
プロボノ奮闘記(Shared Digital Centerさん)〜Vol.1〜
こんにちは。AFCの川崎です。
今回は私が今取り組んでいるプロボノの奮闘記をお届けします。
概要
今回のプロボノは、難民の背景を持つ方々(以下、チューティー)が初めて現場に出て行うバックオフィス業務を管理者として支援するものです。
このプロボノを依頼いただいたShared Digital Center(以下、SDC)さんは、NPO やNGO、社会起業家の経営や業務の個別課題を多様な人材やデジタルツールを活用し解決する組織です。「多様な人材」の中には一人親や難民の背景を持つ方々も含まれ、そうした方々が柔軟に働ける機会の創出にも励まれています。
SDCさんが最終的なプロジェクトの責任者で、AFCは現場リーダーのような立ち位置です。具体的にはチューティーの女性二人に対し、AFCメンバーが二人体制で支援します。チューティーが実施する業務は「納税」「仕訳記帳」「振込」の3つです。
今回のプロボノは、AFCでもあまり経験のない内容になっています。
現在の状況
今回のプロボノは6ヶ月のプロジェクト、環境はフルリモートでの支援です。 初めの1ヶ月はAFCメンバーが実際の業務を理解、習得するための期間。 2ヶ月目にチューティーと顔合わせをし、具体的な業務のレクチャーに入りました。 現在3ヶ月目、お互いに“初めまして感“が抜けて、フランクに会話できるようになってきました。
苦悩
と、ここまで淡々とご説明しましたが言うは易し行うは難し。
完全リモートの環境で仕事を教えるのは、ご経験のある方はお分かりと思いますが、骨の折れる作業です。画面越しに相手の理解度を推測るのは至難の業ですし、第一こちらもうまく説明できている手応えがない。ましてチューティーの中には基本的なGoogleアカウントのログインや、利用するツールの区別(Slackなのか、Notionなのか、e-taxなのか、elTaxなのか)も曖昧な方もいる状態、、。なんとか「振込」作業を一通り完了させることができるようになりましたが、正直2ヶ月目が終わった時の私は心が折れそうになっていました。(笑)
転機
そんな中、2ヶ月目終盤にSDCのご担当者さんとの進捗のミーティングがあり、現場の状況をありのままにお伝えしました。SDCのご担当者さんはチューティーが現場に出る前に教育係をされていただけあって、こちらの状況をよく理解してくださいました。そこで、実務のペースを少し落として、一般的な業務(Zoomの会議設定、議事録をとる等)の習得や学習の時間を増やしてみることになりました。今回のプロジェクトの本来の目的は「難民の背景を持つ方々が柔軟に働ける力をつける」こと。そこには一般的なスキルも当然含まれます。
SDCさんとしても今回のチューティーたちがいわば一期生で、長い準備期間を経てやっと始まったばかりのプロジェクトです。お互いに未経験の領域であるからこそ、柔軟に、より効果のあるやり方を模索できることが、今回のプロボノの大変さでもあり楽しさであると感じています。
また、チューティーたちにも少しずつ変化がありました。質問の内容がより具体的な内容になったり、チューティーどうしで教え合うケースも出てきて、彼女たちの成長を感じることができるようになりました。
プロボノのマインドセット
会計士がそんなことやって意味あるの?と思った方もいるかもしれません。確かにAFCでプロボノというと決算や会計アドバイザリーなど、会計にまつわる支援がメインですが、もう一歩引いて「社会のために」という視点で見たときにはきっと私が今やっていることも何かの役に立っていると思います。むしろ今回は支援対象が目の前にいるチューティーたちなので、本業ではなかなかお目にかかれない、目の前に自分のサービスの受益者がいるという、稀有な機会をいただいていると捉えることもできます。ですから彼女たちが一つでもできることが増えるなら、それが納税業務であろうがZoomの会議設定であろうが、きっと社会の役に立っていると思えるのです。
自己紹介
改めて川崎と申します。
2020年に監査法人に入社して以来、国内の監査業務に従事してきました。
NPOなどの非営利団体の活動に興味を持ち、まずはボランティアという形で関わりたいと思い、2024年4月にAFCに入会しました。
さてこの奮闘記、実はもう少し続きます。
次回は4ヶ月目の支援状況と、そのとき私が書きたい何かです。お楽しみに!
興味を持ってくださった会計士の方へ
まずはAFC にお気軽に連絡いただき、ソーシャルセクターとのかかわり方を一緒に模索していければと思います。
ホームページよりご連絡ください!
http://www.accountability4change.com/