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【第8回】今日、何ひろう?~新しい知覚のフレーム~ コラム:高知

第一章 世界の拾い方

第二節 自分の切り分け方(見えているもの・感じるもの)

1.高地にあるアフォーダンス

22年の7月、高知県に行きました。室戸岬、仁淀川、四万十川...人のいない大自然を巡り、夜には天の川や流れ星を楽しみました。

高層ビルや一面を埋め尽くす人が行き交う都心と異なり、高知県は開かれた視界とその奥に山がそびえたっていました。それはまさしく、ミーディアム・サブスタンス・サーフェイスだけで世界が構成されていることを実感させてくれるものでした。

喧騒的な都会とも異なり、沖縄のようなザ・観光地とも異なり、手を付けられていない自然の中で時間がゆっくりと流れるのが高知の良い所で、多くのアフォーダンスを得ることが出来ました。

2.知覚システム

情報過多の都心では、無意識のうちにピックアップしている情報量が非常に多く、100個のサブスタンスやサーフェイスから1000個の情報をピックアップするような日々が当たり前のように続きます。

一方で、物理的にモノ・人の少ない高知では、10個から1000個の情報をピックアップ出来、都心ではピックアップできない繊細な情報を得ることができる感覚があります。

それが、知覚システムが研ぎ澄まされる感覚・自然と一体になる心地よさを感じさせてくれます。

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3.遮蔽

室戸岬で見た星空は別格でした。絶景に圧倒されるだけでなく、星空で遮蔽を感じることもできました。

今までの生活では、夜空をみてその大きさや広さを感じることが出来ても、夜空に舞う星々の奥行(遮蔽)を感じることは、普段の生活ではあまりできず、暗くて平面に見えていました。

その感覚が高知では覆され、頭上を横断する天の川や、その左右前後に瞬く星を見ることができ、さらにそこを横断する流れ星を観測することができました。何億キロ~それ以上遠い距離で星と星が重なり合い、遮蔽していると分かったのです。

これは、人工的な明かりのない高知では、あたり一面を覆いつくす星の輝きが光を充満させ、その光が私たちに遮蔽を感じさせたのだと思います。夜にも関わらず、です。

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室戸岬付近から見える夕日

夜だけでなく昼間もそうです。遮るもののない高知では光の充満度が高く、木々や石ころ、波の揺らぎ等多くの遮蔽やレイアウトを発見することができます。

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