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自転車が速くなるための僕の秘策
これは私の息子の物語だ。
*
中学生になった僕は遊びに行く範囲も広くなった。
今日は友達と少し遠出して山の裏手の溜池に釣りに行く日だ。
池から自転車で50分ほどかかる。
少し遠くてだるいなと僕は思った。
早くつける方法はないかな。
そうだ。もっと自転車のスピードを速くすればいいんだ。
そう思った僕はいいことを思いついた。
僕は自転車のタイヤの空気を前も後ろもパンパンになるまでいれた。
これで30分くらいでつけるかもしれない。
さあ、準備万端だ。
自転車にまたがり、僕は必死にこいでいく。
いつもより軽やかな走りに満足した。
おれって天才。
風を切って走るのはとても気持ち良かった。
そんな気持ちいいのも束の間で
僕はアスファルトの穴ぽこの上を勢いよく駆け抜けた。
しまった。
後悔しても遅かった。
タイヤは一瞬で空気がなくなり、走れなくなってしまった。
自転車のタイヤに空気を入れ過ぎたら
ダメだってことを知った悲しい一日となった。
母からも追い打ちをかけられる。
風船だって空気入れ過ぎたら割れるでしょ!
自分の子どもが生まれたら最初に教えてあげようと思った。