【雑記】政治家の皆さん、肉の殻を捨ててバーチャルyoutuberになってみませんか?
先日、スマホアプリがあるニュースを伝えてきた。
先日行われた、衆院東京15区、島根1区、長崎3区の補欠選挙についてのニュースだ。
様々なネットニュースが報じたのは、選挙の投票率の低さだ。衆議院東京15区の選挙の投票率は、過去最低になったという。
タイトルでオチている感はあるが、今回のnoteでは政治オンチなりに、ジョークや思考実験をするような気持ちで、なぜ投票率が下がったのか、そして投票率を上げるにはどうしたらいいのかを考え、文章に起こしてみた。
言ってしまえばこれは政治オンチの妄言である。「こんな世界が実現したら面白いだろうね~」ぐらいの気楽な心構えで読んでほしい。
◆政治を変えなくても、とりあえず生きていける世の中
「政治家に対する信用が失墜しきっているので、『投票が政治を変える』という希望を持てない」など投票率が低い理由は無数に考えられるが、自分が常に思っているのは「政治は面白くないから、政治に興味を持った一部の『政治オタク』しか投票に行かない」という理由だ。
テレビでもネットでも多くの人が「あなたの一票で政治は変わる。だから投票に行こう」という旨のことを言っているが、その一票を投じるには、今の日本の情勢や政治家たちの掲げるマニフェストを知る必要がある。それには時間を割かなければいけない。
成人して就職すれば、可処分時間は貴重なものとなるし、それはできれば各人の趣味に費やしたいと思うのが普通だろう。貴重な可処分時間を「おべんきょう」に割きたくないと思う人が一定層いてもおかしくない。
「いや、だから投票に行って自分の意志を国に示さなきゃ、国家運営が一部の政治家・政治団体に好きにされてどんどんダメになるんだって!」と思う読者も大勢いるかも知れない。だが、幸か不幸か、今の日本は様々な識者に「ダメになっている!」と言われつつも、それなりに生きていける環境にある。徒歩数分圏内にコンビニや100円ショップがあって衣食には困らないし、病気になればすぐ医者にかかれるし、戦争も起こっていない。不便は多少あれど、なんとなく生きていけてしまうのだ。
こんな環境下で「投票に行こう!」と口うるさく言われて、「そうだね!この国を少しでも良くするために、政治についてお勉強して投票しよう!」と思える人が何人いるだろうか。「いや、特に今の環境を変えなくても生きていけるよ。それに、政治家なんてみんな一緒でしょ?」と考え、多少の不便を飲み込み、惰性と直感で投票を終え、可処分時間を得たいと思ってしまう人も大勢いるだろう。
「いや、僕の/私のタイムラインにはそんな意識低いやつはいない!お前とお前の周囲が政治に関して意識低いだけ!」と思った読者も多いだろうが、それはあなたのタイムライン構築が上手なだけである。世間の男性に、女性たちがとなえる痴漢や「ぶつかりおじさん」の恐怖が見えていないように、あなたの見ているタイムラインの外側、例えば「爆サイ」とか「ガールズちゃんねる」とかインスタグラムやティックトックには、我々の見ている世界とは交わらない、政治に対して意識の低い人々が確実に存在している。
彼ら/彼女らを政治の世界に引き出すには、「全国の『佐藤』性を皆殺しにする」とか、「明日から消費税を100%にする」ぐらいの暴政が敷かれなければ無理だろう。
これが僕の考える投票率が上がらない理由だ。
◆政治参加の入口を広げる試みが必要
先程、要約すると「政治がつまらないから投票しようという気が起きない」と書いたが、ならば「政治をおもしろく」してやればいいのだ。こうした、政治を単純明快化して大衆を引き込む手法が「劇場型」と揶揄されて久しいが、「政治オタク」以外の層を引き込むには、この方法しかないと思う。
というわけで、世の政治家たちよ、バーチャル美少女youtuberになってみないか。
あるいは政党ごとにお抱えのVtuberを作ってみないか。
今の世の中、バーチャルyoutuberのパワーは凄まじい。例を上げれば、バーチャルYouTuber事務所「ホロライブプロダクション」で現在最もチャンネル登録者数が多いVtuber「がうる・ぐら」のチャンネル登録者数は445万人、投稿した動画の総再生回数3億9015万回と凄まじい記録を叩き出しているし、今年3月22日に発表された、Vtuber「星街すいせい」の手掛けた楽曲「ビビデバ」が、約一ヶ月で約2700万回再生というとんでもない数字を記録したことは記憶に新しい。
このパワーを利用しない手はないだろう。
仮にこのアイデアが成ったとしたら、話題性が生まれるのは言わずもがなだ。そして、このアイデアには2つの大きなメリットがある。
第1に、Vtuberには華がある。突然だが、画面の前のあなたは「国会に出席している政治家の名前を10人挙げてください」と言われて挙げられるだろうか?答えは「無理」だろう。現在テレビに出てくるような政治家はおしなべて、画一化されたスーツに脂ぎって皺の寄った顔と枯れた声帯の老爺ばかり。応援する以前に誰が誰やらわからないし、外見的に惹かれる要素がない。
だが、バーチャル美少女受肉(バ美肉)すればその問題がクリアされる。老いる事なき永遠の美少女の「ガワ」を纏うことでテレビの前の皆様に覚えてもらうことができるし、澄んで美しい声はそれだけで人々を惹きつけるだろう。画面の前の皆さんも、政治家の名前は挙げられなくてもVtuberなら10人、簡単に挙げられるはずだ。
このアイデアを発想するきっかけのひとつになったのが、今年4月のエイプリルフールに行われた、ホロライブ3期生「兎田ぺこら」の母親、通称「ぺこらママ」がL2Dの「ガワ」を被って生放送デビューする、というエイプリルフール企画だ。
ぺこらママは娘のぺこらとは違い、Vtuberの世界とは無縁の一般人である。それが現在ホロライブ内でチャンネル登録者数第3位のぺこらの知名度によるブーストと、配信中のぺこらのサポートがあったとはいえ、ホロライブ最大級の最大18万人同時接続という記録を叩き出したのだ。
また、ぺこらママ以前から「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」ことねこます氏を開祖とする「バ美肉vtuber」が一大ジャンルとなっていることも忘れてはならない。
彼ら(彼女ら?)は配信者としての能力や人間としての魅力があってこそだが、声は男性のままであるにも関わらず(ボイチェンで女性声にしている人もいるが)多いところでは6桁単位のチャンネル登録者数を獲得している。
これらの事実から、いかに美少女というガワが人を集める強力なバフになるかということがわかると思う。
また、先んじて若者たちの心をVtuberによって掴むことには大きなメリットがある。
現在の日本の政治は「シルバー民主主義」と揶揄されるほどに高齢者層を優遇していることは有名だ。だが、残酷なことを言うが、現在の政治が優遇する「老いた有権者」たちは後10年か20年もすれば死ぬ。その時日本に残るのは、幼い頃からネット文化に親しんできたかつての若者たちだ。
必ず訪れる「老いた有権者の死」がやってきた時、勝つのはそうしたかつての若者たちの支持を受けた政党だ。Vtuberは、若者の支持を得る強力な武器となるだろう。
知名度に関する問題も、クリアできると考えている。
先ほどVtuberの躍進について書いたが、現在生き残り光を浴びるVtuberたちの下には、無数の「先達のようなビッグなVtuberになろうとしたが、マーケティングに失敗し死んでいった無数のVtuberたちの屍」が転がっている。素晴らしい「中の人」と「ガワ」を揃えたとしても、マーケティングに失敗すれば爆死して終わりだ。
だが、政治家にはマネーがある。そのマネーパワーで、Vtuber界の二大巨頭であるホロライブ・にじさんじとコラボを取り付ければ知名度問題は即座に解消されるだろう。
えっ?「お前、エイジズムとルッキズムをこじらせすぎじゃねーか!」って?そんなことは承知の上です。
誤解なきように言っておくと、僕もエイジズム・ルッキズムは悪しきものだとは考えている。だが同時に、人間が人や物を認識する際、最初に入ってくる情報は視覚的なものだということも事実だ。「人間にとっては、外見は高校野球でいうところの地区予選みたいなもの。内面こそが甲子園」という名言があるように、いくら優れた内面的な魅力を持っていようと、外見が伴っていなければ気づいてもらえないのだ。
様々な手段を用いた「バ美肉」は、「外見」という努力では覆し難い個性を均一化し、人間の内面に着目してもらうチャンスを増やす、令和の時代に差し込んだ希望の光であると僕は考えている。
◆「政党お抱えVtuber」の立ち回り方を考えてみる
このアイデアが仮に実現したとして、どう立ち回れば良いかも考えてみる。
まず、「世の政治家たちよ、バーチャル美少女youtuberになってみないか」と書いたが、政治家自身がバ美肉することは非現実的だと思う。老いた彼らはネット文化についてこれないだろうし、そもそも彼らの硬直した思想はバ美肉を受け入れないだろう。
だから、後者の政党ごとにお抱えのVtuberを作る、という方向性で考えてみる。
まず、政党お抱えVtuberは政治の話をする必要はないと思う。彼ら/彼女らは普通のVtuberらしく、ゲーム実況などで人気を集めることに徹するだけでいい。
投票の時期が近づいたら放送の最後に、1~2分ぐらい使って「投票よろしくお願いします!」という旨のことを言うだけで役割は果たせるだろう。
それだけで、彼ら/彼女らのリスナーは羊飼いに導かれる羊のごとく「◯◯くん/ちゃんのために投票に行こう!」と動いてくれるはずである。
政治の話?政党のマニフェスト?いいんだよそんなもん。むしろすべきではない。
政党お抱えVtuberの目的は「普段投票してくれている『政治オタク』以外の層に向けてリーチする」ことだ。下手に小難しい政治の話なんかすれば、リーチしたい人々は離れていってしまう。
やるにしても、海の向こうで一度は覇権を握ったドナルド・トランプに倣って政情を単純明快化することが必要だろう。
◆色々言ったけど
まあ無理だろうね。
老舗の政党はそんなことをしなくても客が取れるし、マイナー政党はVtuberの力を借りたとて老舗政党に太刀打ちできまい。政治をハックするのが大好きな立花某ならワンチャンやるかな…というか細いビジョンしか持てない。
まあ冒頭にも述べたとおり、このnoteはジョークや思考実験のようなものだ。筆者も真剣に「これが令和の政治を獲る必勝の策!!!!」とか考えてはいない。繰り返しになるが、これは「こんな世界が実現したら面白いだろうね~」という政治オンチの妄言である。
しかし、このアイデアが実現したら、政策の内容よりも各党お抱えのVtuberのかわいさが選挙を勝ち抜くキーポイントになって、各党がこぞってVtuberを抱え、かわいさを競う時代が来るのかもしれない。
うわ、何そのディストピアSF小説みたいな世界。見てみたいわ。
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