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猫コロナウイルスかも…

我が家には黒猫が2匹います。3年前にうちの子になった片目の男の子と、つい数か月前にやってきた小さな女の子。どちらもいわゆる保護猫で、我が家がはじめての「ずっとのおうち」、兄と妹としてようやく互いの存在に慣れて、仲良く暮らし始めた先日、妹猫ドリーちゃんの体調が悪くなりました。

元気で活発で、食欲の権化のようなドリーちゃん。朝ご飯を用意しても食べません。猫用ベッドでぐったりとしています。ちょっと吐いた跡もあるので、午前中に動物病院に連れていきました。

以前、ドリーちゃんはトイレの砂を食べてしまって、青く変色した紙砂を吐いてびっくりさせられたことがありました。それで、紙製の砂をオカラの砂に変えました。オカラは、たとえ食べても腸の中で溶けやすいときいたからですが、こっそり食べたオカラが腸のどこかに詰まって具合が悪くなっているようです。

病院で点滴を受け、胃腸を動かす薬を注射してもらったら、元気を取り戻したドリーちゃん。「オカラは、自力で排泄されますよ」と言われたので、トイレの様子を見ることにしたわけです。

それが1週間前のこと。回復したように見えたドリーちゃんは、半日もたたないうちに、またぐったりとして、その後病院に3度通うことになります。
エコー検査の結果、「これは異物ではないようですね」「めったに見ない画像だ」とお医者さん。異物がつまっているなら、食べ物の通り道の部分に何かがあるような画像になるはずです。ところが、ドリーちゃんの腸は、腸壁が腫れて食べ物が消化されていく部分を圧迫しているようなのです。

「まだ一歳にならない猫なので、ガンとは判断しにくいのですが、腫瘍の可能性があります。細胞を針で取ったので、専門のところに病理診断に出しますね」
「もうひとつの可能性は、コロナウイルスが変異した腹膜炎です」

コロナですか!?とびっくりして、調べてみました。まず、現在ヒトの間で被害が広がっている新型コロナウイルスと、猫コロナウイルスは違うものでした。ヒトに感染するものはいわゆる風邪のウイルスから、新型コロナまで7種類ほどが知られています。動物は、イヌ、ネコ、ウシなどの家畜や、コウモリ、スズメなど野生の生き物まで、固有のコロナウイルスに感染して、いろいろな病気になるそうです。「種の壁を越えて感染することは少ない」と書かれていました。

猫コロナウイルスは、感染してもほとんど症状を示さないウイルスですが、まれに体内で変異をおこして「猫伝染性腹膜炎」を発症します。幼猫に発症することが多いそうで、無害だったウイルスが体内で強毒化するという突然変異型。

食欲がなくなる。元気がなくなる。どんどん弱っていく。症状はまさにドリーちゃんにあてはまります。致死率ほぼ100%という資料もあり、ショックを受けましたが、まだ診断が確定したわけではありません。

ガンにしても、猫伝染性腹膜炎にしても、予後はよくありません。でも、まだそうと決まったわけではありませんし、きっとまた元気になるという希望を持って、信頼する医師に治療をお願いするつもりです。

「ぜったい、ぜったい、治してあげるからね」と声をかけて、今日も薬入りの餌をシリンジで食べさせました。ドリーちゃん、やっと「ずっとのおうち」に住んで、先住猫のお兄ちゃんと仲良くなって、楽しく暮らしていたのに。幸せな時間がまだまだたくさんあるはずだったのに。もう一度、しなやかな長いしっぽをゆらして元気に走り回れるように、一歩ずつ、ちょっとずつ、回復していこう。我が家に縁を結んだ小さな命をあきらめません。



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