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【学会誌】脱気水のプロセス応用技術

こんにちは。
表面技術協会の学会誌である『表面技術』2022年10月号は表面技術と水に関する特集が掲載されています。

今回の記事のタイトルは『中空糸脱気技術によるプロセス応用技術開発』で、著者は㈱東設の齊木さんという方です。

内容は㈱東設のHPと大きく変わらなかったのでメモ程度に残しておきたいと思います。

脱気システム

この記事で紹介されているのは、脱気した水をプロセス技術に応用した事例です。

通常の水はある程度空気が溶け混んでいます。
その空気を除去することで、様々な効果がありますよ、という話でした。

そして、水から空気を除去するシステムが脱気システムです。
東設の技術は、中空糸フィルタを使った減圧方式を採用しているようです。

㈱東設HPより引用

減圧で脱気するイメージはありますが、この中空糸のフィルタを使うことで、表面積を増やして脱気効率を上げる技術のようです。

その他の脱気技術

記事では紹介されていませんが、減圧方式以外にも、加熱沸騰脱気、超音波脱気、遠心脱気などの方式があるようです。

「脱気 水」で検索したら、東設の次に㈱カンジョーの超音波方式の技術が出てきました。

その他、いろいろな会社が見つかりましたが、減圧方式と超音波方式が多い印象です。

プロセス応用

東設のHPを見れば用途は書かれていますが、ここでは記事で記載されていた事例を箇条書きで書いておきたいと思います。

  • TSVの穴埋めめっき前の気泡抜き

  • 超音波洗浄の効果アップ

  • 微細腐食抑制による耐食性アップ

  • 粒度測定などの精度向上

  • 溶存酸素除去による酸化劣化抑制

  • 高粘度液体の脱気

感想

「水を脱気する」ということは、ありふれているような気がしますが、しっかり技術として確立されているのだろうな、ということが分かったのは収穫でした。

ウェットプロセスを扱っている身としては意識していかないといけない内容だと感じます。

ちなみに、無電解めっきだとある程度の溶存酸素は必要なものもありますが、脱気システムだとどのくらい制御できるんでしょうか。

除去するだけでなく、一定の濃度にコントロールすることが出来るのであれば、空気自身も浴の構成要素として扱えますし、「なぜが液を更新したら改善した」という現象も理解することができるのではないでしょうか。

今日は以上です。

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