弊社CEO岩佐がWRC-23(2023年世界無線通信会議)に参加し、ITU(国際電気通信連合)の取材でワイヤレス電力伝送システムの重要性を訴えてきました
今回、弊社CEO岩佐・CTO田邉・永田(標準化の推進担当)・PM加藤木がドバイで行われたITU主催の WRC-23というカンファレンスに参加してきました。
ITU?WRC-23?って何ぞや
ITU(国際電気通信連合)とは、主に電気通信の良好な運用により社会的発展を円滑にする目的を持って設立された国連の専門機関の一つです。
このITUが主催しているWRC-23(2023年世界無線通信会議)は周波数の利用方法等に対して無線通信規則の改正を行うことを目的としたカンファレンスです。
ワイヤレス給電技術を利用した事業を主軸としているエイターリンクにとっては、大変重要なカンファレンスなわけです。
WRC-23のためにドバイまで行った理由
さて、今回ITU主催のWRC-23に参加した意図は、「ワイヤレス給電のルールを世界で作るため」です。
世界でもワイヤレス給電自体は使えますが、各国で微妙に周波数が違ったりします。そのルールを統一的なものにするために、今回ITUのワイヤレス電力送電システムにおいて、各国に対し強制力のある「RR(無線通信規則)の改正」を目指しています。
例えばエイターリンクのワイヤレス電力送電システム「AirPlug™」で利用している通信規格が920MHzなのに対し、欧州では広く860MHz帯が使用できる周波数帯です。さらに言えば、欧州各国でも使用できる周波数帯は違います。
また、センサーやカメラなどの制御・IOT機器をワイヤレス電力送電システムで給電することが可能な規格帯も国によって異なります。
今後、エイターリンクが事業を世界に拡大していくためには、統一の通信規格を作る必要があります。
振り返れば、創業当時は日本国内でワイヤレス給電は法律上使用することができませんでした。そこで総務省との交渉や外部団体でリードも積極的に進め、電波法総務省令の改正を行った結果、2022年5月にルール改正が完了しました。
おかげで、急な法改定でワイヤレス電力送電システムが利用できなくなるリスクがなくなりました。また法規制に沿ったワイヤレス給電技術ができるため、クライアントの信用が得られ先々月10月は1億円近くの受注を頂くなど、法令改正によるメリットを受け始めております。
そこで、エイターリンクが日本国内の法令改正に成功したのと同様に、現在エイターリンクが利用している920MHz帯でのマイクロ波給電で制御・IOT機器を各国利用できるようITU側に訴えかけるという目的があり、WRC-23に参加しました。
ITUのインタビューを公式YouTubeチャンネルに公開しましたので、ぜひご視聴ください。
WRC-23参加への道のり
今回、WRC-23に参加しましたが、ここまでの道のりもなかなか大変でした。
ITU WRC-23への提案はアジア地域から行っていますが、日本政府の提案内容を作り、それをアジアのすべての国から承認をもらい、やっとのことでWRCへの提案にこぎつけました。
WPTの認知の低さに愕然とした
ただ、WRC-23に参加して感じたことが、まだまだマイクロ波ワイヤレス給電システムの認知が低いということでした。
現状はワイヤレス電力伝送システム技術に反対している国もあり、フィードバックを頂き、RR改正をするためのロジックを組みなおし一カ国ずつ丁寧に交渉をしている状況です。
ちなみに、岩佐が滞在している間に50カ国以上の政府との交渉を行い、関係性も築いてきました。
立ちはだかる大きな壁
上記のように、エイターリンクはうまくいっていることもたくさんある一方で、事業拡大においてまだまだ大きい壁があります。
海外進出しかり、国内での事業拡大するうえでまだまだリソースも人材も足りていません。
だからエイターリンクは一緒に困難を共に目の前の壁を乗り越えていく仲間を募集してます。
目の前の壁を楽しめる人はぜひ弊社に応募してみてください。
-採用情報-
エイターリンクでは、一緒に働く方を募集しています!少しでもご興味をお持ちいただいた方は、ぜひ以下ページも覗いてみてください。
エイターリンク公式採用ページ
おまけ
ドバイで行われたWRC-23の様子をご覧ください。