久保敬さんのお話を聞いてきました
隆祥館書店での「作家さんとの集い」イベントに参加しました。ゲストは久保敬さん。『フツーの校長、市長に直訴!』を上梓された大阪市立木川南小学校の元校長先生です。
久保先生は、コロナ感染拡大防止のため全面オンライン学習の実施を指示した松井大阪市長に「提言書」を送付したことで、その名が全国に知られるようになりました。
昨年、SNS上でその内容を目にして「その通りだ」と心打たれ、文書訓告処分を受けたと聞いて、何かできる事があればと思いながら、まだ久保先生の本も未読のままでした。今日はいい機会だと思い、駆け付けた次第です。
提言書送付の後、久保先生の取材を続け、何度も記事を書かれている朝日新聞社会部記者・宮崎亮さんが聞き手となって、久保先生が話される会でしたが、とにかく優しくて気さくで明るいお人柄で、笑いもたくさん、書き留めておきたいような言葉もたくさん、あっという間の2時間でした。
久保先生の教え子のひとり、お笑い芸人の濱家さんから、上梓のお祝いのビデオメッセージが流れるひとこまも。久保さんが、校長先生になる前の教師時代の様子が感じられるような温かいメッセージでした。
あくまで子どもたちのことを思い、現場の先生のことを思って、また大阪の教育に誇りを持ち、未来の子どもたちをどう育てていくかを思ったからこそ書かれた「提言書」です。
~~~子どもたちには、「たとえ自分一人の意見だったとしても、おかしいと思ったことは『おかしい』と言う勇気をもとう」と言っておきながら、自分はどうなのか~~~
自分一人が声をあげても変らないのではないかと思ってしまう自分がいたけれど、何も行動しないまま定年を迎えたら、きっと後悔する。そう考えて出した提言書だったのだとお話されました。
今は定年退職されていますが、さまざまなところで講演をされたり、写真で掲げておられるような「アート」作品で個展をされたりして、積極的に発信を続けている久保さん。5月3日の表現市でもお話していただけないかと思いました。
写真の黄色い絵は、”なんで私が東大に?”でおなじみの四谷学院のコマーシャルをもじって、
”なんで私が文書訓告に?”~本当のことを言っただけで処分されてしまいました~進化させる競争主義教育 大阪維新学院~
と風刺がきいています(笑)
『フツーの校長、市長に直訴!』を読むと、大阪の教育行政がどれだけめちゃくちゃで、トップダウンですべてが決まるものなのか、よくわかります。オンライン学習をめぐる混乱で、現場がどれほど大変だったか、子どもたちや保護者がどれほど我慢したか、読むだけで血圧があがりそうでした。
また、久保先生の教員時代のエピソードもたくさん載っていて、ホロッとしたり考えさせられたりします。教育関係者の方に特に読んでもらいたいと思いました。
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