【学会誌】エキシマランプで洗浄
こんにちは。
『表面技術』2023年7月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。
今回読んだ記事のタイトルは「エキシマランプによる洗浄技術と応用事例」で著者はウシオ電機㈱の藤田さんです。
内容
エキシマランプを使った洗浄技術の解説記事です。
エキシマランプは誘電体バリア放電を利用した光源で、封入材の種類によって波長100nm~3mまで様々な光を作ることが出来ます。私の周りでは真空紫外光の光源として利用されることが多いように感じます。
洗浄・表面改質のメカニズム
真空紫外光(以下、VUV光)を発するエキシマランプでは、分子が光を吸収して起こる光化学反応と、酸素分子の解離励起により生成された活性酸素による酸化反応を利用して、材料の洗浄や表面改質ができます。
レーザクリーニングとも同じようなイメージで、(特に樹脂材料では)VUV光の照射量によって、「洗浄」「改質」「削る」の3つの作用を与えることが出来ます。
もちろん「削る」が最も照射エネルギーが多い条件です。
そして、「洗浄」は表面の汚染物だけを除去するために必要なエネルギーを狙って照射する必要があります。
用途
エキシマランプが使用される用途を箇条書きで書いておこうと思います。
半導体製造工程におけるレジスト塗布前のウェハ洗浄、エッチング後のレジスト残渣除去
フィルムの密着性向上
樹脂グレージング:シリコーン系ハードコート表面をSiO2化して硬度アップ
マット化:表面を荒らして光沢感を抑制する(高級感がでる)
エキシマランプは単波長に近い光源なので、狙った波長を選択できればかなり厳密な加工が出来る印象があります。
ただ、そういうのはカスタムでかなり効果になりそう…。売っているのは波長172nmのXeエキシマランプが多いという認識です(ウシオ電機のラインナップはこれメインっぽいですね。)
今日は以上です。