国立劇場建て替えに危険信号[ニュース拾い読み]
10月末で閉場する国立劇場と国立演芸場の建て替えについて、令和11年予定の新規会場が危ぶまれてきたのではないかというニュース。
「初代国立劇場さよなら特別公演」で歌舞伎の不人気が目立つのはともかく(歌舞伎は近くに歌舞伎座がありますからね)、建て替えの請負業者を決める入札に、1社も応じず、2度目の入札でも落札に至らなかったのだそうです。
この建て替え計画は、PFI(民間資金を用いた社会資本整備)を活用して行われるもので、上層階にはホテルやレストランが併設される計画。
ところが、落札価額の調整が整わなかったそうです。
原因は「数年来の人件費や建設資材の高騰」ということですが、そのあたりの調整が難しいのが、入札のシステムなのかもしれません。
記事では、「大阪万博のパビリオン建設入札と酷似」と指摘していますが、東京ではタワマンがバンバン建設されているわけで、「数年来の人件費や建設資材の高騰」だけに責任を負わせても解決はしないのではないでしょうか。
民間を入れる契約の“縛り”に魅力がないから、なるべくしてなったような経過≠結果なのではないかと推測しますが、いずれにしても“場”がなければパフォーマンスの文化は育たないわけですから、関係者のご尽力を期待しています。