メキシコの国際女性デーのプロテストに参加した日
こんにちは。aetabiです。
昨日、2024年3月8日は国際女性デーでした。
これまで住んでいた日本やカナダでは、女性の権利を訴え、男女平等社会を目指しながら女性の社会の活躍をお祝いする日という認識でいました。
昨年9月にメキシコのティファナに移住して以来、今年はこの日をメキシコで迎えました。
メキシコにとっての国際女性デーとは?
メキシコでは、Día Internacional de la Mujerと呼ばれ、この日は女性の人権問題に対して社会に訴えかける日です。特に若い10代後半から20代の女性たちが街にプラカードを持ち出し、マーチを行い、悲痛な叫びをあげます。メキシコでは、毎日11人以上が暴力で命を落としており、そのほとんどがパートナーや身近な男性からのものです。さらに、女性が性被害に遭う頻度は18秒に1回というデータもありますが、そのうち90%は家庭内で発生しており、報告される割合は1%にも満たないとされています。したがって、実際の被害は公表されているデータよりも遥かに深刻であると考えられます。
メキシコでは、Machista(マチスタ)と呼ばれる男性優越主義や男性中心主義の考え方が根強く残っており、これが女性に対する軽蔑的な態度や女性差別と結びついています。この考え方は、性別に基づく不平等や偏見を肯定し、性別平等を阻害する一因とされています。
メキシコの知人によれば、こうしたマチスタの考え方が男性が感情を表に出すことを恥じ、その鬱憤が女性に対する暴力という形で爆発していると話していました。
実際にどのように当日を過ごしたか?
まず朝にボランティア活動で関わる団体(Casa Del Migrante)が主催するイベントに参加しました。そこでは、各女性が自らのアイデンティティを述べる機会がありました。「私はaetabi、冒険好きな女性です」といった具体的な表現を通して、女性としてのアイデンティティや、個々の人間性を共有しました。その後、性差別のない社会を築くために声を上げる重要性や、国際女性デーの意義についてスピーチがありました。最後には、「私たちは共に歩む」というメッセージが込められた横断幕とともに、各国の国旗やその日に対する思いを綴りました。
昼になると、ボランティア団体の仲間と共に街に出て、午前のイベントで作成した横断幕を持って、マーチとして街を練り歩きました。多くの同世代の女性が集まり、プラカードに訴えを記し、大声で叫びながら街を歩きました。集会では、この日のためを思って作られた Cansion sin miedo (恐れ知らずの歌)みんなで合唱し、最後には、想いを込めたプラカードを燃やし、その思いを天に届けました。
実際に参加しての感想。
私自身がこれまで経験してきた性別による偏見や固定観念に気付かされました。また、メキシコにおける女性への暴力の現実や、それに対する意識の高まりに触れ、メキシコで生活していくとはどういう社会問題と向き合っていくことなのか?身をもって感じさせられました。そして、積極的に行動していこうという決意を新たにしました。また、多くの同世代の女性と一緒に集会に参加できたことは、日本では若い女性が一緒に声を上げる機会がないことがあり、自分自身で女性だから。若いから。。等、制限を勝手に決めていたことに気づくきっかけになりました。
世の中の不条理はたくさんあり、個々の力ではなかなか変えられないことも多くあります。しかし、団体で行動することで希望を持ち続けることができます。1つすごく印象的だったのは、1日を通して、男性のイベントの参加はほぼ見受けられなかった事です。イベント自体、女性による、女性のためのものだったようですが、女性に優しい社会を実現するためには、女性だけでなく男性も巻き込んで議論を続ける必要があると感じました。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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