【学会誌】最新の粉体塗料
こんにちは。
『表面技術』2023年1月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったりやポイントだと思った部分をメモしておきたいと思います。
今回読んだ記事のタイトルは「粉体塗料の最新動向」で著者は大日本塗料㈱の津田さんです。
内容
粉体塗料の長所短所を説明した後、大日本塗料で開発している技術について解説されています。
「当社技術」と書かれていますが、商品紹介ではなく材質の特徴や塗膜の特性について説明しています。
メモ
粉体塗料の特徴
大きく分類して、樹脂、顔料、添加剤の3つから構成される
加熱により樹脂成分を溶融さたり、樹脂を架橋させるために、焼付工程が必ず含まれる ⇒ 被塗装材は、耐熱性のある材料に限定される
VOCが少ない等、環境や人体への影響が少ない
塗膜の機械的特性や耐食性・耐薬品性が良好
付着しなかった粉体塗料は回収できるため効率が良い(有効使用率95%以上)
焼付時の温度が高温で比較的使用エネルギーが大きい
塗装前に粘度や色調などの微調整ができない
薄膜仕上げができない
粉体塗料の種類
ポリエステル系:耐候性、機械的特性が良好
エポキシ樹脂系:設計自由度が高い。防錆性、耐薬品性、耐水性が良いが、耐候性が劣る
エポキシポリエステル系:エポキシ系とポリエステル系の中間の特性
フッ素樹脂系:長期耐候性に優れる。密着性、加工性に課題。
最新の粉体塗料
ボンディングメタリック粉体塗料:光輝顔料を含む粉体塗料
低コストだが、塗着に偏りあり
付着しなかった粉体を回収使用すると色調再現性が下がる。粉体塗料と顔料をまず合わせて作るため、その割合が変わってしまうと色を再現できない。
二層分離形粉体塗料(パウダーフロンSELA):加熱することで塗膜表面にクリアー層を形成する
模様粉体塗料:塗膜表面に凹凸を形成する
抑発泡性粉体塗料:特殊な添加剤で塗膜中の気泡同士を結合し大きくすることで抜けやすくする⇒発砲が抑制される
エッジカバー性粉体塗料:溶融粘度を高く設計し、角部でも膜厚を維持
高防錆性粉体塗料:ジンクリッチ粉体塗料。亜鉛粉末を配合して鉄に対する犠牲防食効果を持たせる。
抗菌粉体塗料
撥油性粉体塗料
今日は以上です。