【学会誌】めっき排水処理
こんにちは。
『表面技術』2023年8月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。
今回読んだ記事のタイトルは「めっき排水処理のポイント」で著者は日本ワコン㈱の和田さんです。
内容
めっき工程で排出される処理水や水洗水の排水処理方法に関する解説です。
様々なめっき種やめっき液に含まれる成分毎に排水処理のポイントが開設されています。
いろいろな排水処理
説明が多岐にわたるので、ここでは各節のタイトルと少しのメモだけ記載して、将来必要になった時にはこの文献を読み返せるようにしたいと思います。
重金属イオンの分離
pHを2以下に下げてkら目標の金属イオンの最適沈殿pH値に調整すると全体の処理が安定する
亜鉛を含む排水を処理する場合は見落としやすいアンモニウムイオン($${NH_{4}^{\;+}}$$)の
3価クロム化成処理排水の処理
錯体をけいっ精するために必要なキレート剤や塩類が多量に配合されている
3価クロム化成処理は従来法では対応しきれない
カルシウム円を作用させてCOD値を下げれば3日クロムや他の金属イオンも同時に除去できそう
添加剤のコバルト化合物が含まれていることがある
コバルトを含む3価クロム廃液は処理方法によっては経時変化で6価クロムに変化する
フッ素含有排水の処理
カルシウム成分と反応する物質が共存するため、カルシム処理しても目標濃度を達成できるとは限らない
空気中の二酸化炭素によってフッ化カルシウム中のフッ素は遊離するが、空気を遮断すればその傾向が抑制される
硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムを併用してフッ素排水処理を行う場合は、原水のフッ素濃度が低いほうが有利
水酸化カルシウムを用いたフッ素排水の処理では、水に難溶のCaF2を形成する化学反応が主体
硫酸軽海ニウムを用いる後段の処理では水酸化アルミニウムによる吸着作用が支配的
ホウ素含有排水の処理
ホウフッ素含有排水の処理
フッ素がホウ素と化合してホウフッ酸($${HBF_{4}}$$)を形成するとフッ素もホウ素も従来法によるカルシウム塩を用いた処理では除去できない
酸性下では$${HBF_{4}}$$は硫酸アルミニウムと反応して$${H_{3}BO_{3}}$$と$${AlF_{3}}$$に分解できる
めっき種だけでなく、どんな添加剤が含まれているかによって処理方法が変わってくることが分かります。
ウェットプロセスの初心者なら参考になりますが、実際に使っていない液に興味が持てるかどうかでこの記事の価値が変わってきそうです。
今日は以上です。