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凍てついた鯨

ここは、古い町並みがある場所。日本のオホーツク。

鯨に逢える街。
アイヌの人も近く、、北海道独自の文化がある。明治に入植してきた人達。初代征夷大将軍に付いてきて土着になった人達。うちの先祖は2代目征夷大将軍に付いてきた家柄だ。
だから、北海道では名の知れた苗字だ。
「それ、妹の面倒はみんしやったか?」と、祖母が言う。
「ばーちゃん、そがい俺の仕事ぜ?」と、聞くと「おまん、仕事っちゃ。無駄飯食いはおらんちゃ」と、ほうきの柄で
頭を思い切り叩かれた。
もう、嫌だ。
妹は3つ子だ。
長男だからと、、学校にも行けない。先生が来ても皆が追い返す。
「もう、この家おらんちゃ」
「馬鹿だ。どこさ、行くだ」と、ばあちゃんが呆れてキセルを吸う。
ばあちゃんはニワトリを育てていて、その卵で、キセル代を稼いでいる。
「もう、おらんちゃ!」と、僕は言うと。家からオホーツクの海に向かった。着物のはだけた胸元には、、冊子がある。たまたま、道に迷った西洋人から聞いた呪いだ。
僕は、、そこらに落ちてて頑丈そうな棒きれで、術式を書く。書くのは初めてだ。習ったとおりに書いてゆく。
そして、文字や魔法陣が一面に広がる砂浜に、、あの時貰ったザトウクジラの歯を置く。呪いには、本物が要ると教わった。鯨を好きだと言ったら、、首から下げてるガラス瓶から、、中身を開けて、、その中から、鯨の歯を2つくれた。鯨の歯はひとつずつ、使う。行きにひとつ。帰り道にもうひとつ。僕は帰り道なんか要らないと思って2つ、魔法陣に供えようとしたけど、
あの、エギリス人が、、人の気持ちは変わる。絶対1つずつだ。
と、言った約束を忘れていなかった。

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