクレパン・ディアッタ(モナコ=FRA)の復活は大きい。代表ではセンターハーフでもプレーしており、特に攻撃的に振る舞いたい展開で戦術の幅を広げられるピースだ。
 しかし意外にもこの3名以外で有力な候補は少ない。これまで代表に選ばれ続けてきたケイタ・バルデ(スパルタク・モスクワ=RUS)はドーピング違反による禁止処分でW杯には出場できない可能性が高い。ここ最近招集を受けるデンバ・セック(トリノ=ITA)は新たなスター候補生ではあるものの、セリエAで定位置を確保できるほどの立場には至っていない。
 ビジャレアル(SPA)では主に2トップの一角を務めるニコラス・ジャクソンは、WGを任せられる十分な走力を備える。これまでシセ監督の招集を受けてきたマメ・ティアム(カイセリスポル=TUR)やサダ・ティウブ(アンジェ=FRA)よりも期待の若手が優先される可能性が高そうだ。

CF:1トップは狭き門、3~4名の招集も

 基本布陣の4-3-3をベースとすると、CFのレギュラー枠は1。お国柄優れたCFが揃うセネガルは、今大会も派手さこそないものの、優れた選手達が揃う。今夏の移籍をきっかけに本来の姿を取り戻しつつあるブライェ・ディア(サレルニターナ=ITA)は最終予選でも先発で起用されており、メンバー入りが濃厚か。マルセイユ(FRA)では出場機会に恵まれていないものの、バンバ・ディエングはCAN2021でも2ゴールを記録したように、ジョーカーとしてシセ監督からの信頼は厚そうだ。
 イリマン・エンディアイェ(シェフィールド・ユナイテッド=ENG)はポジショニングに優れた好調のストライカーで、前線からのプレッシングでショートカウンターの起点にもなってくれる。彼ら3名が有力な候補となるが、ディアは右WGでもプレーすることができ、さらに今大会は26名をエントリー可能なため人材に溢れるCFに4名以上の枠を使用する可能性もある。不足しているポストプレーヤータイプのハビブ・ディアロ(ストラスブール=FRA)やファマラ・ディエディウ(アランヤスポル=TUR)もオプションとして考えられる。

エントリーメンバー予想

GK エドゥアール・メンディ
GK セニー・ディエング
GK アルフレッド・ゴミス
DF カリドゥ・クリバリ
DF アブドゥ・ディアロ
DF ムサ・ニアカテ
DF パペ・アブ・シセ
DF ユスフ・サバリ
DF ノア・ファディガ
DF フォルモーゼ・メンディ
DF フォデ・バロ・トゥーレ
DF イスマイル・ヤコブス
MF ナンパリス・メンディ
MF イスマエル・パテ・シス
MF パペ・マタル・サール
MF シェイク・クヤテ
MF イドリッサ・ゲイェ
MF パペ・ゲイェ
FW イスマイラ・サール
FW ニコラス・ジャクソン
FW サディオ・マネ
FW クレパン・ディアッタ
FW ブライェ・ディア
FW バンバ・ディエング
FW イリマン・エンディアイェ
FW ハビブ・ディアロ

 





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