【学会誌】室温ALD

こんにちは。
『表面技術』2023年3月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。

今回読んだ記事のタイトルは「室温原子層体積法」で著者は山形大学の廣瀬さんです。

内容

通常のALDは300~400℃の成膜温度が必要になりますが、本記事で紹介されている技術は室温でALDを行い、酸化膜を成膜することが出来ます。

具体的には、プラズマ発生部と反応容器を切り離す構造になっているようです。プラズマで発生させたOHラジカルを、反応容器に送り込むことで基板温度の上昇を抑制して、ALDを行います。

ポイント

  • OHラジカルはアルゴンとの希釈率と雰囲気圧力を適正化することで、1m程度の距離でも酸化反応に寄与する。

  • 全ての材料で室温ALDが使えるわけではない。

    • アミド構造を含む材料は室温ALDが可能な傾向(SiO2、TiO2、ZrO2が事例、HfO2は例外)

    • アルキルメタルは可能(Al2O3、SnO2、ZnOが事例)

  • 室温でも緻密な成膜が可能で、有機系基材などに用いるガスバリア膜としての応用に期待

今日は以上です。

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