The Sceaming Port

これはAFKアリーナ公式FBに掲載されているSS「The Sceaming Port」の翻訳です。
原文は以下からご確認ください。
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2021/05/06 15:36追記

「Sirens」パートの「水陸両棲種はアナイの祝福を」の部分につき、原文は「are blessed by Aiya]であり、 アナイ(Annih)ではなかったため、修正いたします。

失礼いたしました。

2021/05/06 15:48 追記

上記の件につき「Aiya」は中国語版でのデューラのことである旨の情報を頂きましたので、そのように修正しました。


The Screaming Port
悲鳴の港

現在は「廃棄された港(Map9)」と呼ばれている荒れ果てた船港は、かつて悲鳴の入江と呼ばれていた。
初期のバンティス帝国治下において、悲鳴の入江は世界中の商人が品々を売るために集まる、繁栄した商業中継地であった。
しかし、帝国が周囲の多くの国々と敵対すると港は外部から閉ざされるようになり、最終的には敵国船による侵攻へ備える防衛軍の設置を除いては、顧みられなくなった。

バンティス帝国が不死者たちの国となるとその呪いは廃港にもかかったかのようで、遂にはその水域に生あるものは存在しなくなった。
(その港へ)敢えて近づいた船は、巨大な嵐によって難破したり霧に包まれたりして、二度と帰ってくることはなかった。
軽率な船乗りや海賊たちの遺体は一つ、また一つと放棄された桟橋へと打ち上げられたが、それらはクエーダム卿(※訳者註:グレボの始祖)自身の手によって復活させられ、彼の不死者軍第一陣の一員とされる他なかった。


7.1 The Dead Tide(「死の潮」」)


「死の潮」艦隊の司令官であるホジキンは、その生あった頃は悪名高く命知らずな海賊であった。
蛮勇家で向こう見ず、そして強欲だった彼は、かつてグレイヴボーンが大事にしていた魂を盗み出すために、悲鳴の入江に侵入した。
呪われた海域に侵入した他の多くの船の末路同様、ホジキンの船も停泊する前に沈没し、ホジキンと船員たちは水底へと引き込まれ、その命を落とした。

しかしホジキンの豪胆さはクエーダム卿の興味を惹いた。彼は「行き詰まった」船長とその船員たちを蘇らせ、船を与えた。
骨により形作られたその船に、ホジキンは「聖なる不壊の方舟/聖餐の方舟(the Sacral Ark)」と名付けた。
(訳者註:sacralには「仙骨の」という意味があり、仙骨の語源である「生贄に捧げられた」や「壊れることのない」という意味と「聖式の」という皮肉が掛け合わされたネーミングと思われる)


ホジキンはすぐさま、この新しい船を旗艦とした強力な軍を編成してクエーダム卿に捧げた。
クエーダム卿もまた、悲鳴の入江で溺れ死んだ船乗りたちを生き返らせ続けた。
その中には名の知られた海賊ナーラと彼女の船「スピリット号」の姿もあった。
「死の潮」艦隊が出撃する時はいつでも、怖気走るような緑色の死の霧に包まれている。


7.2 The Sirens(セイレーン)


セイレーンとは恐らく、その昔に滅んだ水陸両用種がグレイヴボーン化したものであろう。
訳者註:「水陸両棲種」の原文はamphibious speciesであり、一般に両生類と訳される。しかし解禁されたセイレーンのビジュアルがいわゆるマーメイド型人魚に近い造形であるため、このように訳した)
多くの人はその実在を信じておらず、単なる伝説であると思っている。
というのも、多くの水陸両棲種はデューラの祝福を受けており、死霊術によって縛ることができないためである。
セイレーンは他の多くの海棲生物と同様の特徴を持っているばかりか、独自の魔法にも精通しており、濃い霧を喚び寄せて船乗りを混乱させたり、精神を崩壊させることのできる恐ろしげな叫び声を上げることができる。
精神崩壊を受けた船乗りは自ら海に身を投げ、セイレーンの餌食となる。
セイレーン伝説を信じている熟練の船乗りの中には、航海中に霧に出会すと、牛や羊といった生贄を捧げようとする。
彼らの望みはセイレーンの食欲を満たし、無事に通り抜けられることである。
そうしたセイレーンたちはいまや、「死の潮」艦隊に付き添っている。戦争が新鮮な「肉」を齎すことを知ったからだ。


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